2019年10月3日木曜日

9・25、「香港人権民主法案」可決

香港のデモが収まりません。10月1日もデモが行われたようです。
5本の指を立てて、5つの要求が通るまではデモは収まらないことを示し長良のデモでした。そしてこのデモで180人以上が拘束され、3カ所で計6発の実弾が発射されたそうです。

その一発が1日の抗議活動に来ていて、至近距離から左胸を撃たれ、重体になった男子高校生(18歳)が居たと言います。
この場面は写真に取られ、マスコミで公開されましたからご覧になった方も多いでしょう。

この高校生は何とか一名は取り留めたそうですが、この抗議活動で若者側と警官側の負傷者数は100人超に上り、うち2人が重体だそうです。
香港政府は2日、抗議活動を「暴力行為」として厳しく批判する声明を出し、撃たれた高校生の学校周辺では警察の銃撃に抗議する集会が2日に開かれ生徒らが参加したと言うことです。

中華人民共和国の建国70周年を祝う「国慶節」は無事行われたようで、習近平国家主席が人民解放軍の部隊を閲兵し、軍事パレードには移動式新型大陸間弾道ミサイル「東風(DF)41」も登場したようです。

この国慶節に合わせて、安倍首相は9月27日に「祝賀ビデオメッセージ」を送っておりました。その内容は次の通りです。
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2019-09/28/content_75255561.htm

そして安倍首相がこのビデオメッセージを出す一日前に、アメリカでは香港のデモに対する「擁護法案」が上下両院で可決したのです。

この法案は、「一国二制度を前提に香港を中共と区別し、関税や査証(ビザ)などで優遇措置を適用してきた『米・香港政策法』(1992年制定)を含めた、香港への優遇措置を毎年見直す」ことが明記されています。
この香港優遇処置を活用してきたのがそれ以降の中共政権でした。

そして今回出された法案は、「香港の自治権や人権が守られていないと判断すれば優遇措置を撤廃する」となっています。
これは現在の習政権も香港経済に依存する体制になっていることを見て考えられた法案なのでしょう。

これであとはトランプ大統領がサインを刷れば成立することになりました。しかしトランプ政権は、デモを行っている民主化勢力に肩入れすることで、「抗議デモの黒幕は米国だ」と主張する中共に抗議デモを弾圧する口実を与えかねないという心配もあります。

9月26日には早速中共は、「同法案は事実を無視し、黒白を転倒し、香港の過激派と暴力分子に公然と加勢し、中共の内政に乱暴に干渉している。中共側はこれについて強い憤りと断固たる反対を表する。」と声明を出しました。

中共政府は「香港復帰後、『一国二制度』、『香港人による香港の統治』、高度自治の方針が貫徹されており、香港住民が持つ各種権利及び自由が法に基づき十分に保障されている。」と述べております。
もちろん「自由選挙を抑圧していること」などはオクビにも出しません。北京政府と香港行政府は対等ではないのです。北京の指示した候補者の中から選ぶだけですからね。これでは一国二制度にはなりません。
一国二制度とは「共産党独裁政権と民主主義政権」が共存すると言うことです。「無理だ」と思うなら最初からこんな制度で返還などしなければよかったのですよ。しかしもう決まったことですから守るしかありませんね。

この法案に対し中共は「これは中共の内政に対する乱暴な干渉で、香港を乱し中共の発展をけん制しようとする米議会の一部の人物の邪悪な下心を露呈した。」と述べ、さらに「香港は中共の香港であり、香港事務は純粋に中共の内政に属する。いかなる外国政府、外国勢力、外国組織及び個人による干渉も許されない。」と怒っております。

最後に「情勢を把握し、香港関連法案の審議推進を直ちに停止し、香港事務への介入、中共への内政干渉を停止し、中米関係をさらに損ねることを回避するよう強く促す。」と述べています。
さて、トランプ大統領はこの脅しと、「米中の利益を損ねる」という利益のみを重視する中共にどう対処するでしょうか。

香港デモは収まる様相がまだありません。トランプ大統領のサインが中共の軍隊導入を誘発するカも知れないという危惧はあります。
しかしそれでも、もう後へは引けないアメリカであることも確かです。対中交渉はすでに経済戦争から進んでしまっているようにも見えるからです。

天安門の悲劇が再び香港で起きた場合、今度は世界中が香港擁護に回るでしょう。中共の世界からの孤立と経済破綻が同時に進行することも考えられます。

最後に、今回の国慶節での安倍首相の祝賀メッセージは親中的なものでした。中共は世界から孤立しても日本はまだ騙せると考えるでしょうか。
天安門の時の様に、香港大虐殺が起きても、日本へ国賓として来日し「禊が終わる」ことのないように、日本の政治家には頑張って欲しいですね。

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