2011年5月30日月曜日

麻生太郎元首相の菅首相批判、しかし元はと言えば・・

28日、国士舘大学で講演した麻生元首相。民主党・菅政権の危機意識や政治姿勢について「極めて稚拙だったのではないか。内閣不信任案の対象になる一番大きな要素だ」と批判しました。しかし、もとはといえば民主党に政権を渡した麻生政権が稚拙だったことが原因だったのではないでしょうか?

小泉政権のあと、安倍、福田、麻生と続いた自民党政権の稚拙さは、経団連の要望と国民の希望のギャップに気づかず、経団連の中共迎合要求を呑んだことでしょう。
戦後60年、自民党と経団連は一心同体で活躍してきました。そして国民の生活を向上させ、雇用と開発を実現し、世界第二位の経済大国にのし上げました。このことは、すばらしいことと評価していいでしょう。しかし、経済界と国民との遊離は、20年も続く不況と賃金下落(つまりデフレ)、そして国際競争力の低下の原因を日本国民の人件費の高さに位置づける経済界の間違った判断だったのではないでしょうか?

国際競争力が低下した真の原因は、デジタル化にあります。アメリカとの競争の中で、コンピュータの社会的普及とそれに伴うソフトウエア開発の生産性をサボったこと。そして軍事無き政府の弱腰外交が、日本のソフトウエアの標準化をアメリカ依存にしてしまったこと。
財界が、愛国心を捨ててグローバル化経済という流れを勝手に読み違え、人件費の安いところで生産すれば儲かるというアメリカのビジネスモデルを、工場設備まで移しながら、何の戦略も無く中共の掌中に捉えられてしまったからでしょう。

中共の草刈場となってしまった日本の経済界。その組合である経団連。そこが中共の意のままに「日中友好」などという呪文を唱えながら自民党政権を中共寄りにしてしまい、あげくのはてに日本人よりも中国人の方が「英語も出来て即戦力」などとし、雇用対象を日本国民から中共人民へシフトする売国企業までが現れる始末です。

この流れの中で、安倍首相はアメリカの前に中共に出向き、福田首相は中共の手玉に取られ、そして麻生首相も中共寄りの政策を変えられませんでした。
そしてリーマンショック。欧米はデフレ不況が来ないように盛んに自国通貨を下げ始めます。
その反動で円の高騰。日本の中小企業が大打撃で、日本人の雇用は悪化の一途。そして衆議院選挙を向かえ、反日マスコミに煽られるように民主党に政権交代したことは記憶に新しいところですね。(国民は騙されて、自民党でなければいい、となってしまった・・)

小泉首相が行ってきたアメリカ優遇の政策には批判が多いことは承知しておりますが、しかし国防をアメリカに丸投げしたままで、どうして交渉ができましょうか?
そしてその小泉首相の人気の理由は、反中共だったこと。当たり前でしょう。それに一番困った団体が、「アメリカから中共へ私利私欲で鞍替えした経団連」だったはずです。経団連のこのおぞましい行動は、かつての経済成長と同じビジネスモデルで、今後も継続させようとするサラリーマン上がりの経営陣の稚拙な経営感覚にあるのでしょう。
日本の企業は日本人の雇用と生活の向上を考えることが使命のはず。それを忘れて安易な利潤に群がるおぞましさ。
この経団連などに迎合してしまった麻生政権。せっかくアニメだとか日本のサブカルチャーを評価していたのに・・・
この裏切りに対する怒りが、あの衆議院選挙で民主党を勝たせてしまった原因ではないでしょうか?
民主党しか選べられなかった国民の悲劇。平和主義の皮を被った極左政権だったのに・・・

野党に落ちた自民党で、谷垣総裁が頑張っていますがどうも何も判っていないようです。世界の経済がどのくらい10年前と変わってしまったか、貨幣制度がどのように変わろうとしているのか、アメリカの財政赤字を、アメリカは税収で購おうなどと考えていないということが、どうして判らないのでしょうか?
このような感覚の総裁では、どんなに民主党が愚劣な政府を作っても、国民の信頼を得られるとは思いません。

エリートコースを外れた日本の若者。しかし彼らの中の多くが、新しい時代の息吹を感じ取り、それぞれの分野で自己実現の活動を始めています。
音楽、映像、手作りブランド、ネットコミュニティ・・・かつての産業主義でのバイタリティに似た、ギラギラとした眼を持って必死でのた打ち回る若者の姿があります。食えない収入、失敗続きのチャレンジ、仲間割れなど・・それでも就職などは考えず頑張っている若者のなんと多いことか。彼らは10年前までの企業経営と、その残骸を捨てているのです。(捨てられているのではありませんよ!)
未だ燃えないこのエネルギーをいかに燃やすかを考えることこそが、新しい政治家の務めではないでしょうか?
そうしないと日の丸も天皇陛下も、無意味な存在になってしまうのですよ。

それを理解した政治家が、自民党の総裁にふさわしい政治家なんですけどね。でないと、民主主義の意味がないのですよ。

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