2012年6月19日火曜日

ギリシャの総選挙、緊縮財政派が勝利


破綻国家ギリシャ。
ドイツがどうするかによって経済状態が変わります。メルケル首相はギリシャ支援の見返りとしての緊縮財政を求める立場。

どうにもならないギリシャの経済の中で行われた再選挙。ドイツからの支援のための緊縮財政を主張する「新民主主義党」が第一党となりました。
「セクシー・アレクシー」は負けてしまったようです。

これでギリシャはドイツから経済支援を受けるのでしょうが、人工の半数近くが公務員という国家です。その公務員の給料が大幅に下げられることは覚悟の上なのでしょうね。
もっともEUを離脱したところで、同じようなものでしょうけど。

ギリシャが緊縮財政を取ることになりましたが、次はスペインがどうするかです。スペイン国債はついに利回り7.3%まで跳ね上がりました。10年債の利回がです。
7%を超えると、経済運営が制御不能になり、デフォルトの可能性が極めて高くなります。ここにもドイツが支援を入れ、緊縮財政を要求するのでしょうね。
そしてその次はポルトガルです。このようにして、欧州は急激に衰退して行きます。

もちろん、ドイツは衰退しません。メルケル第四帝国は、世界市場で躍進します。
ユーロの発行を握るのはドイツ。フランスには左派政権が誕生していますから、恐らくドイツともめるでしょうけど、結局はドイツ優位となるでしょう。
すなわち、EUとマルクは同じようなものになります。

第一次世界大戦のあとのフランスの賠償金要求。その天文学的金額を、マルクを印刷して返済しようとしたドイツ。そのためにえらいインフレを経験してしまいました。ヒトラーなども現れて・・・
そのトラウマでしょうか、メルケル首相は通貨発行には慎重です。ですからギリシャに緊縮財政を求めます。
破綻国家を救うユーロマネーの発行。対する莫大な破綻国家の借金。こうしてユーロは他国通貨に対して下がっていきます。

ユーロの下落は当然ドイツには有利に働きます。ドイツの工業製品が輸出競争力を持つようになるからです。破綻国家を緊縮財政にしておいて、過度なインフレに注意しながらユーロを発行。
こうしてユーロ下落を誘発しながら、ドイツは世界市場でその工業製品を売りまくるでしょう。もちろん成熟した産業国の北欧なども同様。

欧州没落の原因は産業化に遅れたこと。それは貴族主義がいつまでも無くならなかったからでしょう。
貴族は、その所有地から上がる農産物の売り上げで食っていきます。小作人を使用して。そういう体制が壊れていません。もちろん農業で優位だった南欧の国々での話です。

産業が農業を上回りました。しかし、産業は莫大な資本を必要とします。その資本を出したのが欧州貴族です。資本には配当が付きます。貴族はその配当で食っていけました。

ユダヤ金融は、長いことこのお金の運用をしてきました。ですから貴族たちは何もしないで金融で喰っていけたわけです。
アメリカ資本主義は、このような貴族資本主義に苛立っていました。何とかしてこのような循環を断ち切ろうと・・・そして仕掛けた毒饅頭。サブプライムローンという毒を混ぜたトリプルAの債権を欧州貴族に売りつけました。貴族はそれを食ってしまったのです。(そのように見えるのです)

ギリシャの貴族はほとんどギリシャには居りません。その大金持ちたちは、自国のギリシャに投資をしなかったわけです。だから産業が興らず、仕事も無く、公務員ばかりが増えて破綻したというわけです。

これで欧州の貴族型資本主義が消えて、アメリカ型資本主義が全盛となるのでしょうね。
はやく日本型資本主義が出ないと、世界中が不幸になるような、そんな気がするのですけど・・・

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