2017年3月25日土曜日

危機は去ったのか?

鍛冶俊樹氏がメルマガで「危機は去れり!」と述べております。
危機とは北朝鮮の暴発で、アメリカとの戦争が再開されるのではないかという危機のことです。3月22日に発射した北朝鮮のミサイルが爆発したことから、「危機は去った」との判断をしています。

鍛冶氏によりますと、「発射直後に爆発した弾道弾は米国に届く大陸間弾道弾(ICBM)ではなく、それよりは射程の短い弾道弾との調査結果がアメリカ国防省から発表された。」とのことで、「北朝鮮は年初から『ICBMを撃つ』と繰り返し言っていたが、今回発射したのはICBMではなかった。これには2つの推論がある。一つは『今後、撃つであろうICBMの前宣伝だ』というもので、もう一つは『これでICBMの発射を断念した』という見方だ」と述べております。

そして「前宣伝説が一般的だが、この説には明確な障碍がある。現在、日米韓のミサイル防衛体制は極めて強固になっており、まして米韓合同軍事演習の最中である。ICBMは飛距離が長いだけ飛行時間も長く、捕捉・迎撃されやすい。
 この状況で北朝鮮がたとえ実験にせよ、米国周辺に向けてICBMを発射すれば、迎撃される公算は極めて高く、もし迎撃されれば、北朝鮮が漸く手にした虎の子のICBMが全くの役立たずである事が一夜にして証明されてしまう。」として、「今回の発射には米国に暗に『ICBMの発射をしない』と示す狙いがあった」と見られると言うのです。

そして北朝鮮は前からアメリカとの直接交渉を望んでいるとして、このミサイルの発射でその交渉を早急に実現したいと(北朝鮮が)示唆しているとしても不思議ではない・・と述べております。

では、何故北朝鮮はこのような事をしたのか。鍛冶氏は、それは「中共の裏切り」にある・・と述べております。
中共はアメリカの弾道弾迎撃システムTHAADの韓国配備に頑強に反対している様に見えますが、ティラーソン国務長官と楊国務委員との3月18日の会談で、習近平主席の訪米について4月という時期を決めております。
これを事実上THAAD配備を容認していると見たのでしょう。

また、4月末とされる韓国大統領選でTHAAD反対の大統領が選ばれたとしても、一旦配備されたTHAADを撤去するのは極めて困難だとの見方をしております。
そして、親北派の大統領が選ばれたとしても、「中共が北朝鮮による韓国併合を許すかと言えば、答えは明確にノーだ」と言うことです。

なぜなら、北京は既に北朝鮮の核弾道弾の射程に入っているからです。その北朝鮮に韓国の技術をプレゼントするほど、中共は気前がいいとは思えないと言う訳です。
つまり、韓国に親北政権が出来て北朝鮮との交流がなされようとしても、今度は中共とアメリカがそれを許さないだろうと言う訳です。

すでに米中は北朝鮮封じ込めの方向に動き出しています。ティラーソン国務長官は4月にロシアに向かいます。NATO外相会議を欠席しても行くわけですから、これはアメリカの安全保障に関する重大な会談になることでしょう。
つまり、「北朝鮮封じ込めを邪魔するな」ということではないでしょうか。

ロシアがどう出るかは判りませんが、経済制裁の一部解除など交渉の材料はあるはずです。そしてトランプ大統領とプーチン大統領の会談も交渉カードの一つかも知れませんね。

こうして北朝鮮を孤立させると、いやでも北朝鮮はアメリカとの直接交渉しかなくなってくると言うのが鍛冶氏の見方です。

しかし、アメリカと北朝鮮の交渉とはどういうものでしょうか。まずは朝鮮戦争の終結でしょうか。停戦から終戦への交渉は考えられますが、それだけで済むものではないと思います。
拉致問題の解決はどうなるでしょう。アメリカ国民も拉致されています。アメリカは韓国・日本の拉致被害者の返還でなければ承知はしないはずです。

そして「金体制をどうするか」も交渉条件でしょう。つまり朝鮮戦争の勝敗がどっちなのか、アメリカなのか北朝鮮なのか、それによって金体制の立場が変わってきます。
双方が納得しなければ戦争再開になってしまいます。アメリカと北朝鮮が直接交渉に入れば。また長い時間がかかるかも知れませんね。

その長い時間、中共やロシアは黙って居られるでしょうか。また日本の拉致被害者はどうでしょうか。彼等にはもう残された時間がありません。

それにしても韓国国内の混乱はどうなるでしょうか。親北政権が出来ても、北朝鮮がアメリカとの交渉に入れば、また梯子を卸されてしまいますよ・・・

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