2014年7月16日水曜日

アングロサクソンを味方に・・安倍戦略

経済分野で危険が近づく安倍政権です。4月の消費税導入後の消費の落ち込みは尋常ではありません。そしてどう見てもデフレ脱却はまだ不完全で、各種指標もまた危険を表示しています。しかし、消費税10%にしたい財務省はマスコミに規制を掛けているのか、全く報じません。

景気を急激にふかして人手不足を作り上げ、外国人労働者を受け入れようなどと言う「危険な思惑」が頭を持ち上げてきました。現実の日本国民の状況をよく見ていないで、いきなり仕事を出せば当然人手不足になります。ふかした後は公共投資を止めてしまいましたから、9月あたりから再び不景気再来の危機が来るかも知れません。

しかし、このような安倍政権の施策が、アングロサクソン系国家の支援を受けるためには必要だとの判断でなされているとすれば、しばらくの辛抱かも知れませんね。

安倍首相はオーストラリアを訪問し、大歓迎を受けました。
日本の首相として初めて連邦議会で演説した安倍首相です。この演説はオーストラリア国民を感動させ、それゆえに「この草稿を書いた人物は誰なのか!」と、首相のブレーンにまで賞賛の声が上がっているとか。
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0708australia_enzetsu.html
アボット首相は、記者会見で「日本は1945年から一歩一歩、法の支配の下で行動してきた。日本を公平に見てほしい」と述べ、暗に中共を牽制しました。

中共は、ラッド政権で「豪中の良い関係」を築づき、資源の輸出先として特別な関係を持っていました。が、先のギラード政権から、このアボット政権に至る間で、積極的な海洋進出を進める中共に、オーストラリアには安全保障上の危機感が生まれてきたのです。

ここに安倍首相が「集団的自衛権行使容認」という憲法解釈変更の説明にやってきたわけですから、アボット首相が日本に傾斜することは当然でしょう。
もちろん日本の経済復活が前提にありますけど・・・

英国、アメリカ、そしてオーストラリアは共にアングロサクソンが牛耳る国家です。しかしもちろん一枚岩ではありません。
英国は習政権と取引をしましたし、アメリカはドルと人民元を運命共同体のようにしています。
唯一オーストラリアだけは資源輸出先としての中共があっただけで、その資源を日本が高く買うならば出来れば中共とは距離を置きたいと考えるはずです。

豪中関係の危機を感じた中共は、新華社通信を通して「安倍氏が徒党を組んでも地域の繁栄と安定のためにはならない」として安倍首相のオーストラリア訪問を誹謗してきました。
「貿易と軍事上のうまみで、豪州を引き込んである種の同盟を打ち立て、日本の戦略的ライバル(中共)を孤立させる。これは安倍氏の皮算用だ」と言うものです。

するとオーストラリアの有力紙「オーストラリアン電子版」が、この新華社の論調に異議を唱えました。「中共の国営・新華社通信は、安倍氏は『対中包囲網を構築する』ため豪州を利用したと主張する。同時に、日本の首相の豪州訪問は、『アジア太平洋地域に新たな不安定をもたらす』ともいう。こうしたつまらぬ、誤った議論は、(中共国内の)家庭の観客には受けるかもしれないが大きな舞台ではだめだ」という論説です。

このオーストラリアン紙の反論に、中共は驚いたようです。
環球時報(電子版)に、軍事文化研究会の胡文竜常任理事の言葉として、「アボット氏は日本の集団的自衛権行使を肯定し、安倍氏の弁護人まで務めた。豪州人の、しかも首相のこうした政治姿勢は、実に理解しがたい」と述べました。

英国に赴き、液化天然ガスを大量に買い付け、英連邦は大丈夫だと踏んでいたのでしょうか、その配下のオーストラリアがこのような安倍政権擁護を行ったことに対する「困惑にも近い反応」というものでしょうね。華人のこのような「人間の上下関係認識」こそ間違っている・・そのことが全く理解できない、気の毒な中共でもあります。
2年後、オバマ政権が終わればアメリカも中共に反旗を翻すでしょう。民主党であっても共和党であってもです。そうしなければアメリカの覇権が本当に終わってしまいますから。
そして英国もです。オセロゲームのように、首脳外交が続くのです。

習近平国家主席は、ブラジルで開かれるBRICS首脳会議に先立って中南米のメディアに向かって「中華民族の血液には他人を侵略したり、覇権を唱えたりする遺伝子はない」と強調しました。
それは華人こそ世界の中心(中華)であって、多民族が従うべきものという思想を抱いているからです。謀略を使って他民族を騙し、そして富を吸い上げる思想・・・覇権を唱えないのは、それに伴う責任を持つのが嫌なだけでしょう。その現実的な姿こそ、チベットでありウイグルなのです。華人の持つ政治姿勢とは、このようなものなのです。

安倍首相はオーストラリア・キャンベルの国会議事堂での演説で、「日本とオーストラリアとアメリカとインドで、太平洋からインド洋に及ぶ広大な海と、その空を、徹底的にオープンで、自由な場として育てるため、いっそう力を合わせましょう。」と述べ、そして「まずは東経135 度上の隣人とやリましょう」と語りかけました。
そして、「なにか主張をする際は法を遵守し、力や、威嚇を用いない。紛争の解決は、すべからく平和な手段をもってする。奉じる価値観において重なり合う日豪両国が手を取り合ってこそ、この当たり前のルールが、太平洋から、インド洋へと広がる、繁栄の海を覆う常識になるのだと信じて疑いません。」とも述べました。
あきらかに中共を意識した演説ですが、ひとことも中共という言葉は使っておりません。しかし確実に中共を追い込んでいます。

7月25日から8月4日まで、中南米諸国に行く安倍首相。そこで再び中共という言葉は一言も言わずに、親日になるような演説をして欲しいですね。オセロゲームのように中共を追い詰めるのです・・・

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