2011年5月18日水曜日

孫正義氏、首相にエールだとか・・

携帯電話のソフトバンク、その孫正義社長が菅首相に誘われて食事会に出向き、「東日本にソーラーベルト地帯を」という構想を話したとか。
このところ小沢一郎氏以外からの菅降ろしの声が聞こえなくなりましたが、菅首相の浜岡原発停止要請が効いているのでしょうか?
孫氏はこの要請について「歴史的英断だ」と褒め称えたとか。

このところ原発継続の話はほとんど出てこなくなりました。確かに原発は危険に見えます。
廃棄物についても10万年という半減期は人類の責任可能な範囲を超えているかも知れません。
しかし、ソフトエネルギーで300万キロワットの発電量を得るためにはどのくらいの設備が必要なのか、その計算が見えてきません。
孫氏は、世界的に脱原発の流れがあり、すでに世界規模での投資額は原発よりも再生可能エネルギーへの投資額が増えていると、グラフで示しておりますし、原発はコストが安いということに対しても、そんなことはないと反論しておられました。
しかし、現在完成している技術のソーラパネルだけで300万キロワットの電気量を得るのに、どのくらいの面積と設備投資が必要か、その計算は示しておりません。

ソーラパネル(シリコン基盤のもの)では、日本のシャープ電気(株)が最先端ということで、日本のシェル石油(株)もシリコンによる効率のいいパネルを完成させているとのことです。シェル石油はもともと英国とオランダの企業(つまりアングロサクソン系)。そこに今度はドイツも加わるそうですから一層研究は進むでしょう。
ここには、量子ドットの研究(超微細加工技術)も含まれるはずですから、ソーラパネルの発電量が日進月歩であることはわかります。
量子レベルの極微細加工の技術は現在やっと始まったばかり。鉄の粒度を10ナノメートルに出来るかどうか、遺伝子組み換えのバクテリアが作る蛋白質で微細マスクが量産できるかどうかなど、ハードルも高そうです。

しかし原発はすぐにでも止めて、ソーラパネルの研究はこれからもっと進めるというのでは、時間的隙間があいてしまいます。
電気はいますぐに必要なエネルギー。石油・石炭に戻すのもいいですが、それではこれまで唱えてきた大気汚染と温暖化の問題はどうするのでしょうか?
地熱発電についても、山形に実験設備があることは知っておりますが、地表から4~5kmの地下高温岩盤に長期間水をぶっ掛ける行為が、地下の環境をどう変えるのか、そのようなアセスメントの話はまったく聞こえてきません。
震災ショックで混乱する国民をもっと冷静にさせて、このような研究の現在の状況と数字を示して、その上で今後のエネルギー政策を示すことが政治責任というものではないでしょうか?

忘れておりましたが、メタンハイドレートの研究も少しづつですが着実に進んでいるようです。
産業技術総合研究所のメタンハイドレート研究センター(札幌市)が世界初となる大型実験装置を導入し、5月末から基礎実験に入るとのこと。
日本海側にあるメタンハイドレートの採掘研究にも、もっと予算をつけてほしいものです。

代替エネルギーの技術は多方面に渡り、しかもこれから進展させるものばかり。
発電量を示しながら、置き換えていくことには賛成しますが、現在の原発を維持管理し、旧式の原発を新しいものに置き換えていくことも必要でしょう。(間違いなく安全性は高まりますから)

ただ、いわゆる原発利権に群がり、代替エネルギーの研究に圧力をかけるような、そんな仕分けを命じる輩だけは早急に排除すべきでしょう。
原発の問題の本質は、危険ということよりもむしろ、既得権からくる代替エネルギー開発への圧力のような気もしますのでね。

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