2010年12月30日木曜日

ロシアの石油王、再び刑務所に

プーチン首相の政敵であり、ロシアの石油会社「ユコス社(すでに破産)」の社長であったホドルコフスキー氏(と、もう一人)が、再び有罪となって投獄されてしまいました。
プーチン首相は「盗っ人のユコス元社長は獄中にいなければならない!」などと嘯いています。

ソビエトが崩壊し、ロシアとなった不安定な時に、自由主義経済を標榜して出来上がったユコス社。
しかし、その元手はソビエト連邦から持ってきて勝手に私有にしてしまったものばかり。もっともほとんどのものが国有財産だった共産主義の後始末ですから、どうしようも無かったことも事実です。
元KGBのプーチン氏は、この政敵ホドルコフスキー氏のすばやい動きを見ながら、ゆっくりと攻めて行きました。エリツィン大統領に接近し、次期大統領の座を確保し、権力を手中に収めたのです。
その間ホドルコフスキー氏は、アメリカなどの自由主義国との連携を深め、石油会社を興して経済的な優位を確立していきました。もはやロシアは共産主義ではなく自由主義となることを信じて・・・

エリツィン大統領が政界を引退し、その時「何事も訴追しない」という条件でプーチン氏が大統領になります。(政界を引退すると逮捕される共産主義では、独特の政治取引があるようですね)
そしてゆっくりと政敵ホドルコフスキー氏を攻めあげていきました。なにしろ「俺がロシアだ」というくらいの権力を握った元KGBのプーチン大統領です。事後法で罪人を作ることなど朝飯前。ホドルコフスキー氏の使っている資材ほとんどが元ソビエト連邦国家のものであったことを理由に彼を逮捕し、有罪として投獄したのです。
もちろん彼の資産は没収し自分のものにしてしまいながら・・・

そのホドルコフスキー氏が、6年の服役期間を満了して出獄してきました。
そうすると2014年の大統領選挙で何を画策されるかわかりません。何といってもアメリカなどに人脈を作っているホドルコフスキー氏ですから。
そこで今度はマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で追起訴されたようです。
そして有罪の判決が出てしまったそうですが、プーチン首相が次期大統領選に出馬する意向であることは皆様ご存知のこと。そのための有罪判決であることは誰でも気づいていることでしょうね。
あと3年ちょっとの任期のメドベージェフ大統領も、何か実績を作らないと負けてしまいますし、負ければ再び返り咲くプーチン大統領から、何をされるかわかりません。
北方領土などで実績作りを試みているようですが、中共などと手を組んでいるようですから、どうなりますことやら。
日本はプーチン氏に接触して、シベリアで見られる中共人民の侵略への対抗処置などに協力することを持って、北方領土の落としどころをサーチするべきでしょうけど・・・

この追起訴事件にアメリカが反応しています。
ギブズ米大統領報道官が、ロシアで「法の乱用があるようだ」と暗に非難する声明を出しました。
モスクワの裁判所による有罪の判断に「深い懸念」を示した上で「適正な法手続きがなされず、法の乱用があるようだ」と指摘。どうやらホドルコフスキー氏とアメリカのパイプはいまだ残されているようですね。

ロシア経済が現在化石燃料の輸出で成り立っていることは周知の事実。そしてその元を押さえているのはプーチン首相という実力者。大統領任期の法律があるためにメドベージェフという政治家に一旦は席を譲ったものの、決して権力を手放す人ではありません。
現在もなお、事あるごとに国民の信頼を得て、もはや神格化されつつあるプーチン氏は、間違いなく次期大統領に返り咲くでしょう。ロシア国民の心理をよく知っているプーチン氏です。

しかし経済はもはやどうにもならず、いつまで石油で稼げるかも判らない時代。電気自動車が本当にのし上ってくるのか、高効率太陽電池パネルはいつ完成するのか、より高性能のリチュウムイオン電池は・・など、技術革新は止まることなく続いています。

このような技術革新を匂わせ、ロシアと中共に楔を打ち込み、日露関係を再構築しながら北方領土の連合軍保有(今の国連保有)などを上手に使っていけるような政治家は、今の日本にいるでしょうか?(国連と言えば中共も色めきたちますよ・・きっと)
チャンスなんですけどね。

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