2014年1月15日水曜日

そんなことで国家が発展するか・・・

この正月、半導体関係に勤めるある人からこんな話を聞きました。

韓国がある装置を欲しがった。それは半導体関連の数千万円の装置だった。一応「輸出」という形にして韓国へ送ったところ、しばらくして「不要になった」という連絡でキャンセルしてきた。
装置が送り返されてきたが、それを開梱して驚いた。「すべてがバラバラにされていたのです。」ということ。

すなわち、韓国はこの装置を分解し、自国で部品一つ一つをコピーし、それを組み立てて作り上げ、日本から取り寄せた装置を返品したらしい・・・というのです。
組み立てずにバラけら状態で返品したのですから、コピーしたことがバレようが気にしないのでしょう。ある意味では「当たり前」という発想なのかも知れません。

日本も戦後、アメリカやドイツの機械を買ってきて分解し、同等のものを作ったりしましたから、あまり文句は言えないかも知れませんが、それでも日本はそれを返品したりはしませんでした。

中共も、月への無人探査船を軟着陸させていますが、アメリカの情報に基づいて行ったのではないでしょうか?
最初に行うことの難しさに比べれば、一度行った情報に基づいて行うことがいかに簡単か、そのことに気付かなければならないと思います。

中共は国家として、太平洋に覇権を伸ばし、アメリカと対峙しようとしているわけです。それがアメリカの技術情報を盗み出すような方法で高度技術を手にするならば、アメリカに勝てる訳はありません。
すでにアメリカは、このところの中共の台頭に警鐘が出され、新たなステルス偵察機の開発に着手しようとしているようです。

経済においても軍事においても、その基本にあるのは技術です。敵よりも優れた技術を編み出してこそ、戦いに勝てるわけで、経済も軍事も同じこと。
そしてその技術のデモンストレーションこそが、戦争の「抑止」と経済の発展に繋がることも長い人類の歴史から明らかなことです。

日本は敗戦後、軍事関係の技術開発を禁じられました。その代りに民生品の技術開発は容認され、トランジスタラジオの開発に成功します。
アメリカは、半導体のベースになる部分が作れずに、真空蒸着を考えていたようですが、日本の新興メーカー「ソニー」が、器用にベースを薄く切ることに成功し、ラジオを鳴らせることが出来たわけです。

その後半導体はICとなり、やがてLSIに進化していきます。そして登場してきたマイクロプロセッサー。メモリーの高密度化が必要とされた時、アメリカが出来なかったメモリーの高度集積を日本がやってのけます。
コンピュータは民生品であると同時に軍事技術でもあります。時代は変わってきたわけです。
日本の軍事関係の技術開発を禁じたアメリカは、このジレンマに晒され、そのフラストレーションが日米経済摩擦として表面化したわけです。

そして現在、高度技術はすでに民生用も軍事用も区別がなくなっています。量子レベルの加工技術、遺伝子操作によるバイオ技術、大容量の蓄電技術など、今後開発が期待されるさまざまな高度技術にも、軍事と民生品の区別は付けられず、ようするにアプリケーションとしての民生品、軍事品があるだけです。

技術開発は辛い仕事です。金はかかりますし、成功の保障などどこにもないからです。それでも研究を続けるのは、「達成したい未来」がそこにあるからで、そのインセンティブを支えるのが「特許」という制度なのです。
その特許もだいぶ怪しくなってきました。アメリカの解釈が、どうも「特許制度」の本来の目的をゆがめ始めているように感じますが・・・

まあそれはさておき、既成の技術を盗み、コピーで自国の経済、あるいは軍事を構築するだけでは、国家の発展がないことは当然です。
技術開発に終点はありません。「達成したい未来」への強靭な追及と、そのインセンティブを支える経済的勝利がある限り、留まることはないのです。
国家プロジェクトのような高度技術も、ちょっとした工夫も、動機は同じものです。

中共、そして韓国が、自国のさらなる発展を意図するならば、このような基礎研究にもっと力を入れるようにすべきなのではないでしょうか・・・

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