2020年11月2日月曜日

大阪市廃止は否決

 「大阪市を廃止し、大阪府に一本化して既得権を組み替える」という大阪都構想。

そして行われた大阪市民の住民投票でしたが、賛成が67万5829票で反対が69万2996票、1万7167票の差で否決されました。投票率は62・35%と言うことです。

この構想を推進した大阪維新の会代表の松井一郎・大阪市長は、反対多数の場合は令和5年春の市長の任期満了をもって政界を引退する意向を示していましたが、自民党の中山泰秀防衛副大臣は松井氏に「潔く市長を辞すべきだ」と迫ったそうです。

二度目の住民投票でした。大阪市民は再び反対を表明したわけです。
今回は公明党が「大阪都構想に賛成」を表明し、先月18日には山口那津男代表が大阪に入り、松井氏と街頭で賛成を訴えていましたが、結局この構想は否決され、むしろ公明党にとって大きなダメージとなってしまったようです。

なぜ公明党がこの都構想に賛成したのか、その理由として次期衆院選で府内4選挙区に候補を立てるため「大阪で維新と争いたくない」という思惑があったと言います。
いったい公明党は選挙を何だと考えているのでしょうか。大阪市廃止の意味が判っていたのでしょうか。

「大阪都構想」という訳の分からないスローガンを掲げて、平成22年に橋下徹元大阪市長が住民投票なるものを実施しました。
橋下徹市長は、それまで大阪市民から不評を買っていた市庁の住民窓口の対応の悪さを一掃し、大阪市の行政を活性化して一躍市民の人気を得て、そして打ち出したのがこの構想でした。

一見よさげに見えたこの構想でしたが、中身を熟慮すると欠陥だらけでとても使用に耐えられるものではなかったようです。
この点を藤井聡京都大学教授が指摘しておりました。そして一回目の住民投票の結果、この構想は市民によって否決され、橋下徹市長は辞任に追い込まれました。

平成27年、知事・市長のダブル選挙になって、大阪維新の会は松井一郎氏を擁立し圧勝しました。そして松井氏の「大阪都構想」が再び復活してきたのです。
一度否決された大阪市廃止論が、再び練り直されて登場してきます。それに4年の歳月が必用だったようですが、内容的には判りにくく、むしろ藤井聡氏の反対論の方が解りやすかったようですね。

武漢コロナウイルスが蔓延る中、投票率62・35%とは結構関心が高かったようです。

この構想は大阪市と大阪府という二重行政の非効率さを突いて出てきたもので、大阪市を廃止して大阪府を4分割、そして行政効率を高めるというものでした。
そこで若い世代はこの構想を支持してきたようですが、問題はこの背後にある「道徳なき経済」のの影を住民は見抜いたようです。

産経に掲載された「アキッパ社」の「金谷元気・社長」は、「特別区の設置で二重行政を組み替え、仕事のスピードアップにつながるというメリットが見込まれたものの、反対が多数を占めた。これは、大阪市の廃止という強いキーワードに対して、賛成派からの、現在の大阪市に愛着を持つ人たちの心情に寄り添うようなメッセージが足りなかったからではないか。」と発言されています。

たしかに二重行政廃止は行政の効率化には必用でしょう。しかし大阪市の住民にとっては現状維持という保守的感覚を打ち破るような明確な説明が欲しかったのだと思います。

しかし、この構想の裏側にある「道徳なき経済」の影が明確な説明を阻害し、住民にとって「何がメリットなのかよくわからない現実」を感じさせてしまったようです。

そしてこの住民投票が、大手マスコミよりも住民はネットの情報を信頼して賛否を決めていたようにも思います。
特に「藤井聡教授」が行っているラジオ放送やネット番組での強烈な「反対アピール」は、大阪市住民に廃止された場合の恐怖を感じさせたのではないでしょうか。

ともかく、この大阪市廃止が中止になったことで、大阪が「道徳なき経済」の餌食にならなくて済んだことはよかったと思います。

しかし、二重行政についてはやがては無くさなければならないでしょう。
その時は大阪の歴史、そして住民の理解をもっと深くさせるような、そして背後の嘘を打ち消して真に大阪市民のためになる構想を打ち立てて欲しいものです。

維新の会の松井氏がどうするか、その去就が気にはなりますし、大阪府の吉村洋文知事(都構想反対)の人気は高いようです。

大阪の歴史と伝統を守り、その上での行政の効率化に、今後とも取り組んでいって欲しいですね。

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