2013年9月14日土曜日

オーストラリアに保守政権誕生

我が国がオリンピック招致で頑張っていた9月7日、オーストラリアでは総選挙が行われ、アンソニー・ジョン・アボット党首率いる「保守連合」が圧勝しました。(保守連合89議席、労働党58議席)

2006年12月に労働党が政権を取り、2010年6月まで首相を務めた親中派のケビン・ラッド首相。そして労働党の内部抗争で2010年7月からギラード首相に変わり、総選挙を目前にした今年6月、再びケビン・ラッド首相に政権を変えるなどして、何とか政権を維持してきた労働党だったのです。

ケビン・ラッド首相のもとで行われた政治で、オーストラリアは経済を悪化させ続けてきました。今や豪ドル金利を史上最低水準(2.5%)に引き下げて景気をサポートしないといけないほどです。
しかも外交では中共を重視するあまり、反日的な政策に明け暮れ、(就任当初の外遊で日本を訪問しなかったり、日本の捕鯨を外交問題化したり、中共が反発した日豪関係強化の議題をことごとく先送りするなど・・)理由なく反日行為に加担してきたラッド首相です。
最近は中共の景気減速の悪影響をもろに受け、経済の悪化が顕著になってきました。

対する野党・保守連合は、景気浮揚策を掲げて有権者の期待を集め、今回の政権交代につながったようです。ケビン・ラッド氏は労働党首を辞任しました。

トニー・アボット議員は、親日派だったジョン・ハワード元首相の後に自由党党首となった人です。
英国ロンドンでオーストラリア人の両親の間に生まれ、1960年に帰国、その後シドニー大学で経済学と法学を専攻し、英国オックスフォード大学のザ・クイーンズ・カレッジに留学して政治・哲学の修士号を取得した秀才です。

カトリック系神学校へ進学しカトリック司祭になろうとしたり、ボクサーとしての活動歴もあるとか。オーストラリアンなどに記事を寄稿しジャーナリストとして活動し、労働組合や左派系政党を批判する論調を展開した経験も持ち、政治家ジョン・ヒューソン秘書を務めてから、1993年から1994年までオーストラリア立法君主連合事務局長を務めております。

ラッド政権下で険悪化した日本との関係強化を打ち出してはおりますが、胚性幹細胞の研究には反対、そして捕鯨問題では強硬姿勢を掲げております。
しかし、日本の調査捕鯨の外交問題化には否定的であり、日本との関係改善には前向きのようです。

強面なダンデイズムを持つジョン・アボット首相が、温厚な感じを持つ安倍首相と合うかどうかは判りませんが、少なくとも中共はこれで「南半球の親中派の国家」を失ったことだけは確かなようです。
オーストラリアは立憲君主国、共和国ではありません。ですから同じ立憲君主国である日本との方が相性はいいはずなんですけど・・・

オーストラリアは資源国であり農業国です。大量の資源が中共に輸出されていました。だからこそ中共の景気減速の影響は、オーストラリア経済にもろに響いてきます。
これらの資源・農産物を日本が輸入すれば、少しは景気回復の役に立つのではないでしょうか? また、日本から鉄道技術を輸出し、あの大陸に新幹線を走らせる構想などはいかがでしょうか?

オーストラリアが保守連合の政権になったことで、中共の太平洋への軍事覇権に対して、日豪の協調は出来そうです。

9月12日、日本維新の会の小沢鋭仁国対委員長は、尖閣は歴史的にも国際法上も日本領であり領土問題は存在しないとした上で「どうしても異論があるならICJに提訴してはどうか」と中共の唐家セン元国務委員に提案しましたが、「2国間で解決すべき問題だと思っている」と述べるにとどまったようです。
まだ日本の圧力が足りないと言うことでしょう。

「軍事力」でしか判断しない中共は、今後の軍拡にまだ自信を持っているようです。安倍首相は、「前提条件なしでの会談」を主張し、「その門戸は常に開いている」としています。
これも一種の対中圧力なのでしょうが、中共はまだそれも拒否し続けております。

インド、ベトナム、フィリピンにオーストラリアも加えて対中圧力を高め、アメリカも協力させるように勧める必要があるでしょう。
中共の経済成長が鈍ったとはいっても、まだ中共経済は大きな影響力を持っているようです。オーストラリアも輸出を急激に止めることは出来ないでしょうし、アメリカも中共経済を無視は出来ません。

アベノミクスでどこまで日本の経済成長を進められるのか、やはりそこがポイントでしょう。
そのためには、消費税増税の先送りは必須なのですけど・・・

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