2020年2月29日土曜日

楊潔チ国務委員はなぜ訪日したか?

中共は外交担当トップの楊潔チ共産党政治局員を日本へ送ってきました。
予定通り4月上旬に習近平国家主席の国賓訪日を実現したい中共側の意向の表れなのだそうです。
安倍晋三首相と28日に会談し、「習近平氏の国賓訪日を日中を挙げて成功させる」との意思表示を行いました。

本当にそれが実現できるのかどうか、武漢肺炎はまだ日中両国で感染拡大が続いていますし、中共側は全国人民代表大会(全人代)の開幕時期も決められない状況にあるにもかかわらずです。

楊潔チ氏の訪日の成果について、中共外務省の発表では「日中双方が感染対応で互いに協力し、困難を克服しようとしていることは、中日友好をより深く人心に浸透させた」などと述べていますが、当の習近平主席は「国内の感染は依然、(収束に向けた)転換点を迎えてはいない」としていますから、訪日実施に向けた環境は一層厳しさを増していると言わざるを得ません。

中共国内では70以上の都市が封鎖され、首都である北京も封鎖状態です。そしてその北京では2月26日には新たな感染者が10人も発生しています。
武漢では巨大なマンション群から、閉じ込められた人々の悲鳴や怒号が町中に響き渡っております。

このような国内の状態の中で、感染問題の収束を待たずに外遊に乗り出せば、国内から批判を浴びることは間違いないでしょう。

中共が武漢肺炎による非常事態宣言を出した1月20日の直前に、習近平主席がミャンマーを公式訪問したことについて、中共国内では「かなり厳しい見方」をされています。

では何故今になっても「習主席の国賓訪日」を中止せずに、「双方の努力で実現させる」ことを表明するためにわざわざ楊潔チ政治局員が訪日したのか、そこになにやら中共側の謀略があるのではないか・・と疑う訳です。

その謀略の一端が北京の経済専門家から漏れ出ているような気がします。
「対米関係が改善する見通しのない中で、対日関係を最優先している」と、この楊潔チ氏の訪日を捕らえながら、「日本で感染が広がり、訪日による感染リスクも出てきた。頭の痛い問題だ」などと述べているからです。

つまり3月下旬の国賓訪日直前まで「予定どうり」という状況を崩さず、その直前になって「日本国内での感染の広がりがあるために、訪日したくても出来ない」という理由でキャンセルしてくるという段取りです。

中共側の面子を維持しながら、訪日出来ない原因を「日本国内における武漢ウイルスの拡大」が原因で訪日を中止せざるを得なかった・・と、その責任を日本側に押し付ける考えではないのかと思う訳です。

この前から「日韓は初動体制を間違った」とか何とか、日本側がまったく武漢肺炎に関する対策をしなかったような発言がなされています。
それに対して、中共側は「こんなに必死に頑張っている」というイメージを国際社会に植えつけたいのでしょう。

日本側が対策に失敗したのは、習主席の国賓訪日を前にして「あまり騒がないでくれ」という中共当局の要請があって、日本政府は国民を犠牲にして中国共産党の言い分を呑んだのです。
そこには二階幹事長という親中派の権力者が居たのかも知れません。
ですから「新型コロナウイルスショック」を別名「二階ショック」と言うそうですね。

まだ4月には間があります。その間にこの「二階ショック」が収まることはまずないでしょう。
その間、中共側は日本側に準備をさせておいて土壇場でキャンセルし、「原因は日本国内でまだ武漢肺炎が収束していない」という理由を付けるような気がします。

ですから3月中は、日本国内のウイルス感染の状況が中共の新聞などのメディアで騒がれるのではないでしょうか。

中共国内での感染収束の兆しはまだ見えず、北京市内での感染も拡大を続けています。このまま3月下旬から4月初旬にかけても全人代が開催できなければ「4月上旬の訪日は延期になるだろう」との憶測も出ているそうです。

日本側に国賓訪日の準備をさせておいて、武漢肺炎の収束が出来なければその原因を日本側に持って行って訪日を中止出来るようにしておくこと・・これが楊潔チ共産党政治局員の訪日の理由であるような、そんな気がします。

どこまでもずる賢い中共のやり方・・世界中から嫌われるわけですね。

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