2018年6月13日水曜日

米朝首脳会談・その2

世界の注目を集めるシンガポールで、アメリカ・トランプ大統領と北朝鮮・金正恩委員長の会談がなされている時、我が国の国会では「モリカケ問題」が野党に答える形で行われておりました。

麻生財務相は、「関連文書、サーバー、コンピューターを確認するなど財務省としてはできる限りの調査を尽くしたが、首相夫妻への忖度を裏付けるような資料は見当たらなかったと理解している」と説明したり、内部調査で職員に忖度の有無を明示的に質問すべきではないかとの野党側の問いに「そういう意見があることは知っている」などと答えております。
世界がどうなろうと、それ以上に日本の野党にとっては「モリカケ問題」が重要なようです。
世界の情報関係者は、この日本のモリカケ問題が一部外国勢力の仕業と知っておりますが、日本の野党は知らないのでしょうか、それとも他の話をすると「憲法改正」の審議が始まってしまうからでしょうか?

安倍首相は、来日している93歳のマハティール・マレーシア首相と首相官邸で会談をしています。「北朝鮮の完全な非核化に向けた連携」と、「南シナ海への海洋進出を強める中共を念頭に、海洋安全保障分野での協力」を協議したそうです。

マハティール首相は、「東方政策のアイデアを再生させ、日本からの協力も再び得て、強化していきたい」と。その抱負を語っておられます。

さて、シンガポールでは米朝首脳会談で両首脳は「包括的合意文書」に署名しました。トランプ大統領は「大変重要な総合的な文書だ」と述べ、金委員長は「新しい出発を知らせる歴史的な文書だ」と述べました。

そしてトランプ大統領は「北朝鮮の非核化プロセスは非常に迅速に始まるだろう」と述べ、どうやらCVIDを金委員長は呑んだようです。
しかしこれについては共同声明の文章には載っておりませんでした。
署名式では記者の質問に答えていた金委員長ですが、詳細はこれからだと言う感じでした。

そしてトランプ大統領は、「われわれが署名した文書は非常に包括的な文書だ。ポンペオ氏、北の高官にもお礼を申し上げたい。われわれは、特別な絆を築きたかった。朝鮮半島との関係はまったく違うことになる」と述べ、「金氏はとても良い人だ。頭もいい。優れた交渉者で才能がある。北朝鮮の国を愛していることもよく分かった。これから、金氏とは何回も会う。再びお目にかかりますよ」と金委員長を持ち上げています。

重要なのは「(今後)金氏とは何回も会う」と言う点でしょう。北朝鮮が合意に基づいて約束を守るかどうか、それを監視することを「何回も会う」という言葉で表現したのではないでしょうか。

ともかく「非核化プロセスは非常に迅速に始まる」ということですが、これは核の廃棄が終わってから、朝鮮戦争終結と経済制裁解除という段取りになっているから、金委員長は呑まざるを得なかったのだろうと推測します。ただ共同声明には載せられない北朝鮮国内事情もあるのかも知れません。

拉致問題も同じです。トランプ大統領は「会談で提起したこと」を明らかにしました。おそらく金委員長からは良い返事が効けなかったのでしょう。そこで「今後協議していく」という大統領の声明になったと思われます。
また、拉致問題解決を北朝鮮は日本政府を蹴ってアメリカ政府との間で行うように仕掛けるのかも知れません。日本国内では「拉致解決を日本が行わずアメリカ頼みとは情けない」という論調があります。それを拡大して日本人拉致問題をアメリカとのみ協議することで日本を貶める計画なのかも知れませんね。

ともかく米朝首脳会談は終わりました。金委員長はさっさと北朝鮮に帰り、記者会見はトランプ大統領一人で行ったようです。
共同声明文書ははっきり言って「どうでもいいこと」しか書いてありません。しかし対北朝鮮制裁については「核の脅威がなくなったと我々が確信できたときに終わるだろう」とトランプ大統領が述べ、北朝鮮が核を放棄するまで継続することを明言しました。

「我々が確信できた時」ということは、北朝鮮内に入って検証することを意味しているのでしょうか。もしそうなら、拉致事件も「日本国民が納得した時に終わる」ということにならないでしょうか。
「拉致事件は日本国民が納得した時に終わる」と、もし述べていたとしたら、終わらなければ「経済支援は無い」ということを意味します。

今回の共同声明文は事前の話し合いで出来上がっていたものでしょう。ですから内容が無いのも当然です。金委員長にとっては、「敗戦の会談」だったのかも知れませんね。勝者はトランプ大統領でしょうか。
北朝鮮側にとって、対アメリカに出すべきものは核放棄しかありません。そして核廃棄後は「制裁解除」はあっても「朝鮮戦争の終結」には言及していないようです。
拉致問題についてもトランプ大統領は「これから協議する」と述べております。提議したが相手は反応しなかった・・と言うことなのかも知れません。金委員長は真剣に聞いていたという噂もありますけど。

トランプ大統領は「金委員長の安全は保障する」とか「体制の維持は保障する」と言ってはいますが、おそらく在韓米軍や在日米軍の配備は変えず、いつでも斬首作戦に行動できる準備は整えておくでしょう。

トランプ大統領は金委員長に「ホワイトハウスへ招待する」と述べたようですが、これも北朝鮮側にとっては難しい話です。太平洋をいかにして渡るか、飛行機はどうするのか、長期間不在にして大丈夫か・・など、苦しい招待になったのでは?

トランプ大統領は、まず「核の完全廃棄」を確実に行うことから始めるつもりのようですね。
そしてアメリカにとって、やはり「敵は中共」なのですよ・・・

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