2010年10月3日日曜日

アメリカで自動車販売が微増

サブプライムローンという住宅バブルが弾けて、アメリカの経済は奈落の底に落ち込みました。
ほとんど日本の土地バブル崩壊と同じような低迷が現在も続いていますが、この9月に自動車の販売数がちょっと伸びたとか。

昨年の9月、米政府による購入支援制度の終了で販売が急減していました。その反動が出たとのことですが、前年同月比28.5%増の95万8966台と大幅なプラスとなったとか。
もっとも100万台を下回っていますから、景気回復まではまだまだといったところです。
売れている車は、1位がゼネラルモーターズ、2位がフォード、3位がトヨタと相変わらずだったようですが。

さて、これらの車はまだ内燃機関ですが、日本ではいよいよ日産が電気自動車を販売します。
これまでは予約だった受付が10月から仮契約になって、12月から正式契約となるとか。
そして気になるのは政府補助金ですが、エコカー補助金は9月で終了しました。
しかし電気自動車への補助金は今後も続くようです。急激な普及は望めないためか、その補助金額も77万円(メーカー側の見込み)と高額で、自動車税もほぼ半額、そして自動車取得税も自動車重量税も免税という国策上の大サービスぶり。
ただし、この補助金をもらいますと6年間は転売はダメということです。やはりどこかに厳しい条件が付いているものですね。

はやばやと販売を開始した三菱ミーブですが、価格が高いことと、まだ充電設備が不備であることなどで販売台数はそれほど伸びていないようです。
日産は現在必死で急速充電設備を増加中であり、リーフの納車が始まる来年の1月までにはほとんどの日産サービスステーションで充電が可能になる・・と販売店の人が話してくれました。

日本全国に充電ステーションが出来れば、他のメーカーも電気自動車を市場投入し始めるでしょう。トヨタだけはハイブリッド車を売り続けるかも知れませんが、完全電気化にするのはそれほど難しいことではないようです。
日産の充電設備が日本標準となり、やがてデファクトスタンダードとして世界の標準になればいいのですが・・・
ただし、急激に電気自動車が伸びればすぐに発電設備が不足するのは目に見えています。夜間電力需要が伸びれば夜間電力の価格も安くする必要がなくなるでしょう。
電気自動車の普及が、電気代を高くすることになるのは必至です。ご家庭から苦情が出てくるかも知れませんね。
ですからあまり急激な増加はかえってマイナス。それにバス・トラックの電化には、さらなる電池の容量アップと、安全対策も必要です。何しろ大電流が流れる電池ですからね。(この電池、乾電池などと比較してはいけません。ある意味では満タンのガソリンタンクよりも危険な箱ですから)

日産の電池はアメリカの日産工場で作られます。即ちこれからのアメリカの重要な輸出品になる可能性があります。リサイクルでも経済効果が期待できる電池ですが、エネルギービジネスとして、今後さまざまなアイディアが登場するでしょう。
プラグイン充電では、急速充電でも20~30分くらいかかります。この時間もある意味ではビジネスチャンスなんですけど・・・

これまではアメリカの石油メジャーが寡占していたエネルギービジネスですが、電気エネルギーは石油とちがってさまざまな方法で作り出すことが可能です。(化石燃料は作れません。掘るだけです)
ですから、電気代が上がってくれば、それがビジネスチャンスにもなるでしょう。太陽電池の開発競争(変換効率60%を目指す)も激化していますから。
スマートグリッド構想もこういうビジネスチャンス作りのひとつです。こういうエネルギービジネスが、低迷する経済から脱却するきっかけになるかも知れません。

しかし残念ながら、まだしばらく電気は電力会社からの供給でまかなわければなりません。
電気自動車を購入するには、自宅に3相200ボルトの電気を引き込まなくてはならず、その工事に10万以上かかるとか。
マンションなどの集合住宅に住んでいる方は、そのマンションの管理組合などと話をつけなければならず、なかなか大変なようですね。

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