2010年12月16日木曜日

日産自動車と三菱自動車の提携

電気自動車「日産リーフ」を市場に出す日産自動車。そしてすでに電気自動車「三菱ミーブ」を市場に出している三菱自動車、この2社が14日に「包括提携することで合意」したそうです。
この提携は、内燃機関の自動車、軽・小型自動車とか小型トラックでの提携となっていますが、どう考えても電気自動車での提携としか思えないのですけど。

三菱ミーブは昨年販売されましたが、一向に街を走っているところを見かけません。おそらく充電設備の貧弱さから遠出が出来ず、ホームガレージの周りをうろうろしているだけなのでしょう。三菱系列の企業だけが買っているのかも知れません。価格も最初は高かったですし。
しかし日産は20万台の販売が目標。充電設備を、まず自社のサービスステーションに配備しました。しかし道路公団なども参加してくれないと、いくらなんでも1企業だけでは限界もあるでしょう。
そこで同じ電気自動車を販売している三菱自動車との提携になったと分析しますが、いかがでしょうか?

日産は、なぜかあのリチュウムイオン電池にはかなり自信があるようで、三菱にも供給して標準化を目指したいところでしょう。
リチュウムは中共で大量に産出されています。そして中共もリチュウムイオンバッテリーを生産し、いままでのように価格競争になったら半値でも市場を席巻するつもりでしょう。
しかし電池のノウハウはリチュウムではなく含浸するレジンにあるのではないでしょうか?
どんなに軽いリチュウムでも、電気密度を上げるためには重くなるようで、かなりレジンの研究が必要なはず。
そのノウハウに日産は自信があるのではないでしょうか?
日産の銀座ショウルームで、係りの女性にこの電池の重量を聞いたところ、「それは発表してはいけないことになっています」という返事が返ってきました。重さからレジンの様相が判るからではないかと推測します。

さて、そうはいってもリーフが販売されれば、すぐに購入されて分解され、電池も分解されてレジンの分析が始まるはずです。
研究者達の間ではほぼ内容がどんなものかは当たりがついているはず。すぐにサードパーティのコピー電池が出回ることでしょう。しかし安くできるかどうかは疑問。すでに日産には電池の製造ラインが日本とアメリカに出来ているはずですから。(先行投資の強みですね)
さらに回生ブレーキなどとの組み合わせなど、この電池の制御ノウハウも重要なポイントであろうと思います。うまく制御ができないと、この電池、すぐに火を噴きますからね。
そこで今、同じノウハウを持っているはずの日産と三菱の提携に踏み切ったのではないでしょうか?(トヨタのハイブリッド車の電池はリチュウムイオンではないはずです。ですからトヨタはリチュウムイオンのノウハウは持っていないかも知れませんね)

電気自動車の次の狙いはバス。それも路線バスが有望だと思います。大量の電池マーケットであり、急速充電設備も必要なはず。走行路線が決まっているから何かあっても対処しやすいですし、都市内を走ることから排気ガス問題にとっても有効。即ち行政も動かしやすいでしょう。

日産はバスは苦手。ですからバスを作っている三菱扶桑などのノウハウも欲しいところではないでしょうか?
バスが大丈夫となれば、いよいよ次はトラックへの挑戦となるのではないでしょうか?
大型トラックの電気化は、大気汚染を大幅に減らしますし、都市の環境にとっては申し分ないことでしょう。

しかし、高エネルギー電池が街中を走るとき、事故などでどのような問題が発生するのか、それはまだ誰にもわかりません。
雨の日の事故で大電流の漏電事故。内燃機関とは違った、新しい危険も生まれてくるのではないでしょうか?
だからといって萎縮することなく、前進することが我が「日本国民」の信条です。
日産と三菱、頑張って欲しいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿