2018年6月29日金曜日

平和維持には軍事力を持て

フランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏が5月に来日し、「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)が行ったシンポジウムに登壇しました。

トッド氏はソ連崩壊や米大統領選のトランプ氏勝利などを「予言」したことで世界的に有名な学者で、「現代世界最高の知性」としてその発言は国際的に注目を集めているそうです。

そのトッド氏が、「日本は核武装について考えるべきではないか」と述べたことに波紋が広がっているようです。
トッド氏は、「核兵器は戦争を抑止する兵器であり、戦争を不可能にするものです。」という主張をしました。そして「米国の核の傘なんて私はジョークだと思っています」とも。
「私はフランス人の左派かつ平和主義者で、戦争は嫌いです。しかし私が日本の核武装について考えてほしいと提言するのは、別に強国になれということではなく、(国家間の)力の問題から解放されるからです」と述べました。

フランス人の左派であるとみずから述べていますから、かなり強い反米感覚を持っているのかも知れませんが、ここまで核兵器を抑止として考えて良いのでしょうか。
欧州は国境を持った地続きの国家群ですから、核の使用は自国にとっても危険で、抑止効果はあるのかも知れませんが、海を隔てた国家同士は核兵器の使用をためらわないかも知れません。

またトッド氏は「日本について、2点を指摘したい。ロシアとの協調はすばらしい(安全保障上の)補完になります。日露戦争、また1945年の対日侵攻のことは知っています。しかし合理的な外交とは、過去の対立を乗り越えることです。独仏間でできたことは、日露もできると思っています」と述べております。
日露間にある「北方領土問題」が、日露対立を保持するために英国などの連合国側が仕掛けたことはご存知なのでしょうか。
このような事をするのが欧州の政治家達なのでは?

また、「平和主義者で戦争は嫌いです」と述べておりますが、誰だって戦争は嫌いであり平和の方が良いに決まっております。
対立を煽り、戦争の火種を作り続けてきたのは、他国に介入し憲法をいじったり小国間の対立を煽ったりする戦略を使うからです。
そして「そういう連中」は必ず「世界は一つ。人種差別反対、人権を守れ」と言いながら、国境を無くせば平和になるような幻想を振りまきます。

トッド氏が述べた「米国の非合理的で突発的な行動は旧世界に混乱をまき散らしてます。日本にとって米国との同盟は、オバマの時代なら容易な選択でした。しかしあまり合理的でない同盟国に頼るのは、もはや合理的な選択とはいえません。核武装が本質的な問題になってきていると思います」とは、この連中の代弁になるのではないでしょうか。

国家間は常に対立と侵略の危機をはらんでいます。それを嗾けるのが「そういう連中」なのではないでしょうか。
中共は中華思想による世界統一を目指しています。軍事大国となってアメリカの肩代わりをしようとしております。そしてアメリカの軍事機密(開発設計情報など)を盗んでいるようですが、それを行っている「そういう連中」が裏にいるのではないでしょうか。

トッド氏は戦争の原因について、「なぜ戦争になるのか。勢力均衡が破綻したときです。」と述べておられますが、勢力均衡を崩す連中が居ることには触れておりません。
その上で「再武装をしないことが戦争の近道になる。私は核兵器を持つのがいいと思いますが、隣に拡大する勢力があるのなら、再武装するしかないのです」とも述べております。
再武装するしかないことは理解できますが、核兵器にそれほど抑止力があるとは思えません。

それから「米国の非合理的で突発的な行動は旧世界に混乱をまき散らしてます。」というくだりはトランプ大統領の行為を述べているようですが、トランプ大統領が混乱をまき散らしているとは思いません。彼独特の強引で知性に欠ける発言があるだけで、経済問題こそが核以上に戦争抑止効果があると考えているだけだと思います。
ツイッターを使ったトランプ大統領のの発言が知性を欠いているのは、マスコミが常に知性的な書き方で嘘をつくからではないでしょうか。

トッド氏は、中共に対しては「私は、非常にもろい大国だと思っています。」と述べております。そして「女児の選別的中絶が行われ、女児100人に対し男児118人(通常国では106人)になっている」として「華人のメンタリティーが古いということを意味しています。」と結んでいます。

トッド氏の述べていることで、ただ一つ正しいと思われる点は、中共の脅威に対して「日本が非武装でいることは、戦争を招くことになる」という点だけかも知れませんね。
日本国内ではもう多くの国民が9条改正に賛成のようです。反対する根拠もなく、野党反日勢力のメンツだけで改憲の議論を国会内でさせないように、何年も「モリカケ問題」で時間をふさいでいることは、国民にはもうわかっています。

いつまでこんな茶番を続けるのでしょうか?

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