2018年6月11日月曜日

中華民族は民主化不能

なぜ中共が嫌われ中共離れが進むのか、アメリカの軍事プレゼンスがあっても、各国に中共離れを望む気持ちが無ければ離れはしません。つまり、もともと中共嫌いがあって、そこを軍事的威圧と経済的敗北があって、しかたなく中共の言うがままになっているだけですから、強いアメリカが戻ってくれば必然的に中共離れが進んだわけです。
なぜ中共が嫌われるのか・・・

民主主義とはイデオロギーと言われております。対するのは共産主義というイデオロギーです。しかし人為的に作られた共産主義に対して、民主主義は自然発生したもので、自然界の生き物の継承力を人間社会に取り入れたものです。

生き物の進化は「挑戦と応戦」の繰り返しで進められてきました。挑戦とは自然の破壊力です。寒冷化や火山や地震などの造山活動、大気の成分の変化などが常に起きてきます。これを挑戦と捉え、それに応戦する形で遺伝子が組み変わり、さまざまな生物体系を作って来たわけです。

こうした自然界の状況の変化に対し、種を変えて生き残った多数が次の地球世界を作って来たわけです。多数は何時までも多数ではいられません。環境の変化があれば別の種が多数を占め、少数になった種はやがていなくなる可能性が高くなります。つまり、環境の変化に耐えうる多数生存のルールは、環境の変化で入れ替わることはあっても、絶えることが無い生命の知恵でした。

これを人類社会に持ち込んだものが「民主主義」です。つまり議会によって多数派を優先し、しばらくは多数派の意思による行政を行うというシステムです。社会環境の変化で行政の対応は変わらなければなりません。それが出来るようにルール化したものが「民主主義」なのです。ですから階級はなく、権力闘争もない社会システムが出来るはずなのですが・・・

しかし人間の持つ「権力への執着」や「既得権利益の継続」などが阻害要因として出てきます。今後はそれにどう対処するか、そこに自由主義があるわけですが阻害要因が消えたわけではなく、民主主義はまだ完成されたものとは言えないようです。

そしてこの民主主義は、中華民族には出来ないということを静岡大学の楊海英教授が述べておりました。楊教授は文化人類学の研究者です。(産経・6月7日)

楊教授は、中華文明が民主化出来ないのは、「封建社会が出来ないからだ」と述べております。封建社会は、地方分権社会であり階層化された権力組織になります。
徳川時代を見れば判りますように、闘争に明け暮れていた戦国時代を終わらせ徳川幕府が平和を作り上げた背景には、地方の大名の独立を認めたことがあるからですね。

楊教授は、「封建制度の欠如が政治的な中央集権化をもたらし、個人の独裁を生む。共産党が「革命」を成功させたと宣言しても、それは一つ時代の権力に過ぎず、『改革開放』や『社会主義市場経済』などと言葉遊びはできても、経済の抜本的な改革は一向に進まない。この構造的な問題はすべて中国の歴史に源があり、古い中華文明を近代世界に導く「良薬」はまだ見つかっていない。」と外観しています。

1989年6月4日の「天安門事件」を楊教授の研究は重視しております。ソ連と東欧の社会主義諸国、それにモンゴル人民共和国は平和裏に自由主義体制へと移行しましたが、市民と学生に銃口を向けた天安門事件以降、中共は世界の潮流と逆行して自国民の正当な権利を抑え込み、市民の権利を守ろうとする弁護士を大量に逮捕して投獄し、少数民族に対する苛烈な弾圧を少しも緩めてはおりません。

繁栄する経済で金持ちになったのは、8千万人の中国共産党員たちだけで、彼らが「中産階級」と呼ばれますが何ら権限はなく、ピラミッド型専制主義体制の頂点に立っているのが習近平主席という構図です。
そして習主席が居なくなってもまた、その次の皇帝がその位置に座るだけなのです・・と楊教授は述べております。

今後、中共はさらに専制主義が進み、ITとかAIといったコンピュータ技術によって人民弾圧を強めていくでしょう。
ピラミッド構造を取らないインターネットを敵視し、中央が管理するネットのみを国民に使わせ、そしてそれを監視の道具とする体制です。
お金は電子マネーとなりすべての消費などのお金の流れを中央が把握しているようです。そしてそれを世界に展開させることが今の中共の目標のようです。

それが判っているから周辺国は中共離れを起こしているのではないでしょうか。
「民主主義は最悪だ。これまでの全ての政治制度をのぞいての話だが」とは、ウィストン・チャーチルの述べた言葉ですが、この意味は「民主主義はまだ不完全であり、たゆまぬ努力で前進させなければいけない」という意味でしょう。

中共が行っていることは、それを元の「さらに悪い政治制度」に戻そうと言うムーブメントです。
だから嫌われるのでしょうね。

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