2012年1月29日日曜日

三菱電機の過大請求事件


日本のハイテクの牙城は三菱。岩崎弥太郎氏が創設した三菱が、政商としてのし上がり、大東亜戦争敗北後に財閥解体で複数の企業に分割されます。
その中で、三菱重工と三菱電機は、その後の日本のハードウエアの先進技術を提供し続けてけて来ました。

日の丸を背負って、宇宙航空とかマイクロエレクトロニクスに取り組んできた実績は、日本の誇りであり、武装解除されたままの日本にとって、安全保障の要ともなるべき企業です。

その三菱電機が、防衛省やJAXAに大して過大請求をしていた事件には、驚かされました。
契約をまたいで工数を付け替え、作業時間をごまかした費用を過大請求していたとのことですが、社員が意図的にやったのか、それともルーズになってやってしまったのか、気にかかるところです。

この事件、2009年度の「地対空誘導弾に関連する336億円分の契約」業務を、防衛賞から原価集計に不自然な点があると指摘されて、三菱社内での調査によって見つかったもの。
現段階で判明しているのは一部に過ぎないと言うことで、防衛省は同社の他の工場も含めた特別調査を実施するそうです。

国策企業にありがちな、昔から「親方日の丸」と言って、一般企業とは異なる営業を展開した企業。このような企業文化にメスが入れられる切っ掛けにしたいものです。

まさか不正に請求した余剰金が、そのまま政治家などにペイバックされているのではないでしょうね。もしそうなら汚職になり、政治がらみの疑獄事件になりますけど・・・

それでなくとも日本の高い防衛費。きっちりと原価計算をやり直して欲しいですね。我々の税金なのですから。(国家の借金でも同じですけど)
三菱電機にしてみれば、日本の防衛技術にどんなに貢献してみても、法的に対外輸出(同盟国であっても)が出来ないためにコスト高になってしまうことは事実でしょう。
高くても利益はほとんど無いのが現状。しかし、それでも不正請求が許されるわけではありませんけど。

この事件で、三菱電機は防衛省とJAXAから指名停止の措置を受けたり競争参加資格を停止されたりしております。

さて、このような不正請求は日本では昔から行われていたように思います。
高度成長期の昔、国家の未来を見据えた開発事業などでは、必ず水増し請求がなされていました。土木工事ヵらコンピュータ技術開発まで。

公共投資とか国策の開発などでは、政府のお金が湯水のように出てきます。国家予算に配分されたお金は、国債を通して政府資金となり、民間企業へばら撒かれ、民間企業は下請け企業を使うことによって技術と資金を国民全体に流し、景気が刺激されてGDPが上がり、企業収入が上がって税収として取り返すことが出来ました。

建築などは、年間予算の分捕り合戦で、大手ゼネコンは、国会で議決するとお金が回り、巨大施設の建設の請負で一年間は食っていけました。この分捕り合戦がいわゆる大手ゼネコンの営業と称する活動だったわけですね。
同じ体質がコンピュータ・ソフトウエアの業界にもありました。費用のほとんどが人件費。水増し請求が行われていたことも確かですが、そのチェックも頻繁に行われていました。
実にうまく機能したシステムでしたが、日本の成長が鈍化するとうまくいかなくなったのは当然のこと。

防衛技術という他に競争がない企業は、このような営業の体質がまだ残っていたのかも知れませんね。

三菱重工は大丈夫でしょうか・・・心配ですね。

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