2013年9月4日水曜日

アメリカの議員、安倍首相との対談の目的は?

安倍首相は、アメリカ民主党の「メネンデス米上院外交委員長」、共和党の「マケイン上院議員」、そして共和党「ローラバッカー下院議員」と相次いで会談しました。
そしてそこではっきりと「中共の軍事拡張」を指して「世界的脅威」と言うことで一致しました。

間違いなく中共の侵略は続いています。
8月31日にはフィリピンのスカボロー礁に、中共が設置したらしい構造物を、フィリピン海軍の偵察機が発見しています。
まだコンクリートブロックの小規模なもののようですが、明らかに基地建設を始めた証拠と認識されているようです。

スカボロー礁は、アメリカがフィリピンから撤退した1995年の直後から中共によって侵略が始まったものです。
アメリカがフィリピンから撤退したのは、米比相互防衛条約をフィリピン側が批准しなかったからです。アメリカが米軍基地内の情報をアキノ大統領にさえ教えなかったことで、フィリピン側に不信感が出て、このような事態になったようです。まあピナトゥボ山大噴火によって基地が被災したことも理由だったようですけど。

アメリカが出ていくとすぐに中共の侵略が始まることは、この一件からも明らかで、アメリカの経済破綻による衰退が始まってから、中共の周辺国への侵略が一段とエスカレートしてきたことも確かです。
ウイグル、チベットでも残虐さが増しているようです。

ASEANと中共は、2002年に領有権争いの平和的解決をうたった「南シナ海行動宣言」に署名しています。フィリピンはASEANの参加国です。
フィリピン側の言うには、この基礎工事は、この宣言に抵触すると言うことです。
まあ、どんな条約を締結しても、中共がそれを守るなどと言うことはないでしょう。軍事的に強ければ何をしても良いという価値観なのですから。

「大きな国(軍事力も)に対しては小国は貢物を捧げ、ひたすら媚へつらうこと」が中華の美学ですから、日本のような「小さい勇気が大きな悪を懲らしめる」という美学を持つ国と相容れることはありませんね。
そしてこれが中華の平和主義です。それを受け入れている日本の「平和主義者」ですから、日本にも、そして世界にも通用しないわけですね。

条約を締結してもそれを守らない国家。増強じた軍事力を背景に条約など無視して攻め込んでくる国。かつてのナチスがそうだったのではないでしょうか?
同様のことが今、アジアで始まっていると考えるのは中共を見ていれば判ります。
しかもそれがアメリカの衰退とともにエスカレートしていることも明白です。アメリカの焦りはそこにあるのではないでしょうか?

アメリカの衰退の背景には、アメリカが持ち続けている「中国大陸への幻想」があります。アメリカ先住民を滅亡させて開拓を進め、太平洋において日本を屈伏させ、次が中国大陸の番であることは判ります。
しかし、中国共産党はそのアメリカを「自由経済」という枠組みを使って衰退させていったのです。それがトウ小平氏の戦略で、安い人件費と日本からの技術導入により、アメリカの需要を奪い取ってきたわけです。
豊かになれば自由主義になる・・などというのは幻想でした。
まんまとそのトラップにひっかかったアメリカ合衆国。製造業を衰退させ、金融で国家を運営しようなどという本末転倒の感覚が、今、アメリカの若年失業率を高めてしまった原因ではないでしょうか?

対中共戦略に失敗したアメリカ。しかし何とかしないと衰退のまま放置することは出来ません。ここで使えるカードが日本であることは間違いないでしょう。
ゆえに安倍首相の取り込みが必要不可欠ということになります。

これがアメリカの議員が安倍首相との対談を求める理由だと思います。そしてそれは対中共への警告とも考えられます。
日本側には、日米同盟の基盤を堅固にすることで、「時間がかかっても前提条件なしの対話の場に引きずり出す」との思いがあるようですが、それには先ず、日本の軍事力を強固にしなければならないでしょう。
日米同盟とはアメリカの軍事に一方的に頼ることではないはずです。ともかく集団的自衛権を世界の常識に合わせることですね。

安倍首相の次なるハードルは消費税増税問題。
消費税アップは消費の勢いを落とします。金融関係は平気ですが製造業は打撃をうけます。製造業が衰退すればアメリカの二の舞になることは明らかです。

20世紀を支えた大量生産の時代は終わりました。しかしこれからの製造業の在り方はまだはっきりとしていません。キーポイントはインターネットかも知れませんが・・・(TPPと言う人もいます)
その隙間に中共の20世紀型の製造業が暴力的に割り込んでいます。

日米同盟はこの両方の問題に対処しなければならないはずですね。

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