2019年11月7日木曜日

回避不可、デジタル通貨の流れ

ロイターによりますと、EUが欧州中銀にデジタル通貨発行促す見通しだそうです。
EUが欧州中央銀行(ECB)や欧州各国の中銀に対し、公的なデジタル通貨(暗号通貨)の発行を検討するよう求めているからです。

日本でも「デジタル円」の検討が進められていますが、世界中で起きている公的なデジタル通貨の発行検討の裏には、偽造紙幣の反乱と非合法取引の蔓延という単独国家では防ぎようのない犯罪が多発し始めた現実があるようです。

世界中でさまざまな検討が行われ、それを持ち寄って安全なデジタル通貨のシステムが出来ると良いと思いますが、一番の問題はデジタル通貨による個人情報の悪用をどうするかという点ではないでしょうか。

通貨と言うと、イメージされるのは日本人ならばまず1万円札。アメリカ人ならドル紙幣かも知れません。
しかし通貨はもともと取引を記録した記帳に過ぎません。お互いの記帳を見せ合って、記録を付け替えていけば良い訳ですが、これでは書き換えられて信用が出来ないわけです。
そこで通貨という「物質」を作って物々交換と同じように取引が出来る状況を作り出したわけです。

コンピュータネットワークが普及して、携帯電話やスマートフォンが普及すると、この物質としての通貨(つまり紙幣)を、取引の記録に戻して、改竄出来ない保証をシステム的に作り出せればデジタル通貨が可能になるわけです。

この手法としてブロックチェーンというやり方が登場したわけですが、ようするにこの技術と偽造紙幣が作られない印刷技術との競争と言うことになります。

ブロックチェーンとは。イメージで言いますと「あなたのもらった給与の額をあなたが不正に増やした」とします。20万円もらったらそれを40万円に書き直すことが出来たとして、そうするとチェーンで繋がっている支払元の方も直さなければ辻褄が合わなくなります。
そこも直せたとしても、今度はその支払元繋がっている取引先や銀行も改竄しなければなりません。そうしていくと、無数の繋がりを直していかないと改竄がバレると言うことから、改竄は出来ないというイメージになります。

実際はもっと複雑で改竄防止の策が練られていると思いますが、この手法は税務署が脱税を発見する時の手法に似ておりますね。
デジタル通貨は国税局だけはトレース可能にしなければなりませんから、そこが難しいところでしょう。

現在は商品を買った顧客にポイントを付けているお店が多くありますが、このポイントにカードの発行を行い、そのカードを発行する時に個人情報が必要で、そこから「誰がどこで何を買った」という情報が売買される場合もあるようで、個人情報保護という観点から問題もあるようです。

我が日本が「円」をデジタル化する必要はない・・という方が多いかと思います。円札の偽造は難しいし、カードで支払いやスマホ支払は嫌だと言う方が多いようです。
しかし現実には電気やガス、水道は銀行口座決済ですし、第一、給与は銀行振り込みではないでしょうか。これすなわちすべて電子マネーと言えるわけです。

ともかく世界の流れがデジタル通貨に向かうならば、早く移行しませんといつまでも紙幣にこだわっていると、それだけでマネーロンダリングの為の「円札」という風潮になってしまいます。

ビットコインやその他の暗号通貨や、この全世界的に拒絶された「リブラ」とは違って、主権国家が発行する暗号通貨ならば、保証責任が発行国にあるとも考えられます。
国際決済も主権国家同士でレートに合わせた交換が出来ますし、それもコンピュータ内部で人を介在せずに可能になるでしょう。

通貨発行は政府機関の需要(必要な公共投資)も含む、需要と供給のバランスの上に自動的になされ、発行通貨量(統合政府の借金)も常に把握されます。

銀行業務はほとんど全てがコンピュータ化され、要求される貸出の評価(信用創造)もコンピュータが自動的に出来る様になるはずです。
全てブロックチェインの連鎖から掌握できる過去の実績を評価基準に使えるからです。

コンピューターの故障や破壊についても、複数台のコンピュータがバックアップを維持しながら連動して動くシステムが考案されているようです。

これらを合わせて考えると、紙幣よりもかなり安全な通貨がデジタル通貨であると言えるでしょう。犯罪には使えませんし・・・
まあ、犯罪者側も犯罪用デジタル通貨を作り、どこかでうまくマネーロンダリングが出来るように考えて来るかも知れませんけど・・

こうしてデジタル通貨が通常の生活に出て来ると、銀行や中央銀行はすべてがコンピュータ化され、そして財務省も不要になってくるのではないでしょうか。

自動化されたデジタル通貨の世界では、少なくともデフレ期に増税などという狂った判断はできなくなるでしょうね。きっと・・・

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