2010年12月14日火曜日

中共、インターネットの「いたちごっこ」

産経で、矢板明夫氏が中共のネットを監視しながら、当局に消される書き込みを直前にコピーしているようで、その消された書き込みを紹介していました。
「3カ月前、中国全国は日本に対して『中国人船長を釈放せよ』と叫んだが、今は全世界が中国に対し『劉暁波氏を釈放せよ』と叫んでいる。まるでヤマビコのようだ」という書き込みがなされ、書き込みからわずか数分後に削除されたとか。
これを書き込んだのは、おそらく民主活動家の人でしょう。中共当局が消しても、このようにコピーしてしまえば、あとはウィキリークスじゃないですが、いくらでも公開が出来ます。

尖閣列島事件では、中共政府の野蛮な恫喝を知っているらしく、あの事件と今回の劉暁波氏ノーベル平和賞受賞の問題を引っ掛ける書き込みが続いたようです。
「日本と対立したとき、中国外務省のスポークスマンは、『日本は誤った道を歩んでいる』と批判したが、今回はさすがに『国際社会は誤った道を歩んでいる』とはいえないだろう。国民に中国だけが誤った道を歩んでいることをバラしたようなものだ」などと要点を突いた書き込みがあります。

このような書き込みを監視し、徹底的に削除する担当者も大変ですね。そして矢板明夫氏のように消される直前にコピーするのも大変なことだと感心いたします。
そしてこれらの書き込みから、中共政府と「国民の中にある民主化への願望」の対立がどのようになっているのかを予測することも可能なのではないでしょうか?
「すべては中国の自業自得だ。事前にあれだけしつこく『劉暁波に賞を与えるな』と騒ぐから、ノーベル賞委員会は劉氏にあげなければ、中国の圧力に屈した形になり、授与せざるを得なくなった」という書き込みは、反政府というより強気一点張りの政府のやり方を批判しているもの。どうして消去するのか、その感覚にも共産党の余裕の無さが感じられます。

中共政府がノーベル平和賞を茶番だとこき下ろし、本物の平和賞という触れ込みで「孔子平和賞」というものを創設しようとしたことも、ネット書き込みの絶好のネタになったようです。
「あまりにも孔子に失礼だ」といった反発は相当多く書き込まれたようですが、「ノーベル平和賞と孔子平和賞の格の違いから、あの立派な孔子様はノーベル氏の足下にも及ばない小者になってしまう。孔子の子孫は抗議すべきだ」とか、「国際社会を笑わそうとして、中国はとことんピエロを演じているね。そのサービス精神をほめるべきだ」などというのは、結構自虐的な響きを持っています。

評論的な書き込みもあるようです。「北京五輪や上海万博を立派に成功させても、中国は文明社会に近づいたことにならない。いまでも遅くない。劉暁波を釈放することは外国人の尊敬を勝ち取る第一歩だ」と言う書き込みなどは、大いに納得できるものです。
「13億の中国人に大きな未来へつながる希望の光を見せてくれた選考委員のみなさんよ、本当にありがとう」というのは皮肉なのか正直なのか・・・

菅政権は中国共産党の居丈高な発言、そして恫喝にオタついていますが、もしかしたら居丈高に出る裏には、国内のこのような国民の声にあせっている実態があるのかも知れません。
広がりすぎた貧富差と、なくならない賄賂行政。そして中共に危機感を感じている世界各国の国民も増えてきているようです。
貧しさゆえに一人っ子を人民解放軍へ入隊させた親も居るでしょうし、そういう兵士も政府の共産主義イデオロギー一本やりの姿勢には疑問を感じ始めるはず。インターネットへのこのような書き込みも、人民解放軍の兵士が行っている可能性もあるのではないでしょうか?

日本の政府も、もっと強く中共の民主化を押し出し、それに伴う日本の戦略を絵描き、東シナ海を公海とすることで世界の利益となることなどを強く打ち出していく必要があるはず。

中国語の出来る方は、矢板明夫氏のように消される直前の書き込みをハックして、どこかのサイトに集約して行ったら面白いかも知れませんね。その際には日本語訳も付け加えてくれることを望みます。

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