2012年2月18日土曜日

エネルギーは電気へ、日産と三菱の戦い


とても使いにくい自動車です。電気自動車。満充電でも100キロそこそこしか走らず、急速充電のスタンドはほとんど無い状態。
かろうじて高速道路のサービスエリアに少し登場しています。また日産のサービス店にはところどころに急速充電可能なお店がありますが・・そんな数ではとても足りません。
だいたい、充電設備があるから自動車で行くなんてことは、まず無いわけです。そんなわけで、まだまだEVの時代は先の話・・・などと思っていたのですが、どうやらそうでもないようです。

GSユアサと三菱商事、三菱自動車が出資するリチウムエナジージャパンが、車載向けリチウムイオン電池を今年3月から本格量産すると発表しました。
昨年7月に完成した滋賀県栗東市の栗東第1工場で、リチウムイオン電池を今年3月から本格量産すると発表。現在のミーブに続けて、今年発表する新型プラグインハイブリッド車(PHV)と、フランスの自動車メーカー・プジョーシトロエンに供給することになるそうです。

日産自動車と住友商事の共同出資会社「フォーアールエナジー」社は、住友林業のスマートハウスに対するリチウムイオン電池システムを、オートモーティブエナジーサプライ社(日産リーフの電池製造会社)から供給すると発表。
この電池の容量は12キロワット時と、リーフの半分の容量です。

需要が伸びると踏んだ三菱は、リチウムイオン電池の負極材を、中共・山東省にある全額出資子会社「青島雅能都化成」で40%の増産に踏み切ると発表。
リチュウムイオン電池の決め手は陽極。ですから負極材はそれほどノウハウは無いらしいですね。だから中共で少しでも安く作ろうと言うのでしょう。

そしてその陽極は、現在2種類が使われています。マンガン系と鉄系です。
日産も三菱もマンガン系を使い、欧米と中共は鉄系を使っているそうです。ニッケル系とコバルト系もあったようですが、コストの問題と、性能が上がらないことで消えていくようです。まだわかりませんけどね。

マンガンの中でも、日産の陽極はマンガンスピネル正極材で。この電極、あらゆる面から勝っているようです。スピネルとは、マグネシウムとアルミニュウムの酸化物。判りやすく言えば「ルビー」のこと。でも電極として使う場合はスピネル型結晶構造がポイントです。

どうやらリチウムイオン電池の価格は、リチュウムよりもこの電極材のコストが問題なのかも知れませんね。
そしてノウハウはあくまでも陽極の技術。

三菱、日産だけではなく、パナソニックも自動車用リチュウムイオン電池を開発、トヨタに供給し、プリウスPHVの電池として搭載するようです。
ただし、プリウスの電池容量は走行距離30kmまで。あくまでもトヨタは「純電気EVは作らない」と豪語していました。それにしてもガソリン依存を今後どこまでつらぬけるでしょうか?

電気が貯められなかった時代が終わり、リチュウムイオン電池によって貯められるエネルギーとなったのです。
貯められるとなれば、安い電気を求める消費者の声に、商人たちは必死になります。今は危険視されている原発も、安い発電で儲かるとなれば民間企業が乗り出してきます。
大量に放出される高レベル廃棄物も、処理すれば儲かるとなればトリウム原子炉業者も出てくるでしょう。

今は高価な自然エネルギー。しかし、やがて量子ドット型が完成し、量産効果が得られれば安い電気にもできるのではないでしょうか?

エネルギーは電気へ。石油の時代はまもなく本当に終わるかも知れませんね。

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