2020年1月16日木曜日

自由への渇望

自動車産業界の大物だった男は、金融商品取引法違反で逮捕され刑事被告人の1人になりました。
カルロス・ゴーンという人物です。

ブラジル生まれでレバノン育ちのゴーン被告は、我が日本の司法制度に耐えきれませんでした。罪がどうとかは判りませんが、高額の保釈金を払い保釈されても、住宅の入り口を、カメラで24時間監視され、使用できるパソコンは弁護士事務所の1台に限定され、携帯電話も1機に制限されてしまいます。
自由を失ったカルロス・ゴーン被告は日本脱出を画策します。「自由」・・それはカルロスにとてお金をいくら使っても手に入れたいものだったようです。

今回の脱出でゴーン氏は約22億円ほど支払っていると思われるそうです。雇ったのは民間軍事会社(private military company)で、脱出プランはこのような会社がやったのだろうと思われるそうです。(アメリカの軍人達が作る闇の会社)
ただこの闇企業がアメリカ政府と連携していたかも知れないという噂もあります。

アメリカの闇の会社への支払い、そしてレバノン政府要人への賄賂など、ゴーン被告は多くのお金を支払ってこの逃亡を成し遂げたのでしょう。
お金への執着が非常に強かったゴーン被告ですが、そのお金よりも自由が欲しかったのだと思います。

その後に起きたソレイマニ司令官の爆殺事件やアメリカへの報復など、中東情勢は混乱しています。ゴーン被告が使った賄賂ですが、レバノンの政権は何時変わるか判りません。
日本政府はレバノンに対して身柄引き渡しを要請しております。今は拒否されていますが近い将来はどうなるか判りません。

それでも彼は自由が欲しかったわけです。日産の会長時代に、合法か非合法化判りませんが貯めたお金です。それを湯水のごとく使って手に入れた自由。もしかしたらそれは「つかのまの自由」かも知れません。それでも良かったのでしょう。

しかしこれでゴーン被告は自ら有罪を認めた形になってしまいました。日本の検察や弁護団が調べていた犯罪かどうかという事実関係は、逃亡すると言うことで「犯罪」として確定したようなものです。

それだけでなく、アメリカの司法も「莫大なお金の動き」からゴーン被告のマネーロンダリングを追求し始めたようです。
これは闇金融側にとっては困った事態でしょう。アメリカ当局はゴーン被告の足跡から闇金融を暴き始めるかも知れません。

もしゴーン被告がアメリカ当局からも訴追され、捕まえられればなにを話すか判らないわけです。当然その前に口封じをするでしょう。
もはやゴーン被告は先進国には戻れないのではないでしょうか。中東やアフリカ諸国などを回って、もっているお金をすべて使い切った時にどこかで捕まるのかも知れません。

そんな危険を知って居ながら、それでも自由が欲しかったと思われます。それがどんな自由であっても・・・
人間とは、いや生き物はすべて自由を渇望しているのです。

これが判らないから、中共は「悪の帝国」になるのです。どんなに物質的な豊かさを提供されても、自宅内に監視官が入り込んで生活の全てを監視されたのではたまったものではありません。
そうでなくても、街中に付けられた監視カメラや、機械的に付けられる格差(学歴や収入などで)によって管理される不安など、反人間的な社会には反感があって当たり前です。

この反感が、次第に強くなるためにさらなる監視体制が必要になり、やがて国家が崩壊していくことになると思います。
強烈な監視体制が必要なのは、その政府自体の弱さの表れでもありますからね。

アメリカ合衆国の監視体制は地球規模で行われています。主としてテロリストをターゲットにした監視システムです。
もともとこの監視システムは、2001年9月11日の多発同時テロから始まった研究と開発の成果で、顔認識システム、衛星監視システム、無人偵察機運用システム、無人攻撃機運用システムから成り、さらにインターネットなどで街中の情報を集めるシステムまでが動員されて統括された運用が24時間体制で行われています。

この顔認証システムとインターネット監視システムを結んだ中共が、人権意識のない国内で発達させたものが中共の監視システムです。
人権意識の無い国家だから監視システムの自由な実験が出来るために、アメリカのIT企業が中共で開発していますから、その性能は高いでしょう。(GAFAなど)

ソレイマニ司令官の爆殺事件ですが、彼に勲章を与えるハメネイ師が、その時彼のことを「生きている殉教者」と表現していたことをご存知でしょうか。
この時すでにアメリカが彼を暗殺をすることを知っていたのかも知れません。そしてその後の報復と終結までトランプ政権と話が付いていたうえでの爆殺だったのではないかと・・・

どんなに優れたシギント(電子機器による監視システム)でも、結局「内部通報者」が居なければピンポイントの駁撃は出来ないと言うことです。
マスコミは「ソレイマニ司令官の爆殺」で米イラン戦争が始まるのではないかなどと書かれていましたが、アメリカ軍基地へのミサイル攻撃とアメリカの反撃が少し行われただけで「アメリカからの報復がなければ、もう報復攻撃はしない」というイラン側のメッセージと「アメリカはこれ以上武力攻撃はしない」というトランプ大統領の声明で終わったようです。

テロから自由を守るアメリカの監視システムと、自由から共産主義の抑圧(既得権)を守る中共の監視システムがあることは、もはや周知の事実となりました。

そして人間に「自由への渇望」がある限り、今後どうなって行くのかは・・誰にでも解ることなのですよ。

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