2012年2月23日木曜日

石原新党と橋下・大阪維新の会の綱領

2月3日に、石原新党(仮称)が基本政策の草案(綱領の下書き)を発表しました。
7分野29項目あって、かなり具体策が書いてあるようですが、まだ全文は見ていません。そして注目するのが「国のかたち」「外交・防衛政策」「教育立国」の3分野。

「国のかたち」としては「憲法9条改正」、「男系存続のための皇室典範改正」、「首相公選制」の3つが述べられていました。
そして「外交・防衛政策」として「国軍保持」、「日米同盟の深化」、「防衛産業の育成」、「南西防衛戦略の推進」、「核保有に関するシミュレーション」の5つが述べられていました。
それから「教育立国」については、「平成版教育勅語」という項目が挙がっています。

さらに経済政策として、「100兆円規模の政府紙幣発行」、「国の財政の複式簿記化」、「フラット税制」が掲げられ、エネルギー政策としては2040年までの原子力エネルギーゼロにするという目標、国家公務員3分の1削減などが挙げられています。

一方、橋下氏の大阪・維新の会も、「維新版・船中八策」が公開されました。不愉快な内容も多いのですが否定からは何も生まれませんので、その項目をいくつか挙げま手見ます。
まず8つの策とは「決定でき、責任を負う民主主義」、「決定でき、責任を負う統治機構」、「自立する個人」、「自立する地域」、「自立する国家」、「日本の一人勝ちの時代は終わった」、「今の日本のレベルを維持するには国民総努力が必要」、「国全体でのオペレーションから個々の創意工夫による活性化」ということで、何か無理やり8項目を並べた感じもします。

かなり石原新党に近い政策のように見えます。意図的なものか偶然かは知りませんけど。

「首相公選制」は両方とも同じですが、それでは「議院内閣制」はどうなるのでしょうか? 首相公選制は大統領制と同じやり方になるようで、恐らく日本ではうまくいかないでしょう。
日本語文化圏は、「あいまいさ」は容認しますが「駆け引きとか策謀、それに基づく妥協」を嫌うからです。
そしてそれが結構強い精神性を醸し出す文化で、それを無意識に持っていて、それで社会を治めようとするのが日本人なのです。
この方法で2000年以上この国を治めてきたのですから、他国に理解されなくても、「それが日本だ」と言うしかないはず。
これを無理やり捻じ曲げると、日本人は精神的に耐えられないのではないでしょうか?

経済政策では、維新の会の「岩盤のように固まった既得権を崩す」というのは良いにしても、あとは何を言っているのかよく判りません。
石原新党は具体的です。「100兆円規模の政府紙幣発行」は、公共投資復活で市中にお金が回り始めるでしょう。借金ではありませんので将来に付けは残しません。国民にとってはインフレーションの恐怖があるというところでしょうが、今はインフレより怖いデフレの真っ最中。100兆円なら少しはデフレ対策になるでしょう。そしてその出し方を工夫すれば既得権は壊れます。(今までと同じだと既得権は温存されます)

両新党が同じなのは「フラット税制」。複雑怪奇な現在の税制度。それゆえの不公平感が生まれている日本。フラット税制で誰でも確定申告することとして、企業による源泉徴収を止めればいいのです。
そうすれば、サラリーマン化に歯止めがかかり、電子納税のやり方の単素化できるはず。ぜひ行ってほしいものです。

維新の会に欠けているのが「外交と防衛」。「自主独立の軍事力を持たない限り日米同盟を基軸」とか「日米豪で太平洋を守る=日米豪での戦略的軍事再配置」などと言っていますが、国軍を持たないでアングロサクソンの国家と真の同盟などありえません。
そして、両方に言いたいことが・・・「憲法改正」して国軍を持つのでは間に合いません。現行憲法で、解釈による国軍保有でなければリアリティに欠けます。・・・ということ。

さらに言えば、現行憲法は進駐軍の占領下で公布されたもの。国際法に違反しているものです。本物の日本の憲法は、サンフランシスコ講和条約以降、未だに「大日本帝国憲法」であることは、日本人がどう思おうと、国際的には当然のこと。
世界が何も言わないのは、日本国憲法の方が、自分たちにとって都合がいいというだけの理由です。

そこを理解した上で新党の綱領を作ってもらいたいものですね。

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