2020年11月4日水曜日

大統領選挙と宗教

 アメリカ大統領選挙で、今トランプ大統領とキリスト教プロテスタント・福音派との繋がりが報じられています。

この宗教問題は。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の3つ巴の対立と協調の関係にあり、政治と経済と社会秩序の問題と緊密に関わってきます。
しかしあくまでもヘブライ系の宗教であって、アジアのスピリチュアルな宗教とは一線を画しています。ですから我々日本人にはなかなか判らないようです。

アジアにもキリスト教は普及していますが、地元のスピリチュアルな宗教と折り合いをつけるために、かなり変形しています。
スピリチュアルな宗教として、インドのヒンズー教や日本の神道などがありますが、ブードゥ教のようなものまで多種多様です。

ヘブライ系の宗教の元は旧約聖書になります。そしてこの最初にあるのが天地創造(創世記)です。
「はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。」という文句で始まる「始まり」の思想ですが、このためにヘブライ系はこの世の終わりを重視します。
つまり「始め」があるなら「終わり」もあるだろうという発想でしょう。

この最初がちょっと書き換えられたのがキリスト教系の新約聖書で、「ヨハネによる福音書」には「はじめに神があった。神は言葉とともにあった。」となっています。
この「言葉」とは「ロゴス」を訳したもので、神道的な「ことのは」とは違う意味になると思います。

福音書の福音とは、よく「良い知らせ(GoodNews)」と教会では説明していますが、ギリシャ語では「エバンゲリオン」です。

この福音書から派生したキリスト教プロテスタントの一派が福音派で、エバンジュリストと言われています。
そしてこの福音派に同調したのが「トランプ大統領」です。なぜなら福音派はディープステートのアメリカ破壊工作と真逆の主張をしているからです。

ディープステートの破壊工作とは、「LGBT」や「ANTIFA」「BLM」といった過激集団を操る活動です。
「ANTIFA」とは「反ファシスト」であり、ここで言うファシストとはナチス的なるものを意味する(大義として扱う)のだろうと言うことから「ディアスポラ・ユダヤ」の匂いがすると言うことで、浮かんできたのが「ジョージ・ソロス氏」と言う訳です。(世論は単純ですからね)

この流れに反したのが福音派で、「人工中絶反対」「LGBT反対」「同性婚反対」などのスローガンを掲げてトランプ支持に回ったわけです。
トランプ政権の副大統領マイク・ペンス氏やポンペイオ国務長官なども、福音派に対して積極的にアプローチしているようです。

そしてこの福音派(現実にはさらに内部派閥があるようですが)はアメリカの人口の約25%を占めると言われています。
「人工中絶反対」「LGBT反対」は良いとしても、「科学に対する反発」も持っているようで、保守的な政治信条のほかに科学への信頼も低下させる力もあるようです。

もっとも最近の科学側にも行き過ぎの感があります。科学信仰のような無信仰の中共が行っているITやAI革命、遺伝子操作技術は明らかに悪魔的であり、その反対の福音派が世界的な(ディアスポラ的な)この流れにブレーキを掛けることは良いのかも知れません。

ともかく神の救いを求めて分裂するヘブライ系の宗教ですから、常に争い事は絶えません。民主主義でも宗教派閥が絡んでくると、機能しなくなってくる可能性があります。政治は突き詰めてしまうと戦争になりますから。

その点、神道というスピリチュアルな宗教はあまり争いをしません。「中庸の美徳(儒教)」が尊重され、和解を求めていきます。(モラトリアム、またはバランス感覚)
「言葉」はロゴスではなく「ことのは」、すなわち「事の端」であって、真実はその言外にあると言う教えです。
で、それを如何に表現するかが、「和歌」であり「俳句」であること、そしてそれを日本国民は長い歴史のなかで民族的に保護してきたわけです。(浪曲や演歌などに置き換えて)

仏教も「問答」を通してその論争の無意味さを悟ることで精進するわけです。仏の教えは「悟り」であって説明などしません。そこが神道と融合してきた理由ではないでしょうか。

福音派には、感情が高ぶり恍惚状態になるものも見られ、神との霊的なつながりを求める一派(ペンテコステ派など)もあるようです。
「霊的なつながり」とはやはりスピリチュアルなものが入ってきていることを示すのではないでしょうか。

油断すると「ブードゥ的」にされてしまいそうです。彼等も神道を研究すれば「中庸」の扱い方や、詩的表現で真実を語ることが解るように思うのですが・・・

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