2020年1月10日金曜日

明日は台湾総統選挙

民主国家・台湾は何故出来たか・・・蒋経国総統が晩年に気が付いたアメリカの強さ、そして独裁政権では長期間持たないと言うことを悟ったこと。そして民主化することが大陸・中共に飲み込まれてしまうことを防ぐ唯一の方法だということに気が付いたところから始まります。

第二次世界大戦でルーズベルト大統領、チャーチル首相と共に写真には蒋介石総統が写っている写真が世界に流布されていますが、その記録には「蒋介石はつまらん男だ」などと書かれているようです。
それは宋美齢夫人が綺麗な英語とうまい説得力、そして英米に有利な行動をしていたからでしょう。その宋美齢夫人の子供が蒋経国氏です。宋美齢夫人は息子に徹底的に人心掌握術と駆け引きや騙し方、権力の使い方を教え込んだようですね。

晩年の蒋経国総統は「私の息子は総統を継がない。独裁は終わりだ」と述べたそうです。そして戒厳令を解き、新聞発行を認め、複数政党を認めたわけです。
こうして蒋経国総統は亡くなりました。

蒋経国総統の時代、副総統だったのが李登輝氏でした。李登輝氏は蒋経国総統から宋美齢式政治術を学んだと言います。
そして台湾を見事に民主主義国家に仕上げたのです。李登輝総統は戦前の日本で教育を受けた「日本人魂」をもった人で、かなりの中共からの圧力にも負けなかった人物です。

そしてその李登輝総統の秘蔵子が現総統の「蔡英文氏」と言うことです。学者タイプの蔡英文氏はなかなか国内経済を上手く操ることが出来ず人気が低迷していましたが、香港デモの弾圧で「一国二制度がまやかしの詐欺である」ことがバレてしまい、状況が変わります。

さらに蔡総統の経済政策に反旗を翻して蔡政権の行政院長を辞任した「頼清徳(らいせいとく)氏」を副総統に指名することを約束した蔡総統です。

一方国民党は韓国瑜氏を立てて、香港で嘘がバレてしまった「一国二制度」を受け入れて中共と一体化しようなどという論陣を張っているようです。
中共から流れ込む資金を使った選挙戦は、賄賂や恫喝をふんだんに使った選挙戦を戦っているようです。中共は賄賂や恫喝を使う選挙を何とも思っていませんからね。

先日オーストラリアで捕まった王立強氏や台湾で出国しようとして捕まった向心夫妻の無実を言いふらしている人物も居て、何が本当なのか訳が分からなくなるような攪乱戦術も使われているようです。
だったら蔡英文候補に入れようとするのが普通の有権者ではないでしょうか?

蔡英文氏は実家が豪商だったそうで、そこの末っ子で生まれたそうです。幼いころからおとなしく、あまり前にでて話をするのが得意ではなかったそうです。しかし頭が良くて、理科系の道を進み、学者として優れた評価もあったとか聞いています。

それが李登輝氏の目に留まって、気が付いたら政治の道に入っていたと言いますから、それほど政治家向きの人物ではなかったようです。
しかし持ち前の粘りと判断力で、台湾の現状と今後の進むべき道については判断が出来ているようです。

カリスマ性がなく、研究者タイプの彼女は、それでも今後の台湾に必要な戦略を立て、アメリカとの関係強化と、対中共戦略についてもかなり積極的な方策を持っているそうです。

そして今回の総裁選挙ですが、世論調査では蔡英文候補と韓国瑜候補の間は30%ほど蔡英文候補がリードしているようです。
そして大陸・中共の側が、全くこの台湾選挙については触れていないことに注目が集まっています。

昨年の暮れに発表した、今年の習近平の新年挨拶で、台湾同胞には何のメッセージもなかったのです。
香港とマカオには言及しているのに、不自然なほど台湾の名を出していませんでした。このことからも蔡英文候補が優勢であることに諦めを感じているのか、それとも何かの小細工があって静かにしていたほうが得策と踏んでいるのか、それは判りませんが・・・

1月3日の人民日報海外版には、「台湾人自身が祖国・中国よりも占領国であった日本や、台湾海峡を分断して第1列島線に台湾を組み込んで両岸の対立を生んだ米国のほうに親近感を覚えている。これは被害者が加害者に親近感を覚えるストックホルム症候群になっているようだ」と報じられたようです。

蒋介石の国民党が台湾にどんなに酷いことをしたかは忘れているようで、決してストックホルム症候群ではないことは、我々日本から見てもわかりますけどね。
現在も中共は香港、ウイグル、チベットに災いをまき散らしています。

中共にとっては、「自分たちの言うことさえ聞けば、幸せな人生がおくれる」ことを言いたいのでしょうが、林建良氏(日本にいる台湾の医師・独立派)は「我々は野蛮人と暮らしたくはないだけだ」と述べています。
恐らく台湾国民は彼と同じ気持ちではないかと思うのですけど・・・

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