2012年2月6日月曜日

3月はロシアの大統領選挙


3月4日、ロシアの大統領選挙の日です。
一時はその指導力が危ぶまれたプーチン首相ですが、ここにきて巻き返し、先ずはプーチン大統領の当選は確実になったようです。

1月30日に、プーチン氏は、ロシアの経済紙ベドモスチに論文を寄稿、3本目になる経済政策を公表しました。
その主旨は政敵ホドルコフスキー氏の投獄への正当性の論評と、国家戦略上、重要な産業を選択して国家の関与を続けることへの正当性を論じるものだそうです。

政敵とされるホドルコフスキー氏はユダヤ系ロシア人であり、モスクワ化学技術大学卒業したインテリです。ソビエト連邦が解体して、未曾有の経済危機に陥ったロシア。そこに登場した新興財閥の一人が、このホドルコフスキー氏で、自由経済に移行すべき時に国家経済に戻す政策をぶち上げるプーチン氏を批判しました。

その結果、権力を掌握したプーチン氏は彼を逮捕、投獄してしまいます。
プーチン氏の論文では、この投獄を次のように正当化しております。
「ソ連崩壊に伴う1990年代の民営化は公正でなかった。民営化で財をなしたオリガルヒ(新興寡占資本家)は政治に関与しようとしたり、外国に資産を売り渡そうとしたりした。そこで私は資源部門への国家の影響力を強めたのだが、それは正しかった」という主要。

ただし、今後はエネルギー部門などへの国家の関与を弱め、経済の諸問題は仲裁裁判所に移管すべきだとし、欧米の批判や国内世論に配慮するなどして、欧米の批判や国内世論に気を使っております。

その上で、「韓国や中国の成功は、国家の後押しによる効果が過ちを犯すリスクを上回ることを示している」とし、国家戦略上、重要な産業を選択して国家の関与を続ける方針も強調しているということです。

昨年暮れには、各都市部では選挙不正疑惑に抗議する反政権デモが起きています。しかし、中央と地方では貧富と情報の格差が大きく、反政権機運は一部の大都市にとどまってしまいました。
ロシア国民の性質でしょうか、やはり強いリーダーにあこがれる気質は変わっておりません。プーチン氏の演じる大統領のイメージは、ロシアの地方に住む国民にとっては頼りになる存在なのでしょう。

プーチン氏は、それでもロシアの変化は読んでいるようです。
地方知事の選挙や下院選の小選挙区制度を復活させる方針を示すなど、一定の“ガス抜き”を計る姿勢を見せています。(これらは最初のプーチン政権当時に廃止されたもの)
弁護士のストロボイトフ氏(23歳)は「下院選で選挙を通じた民主的な政権をつくる必要性を感じた。デモを受けてプーチン氏と周辺は人々の声に耳を傾け始めている」などと喜びを述べています。

自由貿易を標榜する日本。しかし、ロシアのプーチン氏ははっきりと「国家戦略上、重要な産業を選択して国家の関与を続ける方針」を必要と述べています。
TPPなどに振り回される日本政府のスタンスとは、まったく異なるプーチン論文。国家観をどのように位置付けるか、それは国民の選択のような気もします。

先月日本を訪れたラブロフ外相は、プーチン首相は北方領土問題について「熟知」していると述べました。
終戦を8月15日の停戦に置く日本。9月2日のミズリー号の調印に置くロシア。この問題を法的に見るか、それとも軍事的に見るかの問題かも知れません。
陛下の命により、銃を置き停戦に入った日本軍に対して、猛然と襲い掛かるソビエトの軍隊。それを黙認した連合軍の意図は・・・

そこらへんの真実を、プーチン氏自身から直接聞いてみたいものですね。
今後の日露交渉の為にも・・・

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