2014年7月11日金曜日

アメリカ、経済安保へ軸足変更?

今年の2月、日本とアメリカは「日米重大犯罪防止対策協定」という協定を結びました。そして「SDNリスト(Specially Designated Nationals and blocked Persons)」と言うリスト(日本語では規制対象者リストと言うようです)に基づき、誰かが海外向けに米ドル建ての送金を行なおうとした時、銀行などはこのリストと照合してリストの上げられた人物に該当する場合は送金ができなくなりました。
これは究極の「テロとの戦い」・・その効果的な攻撃なのです。

2001年の3月11日、アメリカで起きた同時多発テロ以降、アメリカは「テロとの戦い」を宣言し、アフガニスタン、イラクを戦火に巻き込みました。
しかし、イスラムの反米感情に火が付き収まることがありません。ウサマビンラディン氏を殺してみても、ほとんど鎮静効果が無かったのです。

そしてこの戦争でアメリカ経済はガタガタになり、国内経済の立て直しが最重要課題となって、すっかり内向きの外交に変わってしまいました。
オバマ政権は、外国の問題に対して口先介入だけはしますが、全く軍事力を使っての制裁は無くなりました。
そしてオバマ大統領は、よせばいいのに「もうアメリカは世界の警察官ではない」などと宣言しました。これはアメリカの覇権が今後縮小していくことを宣言したようなものです。

それゆえに、ロシアも中共も次の覇権を狙いだします。あちらこちらで紛争が吹き出しました。中共による南シナ海と東シナ海への侵略行為とか、ウクライナのクリミア半島へのロシアの軍事介入などがその代表的なものでしょう。

今、世界は覇権国が居なくなり、各国とも自国の責任で国土防衛をせざるを得なくなってきています。安倍首相が国際法遵守と述べてみても、覇権国があっての国際法です。この法に違反した組織に対して、いったい誰が制裁を課すのでしょうか?
つまりこれまでは、覇権国の軍事力が国際法を守らせる唯一の手段だったのです。

中共の侵略、そしてロシアのクリミヤ攻略、いずれもオバマ政権が覇権国家でなくなったことを宣言したから派生したものではないでしょうか?
特に中共は、アジアに対する覇権を中華思想で成し遂げようと必死ですからね。

日本は経済力だけの国家です。集団的自衛権行使容認が決まったにしても、さらにこれから憲法改正、再軍備と自主防衛を目指しても、やはり数十年はかかりますから、それまでに中共に食い物にされてしまう可能性があるのです。
頼みの日米安保も、アメリカの若者の血を流すまでにはとても至らないでしょう・・・

しかし・・・・・

そこにこの「テロとの戦い」から始まった一連の経済対策があるわけです。経済対策と言っても、ほとんど通貨監視体制とも言うべきものです。景気を良くしたり悪くしたりする、そんな経済対策ではありません。
テロリストでも、犯罪者でも、戦争を仕掛ける国家でも、背景に経済力が無ければ動けません。
そこを狙ったインターネット戦略が動き出しました。中核になっているのは世界の銀行間決済のネットワークです。

この「日米重大犯罪防止対策協定」は、現在は日本のヤクザ、特定暴力団幹部などを銀行口座から排除しています。そしてこれから、過激派、あらゆる暴力組織、テロ関連などの関係者の指名(つまり全員)も掲載する予定です。銀行口座が持てないと、電気もガスも使えなくなり、実質的に現在の社会には住めないと言うわけです。

さらに同じ今年の2月、シドニーで開催されたG20で、BEPS規制(Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食・利益移転規制)が取り決められました。
これは、早い話が「タックスヘブン潰し」というわけです。自国の税金を逃れるためにケイマン諸島などの島嶼国家に本社を置いて、そこできわめて安い税金を収め、自国には一銭も税を払わないなどの企業は、これで排除されます。
この対象になっているのが「グーグルやアマゾン」だというのですから、今後これらの企業がどのような手を打ってくるかは楽しみでもありますね。

そしてFATCA法(Foreign Account Tax Compliance Act=外国口座税務コンプライアンス法)も今年の7月1日から始まりました。
世界中の犯罪者、テロリストなどもこの規制で動きが取れなくなるでしょう。マネーロンダリングが出来なくなるからです。闇の武器取引も難しくなってくるし、麻薬取引や人身売買で得た資金も持ち込み場所がなくなります。少なくともドル経済圏では。

インターネットの普及、銀行の世界ネットワーク化によって資金の動きが全てアメリカで把握できるようになってきました。
メガデーターの収集と解析のソフトウエア技術が一時話題になりましたが、すでに完成したようですね。それによって、例えば中共の要人の動かす莫大な資金など、情報のすべてを握ったアメリカなのです。

アメリカの景気は現在上向きです。ですがもう軍事的介入などはしないでしょう。それは時代遅れの手法となり始めています。覇権国家でなくなるアメリカ・・・しかし、金融面での安全保障を確立しようとしているようです。
まだまだ完全ではないでしょう。これが本当に世界の紛争などを抑え、恒久平和に結びつくのかどうか、それはまだ誰も判りません。懐疑的な人達も大勢います。

それでもアメリカは、このように世界の安全保障を金融を使った手法で成し遂げようとしているのかも知れませんね。
安全保障の概念を変える・・アメリカが、そこに居るのです。

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