2013年12月17日火曜日

張成沢元国防副委員長の処刑、背後に中共

北朝鮮で張成沢元国防副委員長が処刑されたとか。
処刑される前に公表された写真では、張氏の顔や手の甲が腫れ上がっているように見え、拷問を受けたとの見方が出ているようです。
さらに「最高司令官の命令に従わない者らは死んでもこの地に埋葬する場所などない」などとした判決文から、遺体は火炎放射器で焼かれた可能性もあるとか。

朝鮮日報は、「張氏には機関銃の銃弾が90発以上撃ち込まれ、遺体は原形をとどめないほど損傷した」と伝えているようです。

聖学院大の宮本悟准教授は「張成沢は日本に向けた窓口の一つではあった。拉致問題解決のために何か動いてくれたのかはかなり怪しいが、失った部分をどこかで埋める活動を始めるべきだ」と指摘しています。
しかし、初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏は「張成沢の失脚は拉致問題にプラスにもマイナスにもならない」と述べております。

それにしても、華人とか朝鮮人は拷問とか残虐な処刑が大好きなようですね。見せしめをしないと国民が言うことを聞かないようです。
日本に対する態度でも、そういう側面が如実に表出しておりますね。

さて、どうして張成沢氏が処刑されたのか、軍事評論家の鍛冶俊樹氏は次のように分析しております。

「マスコミで不思議なほど語られないのが中共の影である。というのも今回の一件は中共抜きにはあり得ない事件なのだ。」とのこと。
つまり、北朝鮮はすでに中共の手の中にあり、そこを良く見ないと本当のことは判らないという事です。そして日本のマスコミには中共の手が回っているので、そのことがどのくらい報道されないかを見れば、今回の事件での中共の影響の大きさが判断できるという事のようです。

「北朝鮮上層部は大まかに言って親中派と独立派に大別される。親中派とは経済改革派などと呼ばれる場合もあるが、要するに中共の言う事を聞いて経済支援を貰えばいいと考える人達である。経済優先のように聞こえるが、実は軍内部にも共鳴する者が多い。軍は大量の兵員を養わなくてはならず、破綻した北朝鮮経済の現状では中共からの支援が不可欠なのである。」ということです。
意味するところは、軍事を中心にした国家で経済破綻したことから、経済は中共に頼り切っているということでしょう。
日本の場合はこの逆です。経済を発展させて、軍事部分はアメリカに任せっぱなしですからね。まあ北朝鮮を嗤うことは出来ないかも知れませんね。

「独立派とは現在の独裁体制の中枢であり、中共から支援は貰おうとはするが、独裁体制の独立は守ろうとする。治安部隊である国家安全保衛部もこれに属する。軍と異なり少数精鋭であり、現体制下で十分な補給を得ている。」ということです。
つまり、現在は独立派が金体制を維持しているのですが、体制の比率は2割程度。8割は親中派で、「北朝鮮の幹部といえども、経済的に困窮すれば中共からともかく支援を貰えばいいと考えるだろう」と分析しております。

金正恩氏の義理の叔父であり、後見人とも思われていた張成沢氏は、当然ながら親中派でした。もちろん「単なる親中派というだけで殺される訳はない。ここで大きく作用しているのは中共の意向である。」と、鍛冶氏は見ているとのこと。

中共は金正日氏(故人)の長男の正男氏を抱え込んでいます。北朝鮮の後継者は本来なら長男が継ぐべきだったのですが、正男氏は正日氏によって追放されてしまい、3男の正恩氏が権力を継承してしまいました。

中共は、「北朝鮮の将来の独裁者を飼い慣らして、北朝鮮を従属国にしようとしていたのである。それに気付いた金正日氏は、中共の息が掛っていない正恩氏を後継者に指名した訳・・」だということです。
そしてこの正恩氏は、「父親譲りの意地っ張りで一向に中共の言う事を聞かない。」そうです。

そういうわけで、困った中共が「何とか金正男を北朝鮮に送り返して復権させることは出来ないものかと張成沢氏に相談したに違いない。」という鍛冶氏の分析です。
「これが露見して処刑された訳だが、一説には今回の事件で2万人以上が粛清されたとも言われる。大規模なクーデタ計画が進行していたと見てもいいかもしれない。」とも述べております。

以上が張成沢氏処刑の真相のようです。
そして今後の北朝鮮について、「注目すべきは中朝関係だ。中共は当然支援を減らすであろうが対する北朝鮮は韓国との軍事的緊張を作り出して、『第2次朝鮮戦争は近い』といって中共に支援の増額を要請するというお定まりのパターンを繰り返すだろう。だが果たして中共がそれに乗るかどうか・・・」として、「むしろ支援が減る事により、北朝鮮上層部にも困窮が広がり、それに応じて親中派が増えれば、また粛清劇を繰り返さなければならなくなろう。」と結論付けております。

こうして北朝鮮は自滅の道をひた走るようですね。

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