2014年1月28日火曜日

都知事選挙、細川候補の発言に思うこと

告示日前の討論会から逃げてしまった細川候補ですが、脱原発以外の政策が「皆無」とまでののしられております。
そしてその出馬表明での第一声ですが、まさしく「殿様的」な発言でした。

「今までのような大量生産、大量消費、そういう経済成長至上主義というもので、果たして日本という国はやっていけるのかどうか、私は難しいと思います。」・・・ここまでは納得できますね。しかしその後に・・・
「これからは原発をあちこちの国に売り込んだりするような、欲張りな資本主義ではなくて、もう少し自然エネルギーとか脱成長とか、そうした心豊かな生き方というもので満足できるような国づくりをすすめていかなければならないのではないか」と言い出したのです。

まあ殿様ならば「心豊かな生き方」も良いでしょうが、国民は物を生産し、それを売るか、または何らかの「サービス」を提供し、収入を得なければ生活していくことが出来ないのです。
湯河原の温泉に浸かりながら、粘土を捏ねていつ売れるか判らない陶器を焼くような生活は出来ません。
細川候補には理解できないかも知れませんが・・・

稼ぐのは難しく、しかも世界との競争に晒されながら、売れなければ原因を探し、価格競争力を付け、付加価値を他の物よりも多く付けながら、競争に勝ち抜かなければ、食っていけないのが日本の実情なのです。
物を作るにしても、何らかのサービスを行うにしても、そして「大量生産・大量消費でないビジネス」に変わって行ったとしても、絶対に必要になるのが「エネルギー」であり、その中心が電力であることは間違いないと思います。

日本の年間の電力使用量は、10,000億kwhを遥かに超えているはずです。そしてその中で自然エネルギーの部分は十分の一にも満たないはずです。
2018年までにこれを3倍にしようという計画があるようですが、ではそれまでの4年間はどうするのでしょうか?
実現して、3倍になっても日本の電力需要を賄うことは出来ません。そして2018年にはPHVとかEVという自動車が増加して、電力需要は現在よりもさらに増加していることが考えられます。

この電気量を、現在は原発を止めたために「化石燃料」で賄っておりますが、それは輸入に頼ると言うことになり、「全原発停止で、燃料輸入が年4兆円程度増えている」と指摘されています。

そして自動車などの日本のメーカーが、長期間続いた円高のリスクを回避するため、生産拠点を次々と海外に移転したため、現在の円安が逆ザヤとなって効いてきていることもあって、平成25年には何と貿易収支が11兆4745億円の赤字となってしまったのです。
原発が稼働していた平成22年は貿易収支は6兆6346億円の黒字になっていたと言うのにです。

脱原発派の人々は、この「11兆4745億円の赤字」をどうしようと言うのでしょうか。もし「そんなことは政府が考えろ」と言うのであれば、日本政府は直ちに原発再開を彼らに突き付けることですね。
脱原発を掲げる細川候補は、有権者に対してこの11兆4745億円の赤字対策を明快に述べる義務があると思うのですが、彼はまだ何も話しておりませんね。

この化石燃料による発電は、地球温暖化にも悪影響を与えています。
民主党の鳩山由紀夫元首相が、二酸化炭素25%削減を世界と約束したのは2009年だったでしょうか?
これは2020年までに1990年比で25%を削減する約束でした。ところが、鳩山元首相は脱原発の方に動いてしまい、この約束などどこ吹く風、化石燃料に頼る日本になって国際社会からは「中共以上の環境破壊国・日本」ということになってしまいました。

二酸化炭素25%削減は、あらゆる自然エネルギーとかバイオメタノール、そしてメタンハイドレートなどを駆使して実現するわけですが、その基幹エネルギーが原子力になることは現実的選択でした。
原子力以外のこれらのエネルギーは、研究と実験を繰り返して、やがて主力エネルギーとすることができるとは思います。しかしこの研究はまだ進んでおりません。すぐに始めたとしても、あと30年以上かかるはずです。それまでは原子力が基幹であるべきなのです。

それを証明するかのように、原発を止めたとたんに日本は環境破壊国になってしまったわけです。脱原発支持の方々は、自分たちが最悪の環境破壊をしていることを知っているのでしょうか?
そしてその責任をどのように取るつもりでしょうか?

これらの答えを、ぜひ公開討論会で細川候補や小泉氏から聞き出したいものですね。
演説の聴衆から、「原発廃止後のエネルギー案がない」と批判されると、「私1人で代案を出せ、という方が無責任。代案は出さない!批判にこたえる必要はない!」などと叫んでいたとか。
どちらが無責任なのか、まあ有権者の判断を待つしかないのですけど・・・

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