2018年6月20日水曜日

中共の巻き返しか?

このところ習政権が必死に対米戦略の組み換えを行っているように見えます。2017年とは打って変わってトランプ政権が対決姿勢で出てきたからでしょう。

その象徴的なものが北朝鮮との「米朝首脳会談」だったようです。北朝鮮の金正恩委員長が何とか中共離れをしようとしていることは中共は百も承知。しかし地政学的にそれが不可能な状況にあることも事実です。

長さ1416kmもある国境ではその防衛もお金がかかるでしょう。その約半分の国境線は鴨緑江(おうりょくこう)という河で仕切られていますが、この川沿いに活発な中朝闇貿易が行われていることも事実のようです。

トランプ大統領が「北朝鮮の安全を保障する」と述べたのは、もしかしたらこの「北から来る中共の脅威から守ってやることも可能だよ」という意味だったのかも知れません。つまり、今後は「米中対決になる」ことを暗に金委員長に伝えたのではないでしょうか。

アメリカ側も世界戦略を見直し始めております。ともかく中共の太平洋侵攻を食い止めなければなりません。第二次世界大戦で日本から奪った太平洋の覇権は、どんなことがあっても維持するでしょう。多くのアメリカ国民の命と引き換えに成し遂げた太平洋の覇権なのです。
対する中共は、アメリカの経済的衰退を良いことに、アメリカの知的権益を非合法的手法で奪い取り、そのコピー兵器を作りながら、アメリカと武力衝突することなく「平和的」に侵攻を成功させ、ようするに太平洋の半分の覇権を掠め取ろうという算段なのです。

中共の「平和」は侵略の手段であり、侵略後の人権弾圧などのすさまじさはチベット、ウイグル、南モンゴルを見れば判ります。
宗教に対する弾圧の酷さは、共産主義の怯えの裏返しであり、すべての宗教の神の上に共産党があることを認めれば弾圧はしないという人権主義なのです。これを認めるような宗教は宗教ではないでしょうね。

アメリカは欧州のカトリックの弾圧から逃れたプロテスタントがつくった国家です。ですからアメリカの自由は「宗教の自由」であって利己的行動の自由ではなかったはずです。
ですからアメリカと中共は、基本的に対決となる宿命を背負っているのではないかと思います。

中共が世界から警戒されるのは、華人の価値観から来るのかも知れません。「力の強いものには絶対服従」という感覚です。「アメリカは世界の警察官を止める」とオバマ前大統領が述べてから、チャンスとばかりに軍備拡張を始め、力でアメリカを凌駕しようとしています。アメリカと中共の大国関係とは、「もう同じ力を持った」ことの表明なのです。
相手の隙を突き、相手の善意を逆手に取る手法。こうして力を得たものが絶対権力を握ることが正しいという発想です。
力無き者は強い側に従う事が正義の国です。ですから日本を騙したり無視しても良いわけで、平和憲法などと言って軍備を疎かにすることは馬鹿なのです。その日本が中共に従わないことこそが「悪」という感覚です。
この絶対権力者に殉じることを良しとしたのか儒教ではないかと思います。この儒教は日本の封建制度に入ってきてからかなり変わりました。しかしそれは日本人にしか通用しない儒教です。

今、この異なる価値観の中で右往左往しているのが金委員長なのかも知れません。自己の安全だけを考えれば中共に従った方が無難かも知れませんが、お金も欲しいとなればやはりアメリカでしょう。

金委員長は、6月19日から20日まで、習主席と会談しているようです。今後の中朝高官協議の打ち合わせという振れ込みですが、中共にとっては北朝鮮がアメリカ側に寝返って中共と敵対するのではないかという疑念を持っているようで、その防止策を練るために金委員長を呼びつけたのではないでしょうか。

日本や韓国を始め世界中にスパイを放っている中共ですから、北朝鮮内部にも多くの情報網が張られていることでしょう。それらが黄色か赤信号を送っているのかも知れません。
もちろん金委員長は服従を誓うでしょうが、当然「面従腹背」であることは習主席にも判っています。

トランプ大統領は金委員長に北朝鮮の繁栄する未来像を映像を作って見せたと言います。しかし金委員長にとっては北朝鮮の繁栄よりも自身の体制維持、危険の回避が先行する問題だったようですね。
ですから習主席に呼びつけられれば、仕方なく出かけていくわけです。

どうやら今回は北朝鮮の高麗航空の貨物機(飛行機)で行ったようですが、北京国際空港に降り立ったようです。つまり北京空港で整備して帰国するようですが、何か飛行機に細工されるかも知れませんね。用心が必要です。

世界中の宗教信仰者にとっては、中国共産党は悪の権化です。プロテスタントのアメリカが不愉快だとしても、中共よりもマシでしょう。

台湾が「中国台湾」との表記を各航空会社に強制した中共に抗議したことを、中共の外務省・耿爽副報道局長は「身の程知らずのことをしないほうがいいと台湾当局に忠告する」と述べました。
対する台湾側は、要求に応じた航空会社への搭乗ボイコットを示唆るような発言を表明したそうです。中台の対決もアメリカの反中共姿勢にならって活発化し始めたようです。

米政権のナバロ大統領補佐官は、「中共はアメリカより失うものが多い」として2000億ドル(約22兆円)相当の中共製品に関税を課す新たな制裁措置を検討する政権の方針を擁護しました。


北京での中朝首脳会談で、中共は巻き返しが出来るでしょうか?・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿