2011年10月27日木曜日

TPP交渉参加、いよいよ大詰め

TPP(Trans-Pacific Partnership)交渉に参加するかどうか、その政府決定がいよいよ大詰めを迎えています。
このTPPによって日本の農業が全滅するとか、10%以下の輸出産業のために他を犠牲にしていいのか、など多くの反対があるTPPです。
TPPとは、関税を加盟国間で出来るだけ0に近づけようとする交渉です。参加各国はそれぞれ自国の利益のために、どう交渉するか秘策を練っていることでしょう。

アメリカのオバマ大統領も、このTPP交渉でアメリカの雇用を増やし、輸出ドライブを掛けることで経済の建て直しを行う・・と意気込んでおります。
交渉を行うとする国は9カ国、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、ベトナムです。ほとんどが経済的には弱小国。
オーストラリアがすこしは大きな経済国。ダントツのアメリカは、この交渉に日本が参加しないと無意味になりそうな状況。

そして参加国はいずれも交渉に長け、自国の利益には目ざとい国々です。
状況から見ると、日本の与党にはとても太刀打ちできない相手ばかり。日本の政治家は政治をするために国内の選挙対策にほとんどの勢力を使い果たしております。国際競争などに対する勉強も戦略の立て方もまったく知らない人達です。
将棋で言えば、駒の動かし方すら判らない人が、段持ちの人々と対戦するようなもの。しかもハンデなどを考慮することなど絶対にありえません。

民主党賛成派の議員たちも、TPPに対して日本の国益をいかに確保するかという「戦略」など、持っているようにはまったく見えません。ただアメリカなどの圧力、あるいは甘言によってその気になっているだけでしょう。

例えば、米の関税をゼロにすることは大丈夫でしょう。すでに加工米の多くは輸入米ですし、日本人のご飯として食するお米は、高くても日本産でないと食べないでしょうから。
問題は工業製品。日本は自動車などのアメリカ輸出が伸びると考えているようですが、結果的にはアメリカで作ったトヨタ、ホンダが日本に逆輸入されて、日本の工場が操業停止に追い込まれ、失業者を作り出すことがオチではないでしょうか?
アメリカは今必死でドルを下げています。相対的に円が上がっていますが、それは日本人の人件費が上がっているということ。
ぼんやりしていると、職業訓練のチャンスもなく、レイバー(低賃金単純労働者=体のいい奴隷)しか出来ない日本人ばかりが増加し、結果的には国家としての機能も出来ない日本になってしまいます。(このような日本にすることが、この9カ国に共通の利益かも?)

いかにして若い国民に職業訓練の場(技術職として働ける場所)を確保し、先端技術を確保するような交渉を行うか、とても民主党には出来ないのではないでしょうか?
高度技術開発を日本語で進められる環境を維持し、英語ではダメだということを交渉で勝ち取らないと、アメリカ人が人件費の安い研究生として入り込んできて、日本の開発力が削がれてしまいます。

TPPに賛成か反対かなどという問題ではないのです。TPPそのものの内容がまだ決まっていないのですから、日本側の交渉に対する戦略がキチンとできているかどうかの問題なのです。
そして、野田首相などの対外交渉を見ていて、「韓国」からは決着していた問題を蒸し返されていますし、竹島のことは非難もしておりません。
尖閣列島とガス田開発のクレームも中共に言えない始末。北朝鮮との交渉も出来ず、朝鮮学校への資金提供すら断れないありさま。
およそ政治交渉など出来ているとは思えません。やっている振りをしているだけのよう。

即ち、これがTPP交渉への民主党政権下での参加には反対であると考える所以であります。

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