2018年6月5日火曜日

米中貿易戦争は終結しない・・

世界の眼が北朝鮮に取られているところですが、アメリカは敵国・中共との貿易戦争を繰り広げております。
北京の釣魚台迎賓館で、閣僚級貿易協議を行った米中は、前回の協議でアメリカ対中共貿易赤字の削減問題で具体的な進展があったとする発表を行った後、「アメリカが追加関税などの制裁措置をとった場合には、双方が合意したあらゆる成果は無効になる」と中共側が述べました。

アメリカのロス商務長官は、「今のところ友好的かつ率直な話し合いが行われており、特定の輸出品に関する有益な議論もできた」と会談内容を評価しておりますが、まだ最終的な結論は出ていないようですね。

アメリカは砲艦外交の国家ですから、このような対中貿易戦争を行っている間、軍事力もそれに同調して動きます。
そこは中共側も熟知しているらしく、この交渉は「双方が歩み寄り、貿易戦争を起こさないという前提に基づいている」などと嘯いております。
アメリカとはこのように下手に出ますが、軍備も弱小な島嶼諸国などに対しては恐喝外交を行っています。やり口が高利貸とヤクザの関係のような感じです。

今回の貿易戦争は、要するに「情報奪取などの汚い手口を使う中共に対して、もっと『アメリカ製品を買え』」という交渉です。しかも「知的財産権の侵害」も含まれ、「砲艦外交のアメリカ」が勝つか、それとも「詐欺外交の中共」が勝つかといったところでしょうか。
プロレスのような駆け引きとなっている交渉のようですが、トランプ政権は楽しんでいるようにも見えますね。対する中共は、交渉に「隠蔽した欺瞞」を織り交ぜながら、必死に面子外交を繰り広げているようです。「改革開放で内需拡大」などと言う言葉が出ていますが、何をいまさら・・と言う感じですね。

こんな言葉は昔日本にも使っていました。騙された日本企業がいかに多かったことか。だから余程注意しないとトランプ政権の交渉人でも騙されるかも知れません。
そこでその為の保険をアメリカ軍が担っているようです。もちろん今度は戦闘を伴う戦争です。

今年の5月30日に、マティス国防長官はその演説の中で、「アメリカの国家防衛戦略は現実の問題を直視したものである」と述べ、「多帯多路(many bels and many roads)は認めない」とか「略奪的経済はこれを認めない」そして「威圧の脅威には対抗する」などと述べたそうです。
中共を名指しはしておりませんが、これが中共を指すことは間違いありませんね。

そして「大小にかかわらず、すべての国家の主権を尊重する」と、太平洋島嶼国家の主権が侵害されるようなことがあれば、いつでもアメリカ軍は行動を起こすことを意図するような発言を行いました。

今年4月、「アメリカ太平洋軍」は、「アメリカインド太平洋軍」と名前を変えております。もちろん南シナ海のことを意識した上でしょう。
アメリカが対中貿易戦争で中共の経済力を締め上げれば、中共は必ず軍事的弱小国に恐喝の矛先を向けるはずです。「弱い者いじめ」が国是の中国(現在は中共)ですから、そのことも考えなければならないわけです。何しろ、中共にとっては、いじめの為の軍備増強なのですからね。

同じ4月、アメリカインド太平洋軍司令官は、日系のハリス司令官からディヴィッドソン司令官に変わりました。ハリス氏は韓国の駐韓大使として活躍するようです。
アメリカは「アメリカインド太平洋軍司令官」の着任前に必ず公聴会を開きます。さまざまな質問を新司令官にぶつけて、その考え方を答えさせるという公聴会です。

その中で。「中共に対してどう思うか」という質問に、ディヴィッドソン氏はすごい答えをしております。
「中共は、威圧的外交、略奪的経済政策、急速な軍拡を通じ、ルールに基づく国際秩序を崩している。我々は中共のこのような行為に対しては、臆することなく継続的に対抗しなければならない。」と、もう中共を名指しで批判しております。

続けて「人民解放軍は、先進的なプラットフォーム、対艦ミサイル、アメリカ軍と同盟国(韓国・日本)の基地を標的とし得る中距離弾道ミサイル、サイバー・宇宙能力、超音速兵器を含む長距離弾道ミサイルに焦点を当てている。これらはアメリカを第一列島戦の外側に追いやり、中共の近隣諸国を孤立させ、アメリカによる中共周辺における地域紛争への介入を阻止することを目標にしている。」

正しい分析です。弱い者いじめの中共の国是を良く表しています。ディヴィッドソン氏は続けます。

「一帯一路構想については、融資や関連事業の略奪的性格を考えれば、私は中共が各国を威圧し中共の影響下に置こうとする道具として使っていると確信する。一帯一路は中共の軍隊を海外の空軍基地、港湾にアクセスさせて世界中に到達する機会を与えるものである。中共の軍隊は、南シナ海からアデン湾に至るまで、打撃、偵察が可能になるだろう。中共は、アメリカ軍基地、アメリカとの共同行動などを阻止するための圧力としても一帯一路を用い得る。」

・・・その通りです。
アメリカは中東の問題からは手を引きそうです。イランの核開発は北朝鮮を押さえることでかなり効果が上がるでしょう。あとはイスラエルなどに任せて、主力を対中戦略に投入するような感じがいたします。

北朝鮮問題が解決した後は、台湾をいかにして独立させるか、それが日米同盟の目標になる様な、そんな感じも致します。
弱い者いじめが国是の中共(華人)には、それが「義に反すること」だとは判っていません。しかし世界各国は少しづつ判り始めてきたようです。
それが「反中共」という認識を持ち始めた国家群です。反中共の戦いに日本、そしてアメリカが加わる様な気も致します。
トランプ政権で、先ずは経済面から戦争を仕掛け始めたのかも知れません。この戦いは中共が「中華民主主義共和国」になるまで続くでしょう。きっと・・・

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