2013年1月21日月曜日

フランスは中共に高性能潜水艦を売るか?


欧州各国にとって、東アジアの軍事的緊張は、ビジネスチャンスでもあります。もちろん兵器輸出という、高額でしかも国家として儲かる取引のことです。

産経に出ていた「中国が求める小型潜水艦を・・・フランスの邪心」という記事に、フランスの武器輸出の節操の無さが書かれております。
ユーラシア大陸の東側の戦闘は、欧州にはほとんど影響しないということで、武器輸出に力を入れるだろうという記事です。

特に、最近フランスで開発された通常潜水艦「SMX-26カイマン」は、中共から見れば欲しくて仕方のない浅海での作戦行動が出来る潜水艦です。
可潜時間は30日。対水上艦用長魚雷2本/対潜用短魚雷8本。水深12メートルから作戦活動が可能。

自衛隊の潜水艦は、可潜時間が秘密になっているらしいのですが、聞くところでは60日程度は潜っていられるとか(未確認ですが)。
これらは、AIP(Air-Independent Propulsion)という技術を用いて長時間化を達成するものですが、日進月歩の軍事技術です。日本の現状はどうなっているのかはわかりません。

日本の潜水艦の優位点は、その静寂性。海自のテストで、潜水した海自潜水艦を水上艦艇で探索しても、まったく見つからなかったといいます。
スクリューの構造、艦全体に張られた吸音タイルなどで、その静寂性能は中共海軍を怯えさせていると言います。

しかし、そこに登場してきたフランスの「SMX-26カイマン」。もしかしたらこの海自の潜水艦の性能を超えているかも知れませんね。
それが中共に売却されるとしたら、東シナ海の防衛にとっては大きな痛手となるのかも知れません。

それだけでなく、フランスが中共に最新兵器を売却したとなれば、他の欧州各国もハイテク兵器を中共へ売り込む商戦が始まるかも知れません。
ロシアが中共へのハイテク兵器の売り渋りをしていますから、その機会に乗じて売り込みを始めたいのです。ロシアが売り渋りをするのは、中共がロシア製兵器のコピー商品を作って第三国へ売り込み始めたからです。
ハイテク兵器の実験場としても、東シナ海は有望ですからね。そうなれば尖閣諸島は奪われてしまうかも知れませんね。
奪われたとしたら、それは「SMX-26カイマン」の技術は日本よりも優れていることになりますから、その後の潜水艦商売もやりやすくなります。

どういう対抗策があるでしょうか?

欧州は今、経済危機にあることは御存じの通りです。だから兵器の中共への売り込みで稼ぎたいのでしょう。しかし兵器輸出の常識は、それ以上の高性能が出来た時に、一ランク下の兵器を売却するということ。さもないと、今度は売った兵器で攻撃されてしまいますからね。
また、ロシアの失敗例でも見られるように、コピーして他国へ安く売り込まれる可能性もあります。そういうことをしっかりと欧州各国に話しておくべきですね。その上で・・・

欧州と日本の関係を良くして、中共に売却したハイテク兵器の性能を聞き出すことです。
敵が使っている兵器の性能が判れば、こちらの新兵器開発にとっては大きなプラスになります。それ以上の性能を持った兵器開発を行えば良いのですから。

もちろん、ただで教えてはくれません。そこで日本の技術から、欧州にとってメリットのあるものを技術供与する話を持ち出すということになるでしょう。
技術供与とは、このような時に行うわけですね。ハイブリッド車の電気系統の技術など、まだ欧州が欲しがる技術はあるはずです。

中共包囲網が、安倍政権で作られつつあります。しかし、この包囲網を崩すためには、中共は当事国でない欧州各国と交渉をするでしょう。(アメリカは当事国です)
欧州は商売になれば何でもします。当たり前ですね。

ただ、今回はアメリカの裏切りだけは避けなければなりません。日本が軍事的独立を果たすまでは・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿