2019年4月19日金曜日

中共の景気回復、本物か?

この3月、全人代で2019年度のGDPの見直しが行われ、6%台前半に引き下げられたことから、中共経済の崩壊が噂になり始めました。

しかしこの全人代では、アメリカの圧力によって「中国製造2025」が封印され、また「外商投資法」が作られました。これは中共に進出した外国企業に対する技術移転の強制を禁止する法律です。
さらに、景気のテコ入れ目的で33兆円規模の減税と社会保険料の引き下げ表明されました。

この影響で、米中貿易協議が妥結に向かっているのではないかとの観測や、中共政府が景気対策強化にかじを切ったということで、現在は中共経済の崩壊論は影を薄くしています。

しかしロイター通信によりますと、銀行が融資基準を緩和すれば不良債権が増える恐れがあるというリスクも指摘しています。
その上で「金融緩和の努力で与信の伸びは底入れしつつあるようだが、景気が急回復する可能性は低い」と言うのが市場の見方であると述べております。

ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は、「5月下旬から6月上旬に米中両国が貿易協議を決着させる署名式を行う方向で、詰めの調整を急いでいる」と述べています。
今月末にライトハイザー代表がムニューシン財務長官とともに北京を訪問し、5月初めに劉鶴副首相がワシントンを訪れるそうです。

そこで決着が付けば、5月下旬にトランプ大統領と習近平国家主席による調印式を開く段取りになるそうですが、アメリカが中共の産品に課した追加関税を一部維持すると主張していて、対する中共側はすべての関税撤廃を求めているようで、まだ対立点は残っているようです。

MMTの考え方ですと、政府の借金は生産性が許容する範囲においては幾らでも通貨発行が可能と言うものですが、中共の場合はその政府借金(地方も含む)が約600兆元(約9700兆円)になっていると言います。(実際はもっと多いかも)

我が国の政府借金(いわゆる国の借金)は1100兆円で、半分は日銀が現金化してしまいましたから数字だけが残っているだけです。(金利は国債の所有者・日銀に入りますが、それはすぐに国庫に入れられますから無いのと同じ)

ですから我が国の経済は財務省のPB黒字化という経済成長を抑止する法律を廃止すれば急激に経済成長するように思いますが、中共の場合はどうなるでしょうか。

生産設備が大量に物を作っても、売れなければ生産性の指数には反映しません。これまで中共が作った物をアメリカが消費していたから生産性が高かったわけです。
すでにMMTを実施している中共ですが、日本の約9倍の負債を抱えています。ですからアメリカが輸入関税で購入を止めたら直ちに経済危機となってしまったわけですね。

アメリカの高関税だけでなく、その前から中共のミクロ経済系は借金漬けになっていたわけです。バブル崩壊の影響で・・・
そこに内需拡大を狙って33兆円規模の減税と金融緩和をしますと、企業などミクロ経済系は返済に走るでしょうから、そのプラス効果はなかなか出てこないでしょう。
つまり景気回復には時間がかかると言う事になります。

アメリカのトランプ政権は、決してこの対中交渉を急いではいないはずです。この貿易協議が決着しても、米中関係はすでに「安全保障問題」になっているからです。
アメリカ国民は中共に対して「恐怖政治」の国とのイメージを持ち始めたのかも知れません。情報統制や軍事技術の盗用、チベットやウイグルの弾圧などが知られるようになったからです。
それもマスコミではなくツイッターなどのインターネットによって・・・

マスコミも含めたパンダハガー達は、貿易協議が終結すれば中共の経済はまた再び繁栄するようになると述べていますが、果たしてどうでしょうか・・・

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