2012年1月24日火曜日

中共、自国のジニ係数を公表出来ず


格差社会が世界的に問題になっていますが、その格差状況を表示するジニ係数というものがあります。
ジニ係数は、アメリカの経済学者マックス・ローレンツ氏が発表したローレンツ曲線を基にして得られる係数で、富の集中を論じる時に、それを客観的係数として表示し使用されるものです。

この係数、0~1の間の小数で表されます。そして0.4が危険状態。
即ち、この値を超えると社会不安が増長し、デモなどが凶暴化して社会が崩壊に向かうという恐ろしい係数。
最近の日本は0.32(2005年度調査)だったようですが、中共では2000年の調査で0.412と、危険値の0.4を超えていました。

このジニ係数を引き下げる手段が、累進課税と社会保障という社会制度の適切な運用ということです。そして割とこれまでの日本はうまくやってきました。(今までは)
民主主義が機能して、代議士達が働けばこのジニ係数は下がっていくということでしょう。
選挙違反とか贈収賄、汚職などが悪とされるのは、その結果ジニ係数が上がり社会不安が広がるからだと言っても言い過ぎではないでしょう。

社会が貧困状態にある時は、「金儲けは良いこと」として勤労意欲を掻き立てていいのですが、社会が安定してきてもこれを放置すれば、富の偏在が生じてジニ係数が上がります。
ここでどのような国家を目指すか、そういう理念が必要になり、課税とか社会保障などによってジニ係数を下げることに成功すれば、社会不安は取り除かれるでしょう。
しかし、国家経済は浮き沈みがあります。ですから適宜方法を変更していく必要があるように思います。そのためには、やはり民意の反映が必須であり、民主主義の優位性があると思うのですが。

さて中共ですが、2000年に公表した後、10年以上公表しておりません。おそらく社会不安から暴動が発生するので公表できないということらしいのです。

そこで世界銀行が、中共政府に変わって推計したところ、2009年には0・47となっていて、現在はすでに0.5を越えているのではないかと言われています。
1月17日の記者会見の場で、中共国家統計局の馬建堂局長は、「富裕層の所得把握が難しいため全国のジニ係数は公表しない」とした上で、都市部と農村部の格差が開いているとした上で、農村部のジニ係数は0・3897だと公表しましたが、貧困部分だけでジニ係数を出しても意味ありませんね。

さて、中共のジニ係数が0.5を超えているかどうかは判りませんが、0.4は間違いなく過ぎているだろうことは、世銀の発表を見なくても、多発するデモの噂を聞くほどに感じます。
その中共で、昨年12月29日に開かれた国務院国有資産監督管理委員会主催の関連会議の中で、黄淑和副主任は大企業に対して、「これからの3年から5年、われわれは『寒い冬』を越すことになろう」と語り、さらに中国首都鉄鋼集団の朱継民董事長は「中国鉄鋼業界にとって2012年は冬の始まり。全業界が一層困難な状況に備えて準備を行うべきだ」と述べました。

ジニ係数が0.4を突破した状態で、この「冬の時代」へ突入することは、相当の力で国内を引き締め、北朝鮮以上の恐怖政治を必要とするかも知れません。
それでも、国民の中からは民主化を叫ぶ声があがるでしょう。
近代技術獲得のためにアメリカへ送った留学生が、中共の民主化の必要性を一番認識しているでしょうから。
そして、民主化に対してはあのアメリカも支援するでしょうし、味方になるような独裁国家はもはやありません。
国連でばら撒くお金も、やがて底をつくのではないでしょうか?

中共経済の長い冬は、これから始まる「自由・中国」の胎動を助ける働きをするかも知れませんね。

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