2013年1月5日土曜日

村山談話を変える安倍談話、その内容は?


村山談話は、平成7年8月に発表された談話であり、第二次世界大戦終結後50周年というタイミングで発表されたものです。
時の内閣は社会党党首の村山富一氏。自民党と社会党が連立を組んでいたわずかな時期に発表された談話で、その後の日本の謝罪外交の基礎となったことはご存知の通りです。

内容は、あの戦争責任はひとえに日本にあり、我々日本国民は欧州やアジア諸国に多大なる迷惑をかけたというもの。
いわゆる東京裁判史観にもとづく、「日本軍国主義が悪かった」とする自虐史観の再確認のための文書でした。

問題は、この文書がなぜこの時期に発表されたかということです。本当に戦後50年の節目だから・・だったのでしょうか?
現在、連合軍(国連)を始め、ロシア、中共が「日本は戦争の責任を自覚しろ」と叫び、欧州からも「戦後の体制を遵守せよ」などと、彼らにとって都合の良いことが要求されています。

この村山談話の2年前、平成5年に「河野談話」が発表され、いまもって従軍慰安婦の虚構が韓国によって世界に流布される結果を生んでいますが、これは再検討するという安倍政権。しかし村山談話については安倍談話で対応するというお話です。

これらの談話が発表された1992年~1995年の時期、ある文書が公開されたことはご存知でしょうか?
その文書とは「ベノナ文書」。
大戦前から大戦後しばらくの間、アメリカからソビエトに向けて交信された暗号を解読した文書で、その解読作業が終わったのが1980年。
1981年に大統領になったレーガン氏が、しばらくは機密文書として取り扱うことを指示し、それからソビエトの解体に向けた戦略がスタートしました。

機密文書の扱いを受けながらも、その内容は少しづつリークされてきました。1980年代から、あの太平洋戦争はコミュンテルンの陰謀だったという話が聞こえ始めたのです。
日本軍国主義が一方的に侵略した戦争ではなく、「ソビエト、中共の共産主義者が陰謀を使って日米を離反し、そして戦争をさせた」という噂が流れ始めました。

戦後レジームの中で、経済的繁栄を築き上げ、対米既得権などを有していた日本の一部権力(財界の一部、マスコミなど)が、この文書によって瓦解する危機を感じたとしても不思議ではないでしょう。
特に、1972年から始まった中共との国交正常化によって、中共利権を確保したグループにとって、大問題だったのではないでしょうか?
中共の戦後賠償放棄と、日本の莫大な政府経済援助のトリックは、日本の戦争責任というレジームの中で始めて成立する構造であり、その政府経済援助に群がる日本の企業家たちにとって、ベノナは隠蔽しなければならない真実だったように思います。

このベノナ文書の一部が公開されたのが1995年7月、そして村山談話が発表されたのが1995年8月です。

ここまで判れば、安倍談話がどのようなものになるかは、おぼろげながら見えてきます。

「1995年に発表された村山談話は、あの時点においては日本国民の偽わざる気持ちでありました。しかし、その後公開された新たなる情報には、必ずしもこの談話とは相容れないものが含まれておりました。
真実を愛し、虚妄を嫌う我ら日本国民を代表して、私こと安倍晋三内閣総理大臣は、この新事実に則した談話を発表するものです。
この談話は、先の村山富一首相の談話を否定するものではなく、新たに判明した真実を加味し、その不透明な部分を明確にするものであることを、先ず表明いたします」

という書き出しで始めれば、あとの修正は3箇所くらいで済むのではないでしょうか。
「わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、・・・」という部分。
「植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。」と言う部分。
そして「わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として・・」というくだりを、あらたに判ったことで書き直せばいいのではないでしょうか?

もっともベノナ文書を前提に、まったく書き直して、安倍談話としてまとめた方が良いかもしれませんけど。

こうして戦後レジームから、少しづつ脱却しながら、過去の日本の良い部分を取り戻し、未来に向けた若き日本の展望を開くことが、安倍政権に課せられた目標なのだと思います。

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