2013年12月29日日曜日

アメリカよ、まだ判らないのか?

安倍首相は12月26日に靖国神社を参拝しました。そのちょっと前、衛藤晟一首相補佐官がアメリカに出向き普天間移設問題などを意見交換を行った時、安倍首相が靖国神社に参拝した場合、アメリカ側がどう出るかの探りを入れたそうです。

この時、アメリカ側の反応は「オバマ大統領が理解を示すことはない」ということだったようです。そして「中韓を刺激し、中共に安倍政権批判の口実を与え、日中関係はますます険悪になる」というものだったようです。つまりオバマ・アメリカは首相の靖国参拝の自粛を求めたという事でしょう。

小泉純一郎首相の参拝時には、ブッシュ前大統領は批判したり参拝自粛を求めたりしませんでした。それがオバマ大統領(民主党)になってからはまったく逆転しておりおます。
「これがオバマ政権だ。靖国参拝の本来の趣旨や目的など原則的な話は受け付けず、ただ中韓との関係悪化はダメだと言う。修復はちょっと時間がかかる」とは安倍首相の側近たちの言葉です。

沖縄県の仲井真弘多知事が普天間飛行場の移設先の辺野古埋め立てを承認したら、オバマ大統領から入る予定だったねぎらいの電話も無くなったとか。
もっとも、ねぎらいが欲しくて安倍政権が動いているわけでもないでしょうけど。

このことを知っていても安倍首相は靖国参拝を強行したわけです。「アメリカ側にある『オバマ政権はせっかく安倍政権を評価しているのにもったいない』と言う意見」は、アメリカの外交筋の評価だとか。
しかし、安倍首相は「靖国参拝はアメリカ政府の意向など関係が無い」ことを世界に示しました。これこそが「戦後レジームからの脱却」そのものではないでしょうか?

中共の非難声明とか韓国の非難声明には目新しいものはなく、もはやこれ以上悪化はしないと読んだ安倍首相の想定内のものだったのでしょう。
アメリカ側の「失望」発言も、安倍首相にとって想定内であったことは、事前に行った衛藤補佐官の報告で判ります。

安倍政権が出来てから1年、そして安倍政権はまだまだ続く政権です。2014年度の外交も活発でしょうし、東南アジア、インド、そしてロシアとの外交も進展するはずです。
一方の中共は、軍事的威圧を高め、力に頼る外交しか出来なくなっていくでしょう。国内の締め付けがさらに激しくなり、周辺国に対する締め付けも半端ではなくなるはずです。
北朝鮮を見て、それが数年後の中共の姿だと思った方が良いのかも知れません。疑似国家・中共は崩壊し、その後に何らかの新国家が誕生し、現在の中国を継承していくのでしょう。

おそらく安倍外交は、来年の終わりごろにはアメリカに対し、中共包囲網側に付くのか、それとも中共側に付くのか、その決断を迫るようになるのではないでしょうか?(中途半端は止めてくれ・・・)
オバマ政権はあと3年続きますが、そのビジョンは不鮮明です。国内景気の回復を目指すならば、グローバル化を中止しなければならないでしょうし、そうするとウォール街と敵対します。それがジレンマとなって萎縮した政権になっていくように思います。
TPP交渉も年内妥結が不可能になり、来年どうなるのかも良くわからない状況です。アメリカが交渉を離脱する可能性すらあります。

来年4月に予定されている消費増税での景気腰折れが回避出来れば、日本経済は本当の回復基調となるでしょう。すでに26年度予算も出来ております。100兆円規模のもので、景気腰折れ回避のための布石となっています。

すでにご承知の通り、「日本の景気回復は中共の悪夢」というシナリオになってしまっています。日銀の通貨準備は200兆円規模であり、景気回復と同時に経済成長(インフレ)が進行すれば、間違いなく円は安くなりますからね。

来年はアメリカの中間選挙の年。このままだと米・民主党は負けるかも知れません。そうなればオバマ政権の残りの2年はレームダック化するでしょう。
安倍政権は共和党側に交渉を切り替えていけば、日米安保は新たな局面を迎える可能性があります。(民主党からヒラリークリントン氏が出て来るかも知れませんけどね)
集団的自衛権の解釈変更と、自衛隊の軍昇格で、海洋ルートの安全を守る日米同盟をより完璧なものにするというビジョンを持って交渉しましょう。それが中共包囲網の完成系であることは間違いないですからね。

「日いずる国」の安倍政権、まだ強くなれそうですね。アメリカは、このシナリオが読めていないようです。まだ対日偏見があるのでしょうか?

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