2010年12月27日月曜日

「たちあがれ日本」と「がんばれ日本」

日本の保守を自称する2つのグループがあります。リベラルこそすべての日本マスコミではほとんど報道されませんので、あまりピンとは来ないかも知れませんが。

「たちあがれ日本」は、郵政民営化に反対し離党した元自民党の平沼赳夫氏と、麻生内閣総辞職により財務大臣を退任し、自民党を離党した与謝野馨氏がスクラムを組んで、そこに都知事の石原氏がバックアップをして作られた政党です。
一方、「がんばれ日本」は航空自衛官で第29代航空幕僚長の田母神俊雄氏が、その論文(建設業を中心としたアパグループ【代表・元谷外志雄氏】が主催する懸賞論文)で、日本の現在のサヨク思想の馬鹿馬鹿しさを論破したことから、退官(正式には定年退職。法的にはどうしようもなかったため)させられたあと、保守結束の要(かなめ)として作られた「がんばれ日本・全国行動委員会」の会長に就任し、現在は「日の丸デモ」を企画・実施するなど、活発な国民運動を展開し、現状、参加国民が増加しているグループです。

「たちあがれ日本」は保守政治の受け皿政党として発足しましたが、民主党政権の中にあって声が小さく、マスコミに取り上げられないためにその存在感が出てきません。
過去の選挙を振り返ってみても、「拉致被害者を軍事力を使ってでも奪還」とか「日本再軍備計画」などの言葉が無く、結局、戦後日本の「事なかれ主義的マイルドさ」から抜けていません。(その方が国民に受けるということでしょうか?)
国民の支持を得て、議席を増やして発言力を高めようという戦略なのでしょうが、それでは国民迎合となってしまうわけです。
国家をリードする姿勢(すなわち政党の存在感)がなければ国民はついてきません。議席数獲得など考えずに、「国防軍事力増強」「強い日本のアピール」「日教組批判」などを前面に押し出さないと、この政党は消滅してしまうでしょう。
サヨクの保守つぶし謀略は、たちあがれ日本党に対する民主党との連立打診から始まったようです。
与謝野馨氏が民主党の小沢一郎氏と囲碁をするなど、「なれあい政界再編」を匂わせ始めたようですが、ここを「みんなの党」の渡辺喜美代表に突っ込まれています。

「みんなの党」は国民に人気がある政党ですが、正論部分は経済関係だけのようで、政治思想の立脚点が不明確です。
「国防に関する政策」「領土問題に対する取り組み」「日本の国家主権の守り方」などをもっと明確にして欲しい政党ですね。最近は「外国人地方参政権」には反対の意向を表示していますが、地域主権型道州制は変わっておりません。この「主権」は経済面を言っているようですが、地方行政に通貨発行権を与えるのでしょうか?

「がんばれ日本・全国行動委員会」の方は、インターネット言論などのバックアップを受けて活動を開始。今年2月に日比谷公会堂で旗揚げを行ってから、10ヶ月。独特の「日の丸デモ」は、中共の暴徒化するデモに対抗するように、整然とかっこよく行われています。
デモ行進中に、街行く若者、恋人同士なども加わるという、これまでに無かったようなデモとなり、反中共のアピールも、皇室に対する不敬弾劾の主張も明確で、沿道からの拍手もあるようです。街頭演説では保守論壇の著名人が登壇し、幾多の政治家も登壇しています。
ただ、この手法での心配なところは、謀略にやられやすいこと。すでに「my日本」などという右翼活動がそれとなく近づいてきているようですし、サヨクの謀略(仲間に化けて狼藉を働く)なども出て来そうです。
そして、これらのデモ企画の次をどうするかという点が見えてきません。
このような国民参加の動きを、政治活動にどのようにして発展させるのか、どうやって国政に影響を与えていき、政策・主張(たとえば防衛予算を上げるとか)を通していくのか、そこの戦略的なものが見えてきません。

「尖閣列島は日本固有の領土」「北方領土へのロシア大統領訪問への抗議」は、すでに保守陣営だけでなく、日本共産党のスローガンともなっています。(今、この文章を書いていたら、我が家の前でそういう演説をやっていますよ、日本共産党が・・・日和見なんでしょうけど)

これからの保守・・・やりにくくなってきますね。

0 件のコメント:

コメントを投稿