2020年1月8日水曜日

ソレイマニ司令官の殺害

アメリカ軍はイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官(62歳)をイラク・バグダッド国際空港への無人機攻撃で殺害しました。
なぜイランの司令官がイラクに居たのかは判りません。しかしソレイマニ司令官は外交も行っていたそうで、イラク、シリア、イエメン、シリアなどとの外交でも中心的人物だったようです。
レバノンに逃げたゴーン被告も危険に晒されるのかも知れませんね。

コッズ部隊のコッズとは、ペルシャ語で聖地エルサレムを指すそうですが、イランの最高指導者ハメネイ師はかつて、ソレイマニ司令官を「革命の生きる殉教者」と評していたそうです。
このコッズ部隊は特殊工作部隊として、主に海外での破壊工作を担当していてコッズ部隊の指揮下にはイラクのシーア派民兵が終結しているとか。

1980年代初めのイラン・イラク戦争から頭角を現し、中東地域でイランの影響力を広めるのに重要な役割を担うようになって行った人物だったとのことです。

このアメリカ軍の攻撃でソレイマニ司令官と共に殺害されたムハンディス副司令官は、シーア派民兵組織の中で最強硬派の「カタイブ・ヒズボラ」の司令官だった人物です。

マーク・ハートリング退役米軍中将は、「ソレイマニ司令官は生涯にわたり戦闘に従事していて、兵士から敬愛される存在だった。物静かでカリスマ的な男で、戦略面の天才であり、戦術の実行者でもあった」と評しています。

それゆえにアメリカ側から見れば「大きな悩みの種」になっていたようです。

このソレイマニ司令官がどこに居るのか、それを常時監視していたアメリカ軍の偵察システムがあったようですね。
「アイ・インザスカイ」という映画がありましたが、ほぼ同様な現実があると言うことでしょう。
バグダッド国際空港にソレイマニ司令官とムハンディス副司令官が一緒に居たという絶好のチャンスで、すぐにトランプ大統領がOKを出して、無人機(プレデター)が爆撃したと言うことにようです。

オサマ・ビン・ラディン氏を殺害した時はヘリコプター部隊が隠れ家に降り立ち、部屋に突撃して射殺したと言います。
今回は無人機による攻撃でアメリカ兵の犠牲者は出ておりません。

殺害すべき要人が今どこに居るのかを常に監視できるファイブ・アイズのシステムがすでに出来ていると考えられます。
もしかすると中共の大陸上空にもこのステルス偵察機が縦横無尽に飛び続けて居るかも知れません。
まだ中共にはステルス偵察機を察知するレーダーシステムは無いと思いますから。

ファイブ・アイズ(UKUSA協定)が今回の事件に協力したことは、ジョンソン英国首相の「われわれは彼の死を嘆かない」という声明で明らかになったと思います。
今回は英国とアメリカの共同作戦だったのかも知れませんが、オーストラリアとカナダ、ニュージーランドの協力も無ければ実現できなかったかも知れません。

このような軍事通信システムは、ステルス無人偵察機や攻撃機を効率的に運用するためのものです。中共が衛星攻撃を目的とした宇宙軍を立ち上げたのも、それが理由でしょう。
衛星を核にした軍事ネットワークがあってこそのハイテク兵器なのです。

それがファーウェイとかZTEを使った中共のアメリカからの軍事情報の窃盗を必要不可欠として、今のような事態が訪れたわけです。
アメリカは中共の言う「宇宙軍」はすでに持っていて運用しています。そこで中共は宇宙空間からアメリカの軍事通信衛星を爆破する考えで「宇宙軍創設」となったわけです。

今年から中共は宇宙ステーションを独自で開発し、2022年ごろから運用に入る計画のようです。
対するアメリカも、今年は再度月面有人飛行を再開し、民間のスペースシャトルであるスペースXを使った国際宇宙ステーションの飛行を再開するようです。ロシアに頼り切っていたステーションまでの飛行にアメリカも再参加すると言う訳です。

このような中、イランは何らかの報復をアメリカにたいしてやらなければならないのですが、中共もロシアもイランに協力しないでしょう。リップサービスはともかくとして。
それをはっきり示すのが、このソレイマニ司令官爆殺の目的ではないでしょうか。そして中共とイランを引き離します。

北朝鮮の金正恩委員長がいくら頑張っても、常に自分がどこに居るかを察知されていると言う現実からは離れられないでしょう。
地下に潜ろうと海の中に逃げようと、監視の目はついて行きます。きっと震え上がっているでしょうね。そして中共はまったく宛てのならないことを思い知ることになります。

いつでも殺害可能な状況があってこそ、アメリカ・トランプ大統領のディールがなされるわけです。
それが再確認されたソレイマニ司令官の爆殺作戦でした。

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