2013年9月12日木曜日

安倍首相、ロシア・プーチン大統領と電話・シリア問題

ロシア・プーチン大統領から9月10日に電話があったとか。「2020年夏季五輪の東京開催が決まったことに祝意を伝えるため」というのがその申し出とのことですが。

プーチン大統領は、最初に「(東京五輪が決まったのは)安倍首相への国際社会の信頼の印だ」と称賛したそうです。安倍首相は「ソチ五輪の成功を心から祈念します」と応じたとか。
もちろん電話の真の目的はオリンピックの話ではありません。シリアに対するロシアの提案を支持してくれと言うものです。
その提案とは「シリアの化学兵器を国際的管理下に置く」とするもので、アメリカのオバマ大統領はこの提案に前向きです。

まだ具体的にどうするかは判りませんが、オバマ大統領の振り上げた拳を下す絶好のアイディアと見られます。
オバマ大統領は、「軍事行動に乗り出すことなく、化学兵器の使用が国際規範に反しているということを明確にできれば、その方が好ましい」と述べ、ケリー国務長官などがロシア側と共に、どう実現するかの検討に入ったということです。
すなわち、プーチン大統領がオバマ大統領に、行き詰まり打開の策を提示したわけです。

アメリカはアサド政権が「化学兵器の国際管理提案を歓迎した」と述べていますが、シリア側が具体的にどんな行動を起こすのかはまだ不明です。
シリアのムアッリム外相は「シリア国民の生命と国家安全保障の観点から、ロシアの提案を歓迎する」と述べましたが、空爆回避策として述べただけかも知れません。

ケリー国務長官はロンドンで「今後1週間以内にアサド大統領がすべての化学兵器を国際社会に引き渡し、兵器の完全な調査を認めることだ」などと言っていますが、本音のところ「それは無理だろう」という思いがあるようですね。

安倍首相は、「(ロシアの提案を)前向きなものと評価し、支持する。アサド政権の真摯な対応の有無などを注視する」と述べたとか。
この提案の現在の状況について、プーチン大統領は「現在シリア側に働きかけている。作業は難しいが、一定の進捗がある」と述べたということです。

オバマ大統領は、国民向けの演説(TV)で、「アサド政権の化学兵器使用が米国を含めた国際社会への脅威である」として軍事行動の必要性を訴える一方、ロシアなどと「化学兵器の国際管理について慎重に協議していること」などを説明したようです。

フランスのファビウス外相も、「国連安全保障理事会に対し、シリアの化学兵器を国際管理下で廃棄するよう求める決議案を提出する」そうです。どうやら「軍事介入の可能性を含む圧力をかけながら、化学兵器廃棄の確実な履行を迫る」という決議案のようですね。

どうも旧連合軍は、いまだにポツダム宣言的な「威圧による解決」を示唆しているように見えます。
しかしシリアは戦後に出来た人造国家です。その背後には旧ソ連が居ました。民族とか宗教などの微妙な感情を無視し、大国の思惑で作られた国家です。
石油が出ませんから、これまではあまり紛争に巻き込まれなかったようですが、イラクやイスラエルに囲まれた地域で、不安定要因はいくらでもあります。

もしかしたら、プーチン大統領がわざわざ安倍首相に電話してきたのは、国際調査団に日本も参加して欲しいというアプローチだったのではないでしょうか?
ケリー国務長官やファビウス外相のような威圧的な調査では、シリア側は反発を強めるでしょうからね。
キリスト教国でない日本が、うまくやってくれることへの期待を示したのかも知れません。
もちろん旧連合軍としては、日本をメンバーに入れることは簡単には行かないでしょう。しかし、中共に対する警告としては効果が大きいはずです。(民主主義国が責任を取るのだ・・という意味において)

安倍首相はプーチン大統領との電話で、「シリア情勢の正常化に向け、積極的に貢献していく」と付け加えました。
即ち「やる気は見せた」ということになるのでしょう。
日本は「地下鉄サリン事件」で、化学兵器が使われた経験を持つ唯一の近代国家です。その経験を国際貢献として生かすチャンスでもあるように思います。
もしかしたら、使われたサリンはあの時と同じ「北朝鮮製」かもしれませんしね。

安倍首相が提唱する「戦後レジームからの脱却」は、旧連合軍の否定でもあります。ですから旧連合軍側が表立って賛成することはないでしょう。
しかし、どんどん枠組みは変わってきています。各国とも「自国の利益に対してどうなのか」という側面では大いに注目しているはずですね。
ここを利用することが「日本の戦略」として、あってしかるべきです。 アメリカの影響力が低下している今、さて、プーチン・ロシアはどこまで安倍・日本の参加する隙間を作ることが出来るか・・・

注目しましょう。

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