2011年5月16日月曜日

時限増税って何んだ? 自民・谷垣総裁

自民党の谷垣総裁が、「国債発行だけで復興財源は賄えない。支援税制を『東北復興ニューディール政策』と位置付け、何かやりたいと国民の気持ちを一つにすべきだ」との説を唱え民主党・菅直人首相と会談したそうですね。

菅首相は「これから協議していこう」と応じ、両党幹事長に具体的な検討を委ねる考えを示したとか。
どうも背後に財務省の陰謀があるようです。

今増税すれば、不況が恐慌になってしまうということはまったく思考の外のようですね。
増税とは税率を上げること。税収を上げることにはなりません。国民の財布の紐は硬くなり、企業は税の支払いが出来ずに倒産ということにもなりかねません。
税収を上げるには、消費税率のアップ。それも食品とか生活必需品の税率を大幅にアップしないと税収は見込めませんから。

まず、どうして国債発行だけで復興財源は賄えないのでしょうか? それは財務省だけの意見ではないでしょうか?
他国からの借金ならばその通りでしょう。しかし国内での借金ならば、いくら行ってもインフレになるだけ。現状のデフレ危機のなかでインフレが起きて、復興需要があるならば適切な経済成長が生じるだけではないでしょうか?

自民党が国民から見捨てられる現状の理由が判るような気がします。谷垣総裁の「インフレ対策」しか念頭にないお粗末さが原因のようですね。現状の日本経済が恐ろしい長期デフレに見舞われている時期に、どうしてインフレ対策を始めようとするのでしょうか?
民主党に言い寄り、とんでもない連立を模索しているように見えます。

彼等は、本気で1000兆円規模の国債の償還を増税で賄う気なのでしょうか?狂気の沙汰としか思えません。
日本国家の借金が増えたのは、経済成長が止まったからです。そこにインフレ策を断続的に打つから、デフレが進行して借金が膨らんだだけのこと。
この借金の見返りは国民の預金としてと留まり、その国民が外国へ投資をして、外国の金融業者を儲けさせていることなど理解しているのでしょうか?

この国民の預金を取り上げて借金(国債)の返済に使うには、増税では出来ません。
例え国民を恐喝して預金を吐き出させ、国債を償還しても、償還相手は銀行ですから銀行の中で相殺されて消えてなくなります。(国民が持っている国債は微々たるものです)
円が消えてなくなるのですから、円相場は跳ね上がりますが、そもそも何のためにこんなことをするのでしょうか?
物価は下落し、やがて銭・厘・毛という通貨単位を復活せざるを得なくなるかも知れませんね。そうしないと、たとえば1円で買った野菜の量が多すぎるなどの弊害が出てきますから。
銭・厘・毛という通貨を作る必要はないでしょう。今や電子マネーの時代。ネットワークの中であれば誰でも作れます。
そしてこのような取引が始まれば、生活が10円以下でも出来るようになってしまい、そうなったら、まったく消費税が取れなくなること、間違いありません。
こんなことをするために与野党のトップが話し合うのでしょうか?

たとえば戦時国債を考えれば判るでしょう。戦争は最大の消耗です。最初は軍需品の需要で景気はよくなります。しかし消耗戦となり物資が不足し、やがて悪性インフレとなり、その結果国民は持てる預金をすべて吐き出します・・・ちょっと例えは悪いですが、国民の預金を吐き出させるにはこの方がまだ有効ではないでしょうか?
未曾有の大震災を戦争と例えれば、復興国債は戦時国債と同じ意味を持つものと思うのですけど。(戦争よりも震災のほうがいいでしょう)
しかも現在はデフレ危機で国家の借金が膨れ上がっている時代。インフレ療法が必要な時期です。
ただ、このインフレ策は教科書には書かれていないもの。それが財務省とか日銀が出来ない理由なのでは?
アメリカも中共も、この教科書にない手法を果敢にやっています。まだ結論は出ていませんが、アメリカはリーマンショック後の経済再建にドル安から輸出攻勢を狙っていますし、中共は五輪から万博までのばら撒き経済を、どうやらソフトランディングに成功しそうです。

日本だけが、自虐的デフレで円を高くして、国内の製造業ががたがたです。もう少し教科書ではなく現実を見た経済政策を行って欲しいものですね。

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