2016年11月15日火曜日

どうなるTPP

次期アメリカ合衆国大統領・ドナルド・トランプ氏は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの脱退を「来年1月の就任当日に宣言する」と表明しました。
さらにアメリカへの輸出が多い日本やメキシコ、中共の商品は、関税を引き上げると述べております。

このトランプ氏に17日に会談を行う安倍首相は、どのようにTPPの批准をトランプ氏に働きかけるのでしょうか。

メキシコのグアハルド経済相は、米議会が環太平洋連携協定(TPP)を承認しない場合、米国抜きでも発効できるようにする条項変更を検討するべきだと述べております。

そしてペルーのクチンスキ大統領は、米国の代わりに中共やロシアを加えた新しい協定をつくることも可能との考えを出してきました。
TPPを対中戦略とする日本にとっては受け入れられない考えですけど・・・

一方日本ではTPP批准のための法案をトランプ氏が大統領になった翌日に衆議院を通過させました。あとは参議院の審議を経て成立するわけですが、その前の17日にトランプ氏との会談が予定されています。

トランプ次期大統領は、ウォール街と対決姿勢を示し当選した大統領です。しかしアメリカ第一主義で、自由主義者ですから小さな政府を目指しています。

トランプ氏にとって、自由主義と自由貿易は異なっているようです。国家の主権たる関税を無くすことには反対なのです。
TPPもその他のFTAについてもトランプ氏は反対するでしょう。そしてそれは間違っていないと思います。

アメリカの生産性が高い時は、関税撤廃を目標にして様々な工作をやってきたアメリカです。その方がアメリカ製品の輸出にとって好ましい環境となるからです。
しかし、人件費の安い国から高度技術を使った商品がアメリカに流れ込むようになると、アメリカの生産性が下がり、関税撤廃は逆効果になってしまいます。当然関税自主権は維持し、アメリカに野放図に入ってくる製品には関税をかけて規制する方向に動くことになるわけです。

もちろんアメリカ市場を狙って輸出している国家はTPPに賛成であることも当然です。

さて、ここでよく考えてみましょう。関税撤廃で一番得をするのはどの国でしょうか。いや、そんな国はありません。
喜ぶのは国際的な流通網を握り、電子マネーで国際通貨を実現しようとしている「国際金融資本」ではないでしょうか。
例えば昔は「グレーンメジャー」、そして「石油メジャー」、さらに最近はインターネットを使った商品の販売を国際的に展開しようとしている勢力が挙げられる様に思います。

これまでは世界通貨として「ドル」が使われていました。国際決済は常にドルでした。しかしアメリカの経済衰退でドルの価値が下がり、SDRなどに頼った決済システムが取られるようになり、そこを付け込まれて人民元がドルに対抗する勢力としてのし上がろうとしています。

決済そのものは関税は関係ありません。しかし関税を無くせば安い商品を求めて小売も国際間取引きが増えていくでしょう。取引きが増えれば手数料収入も増えると言うわけです。
それが国際金融資本の狙いではないでしょうか。

どんな国家でも、輸出攻勢を掛けられるときは関税撤廃に賛成です。しかし逆に輸入超過の国家にとっては関税によって国内産業を守りたいものです。
そして現在は関税撤廃に賛成する国家も、状況が変われば反対に回ります。それをトランプ氏のTPP反対は露骨に示しているだけです。
アメリカの身勝手を攻めても始まりません。関税自主権は国家の主権として残さねばならないものなのです。グローバル経済の国際金融資本とその取り巻きだけが、違う主張をしていますけど。

このことを前提にして、安倍首相はトランプ次期大統領と話し合うことが必要でしょう。
TPPを批准しても中共に対しては関税は掛けられること(中共はTPPに加盟していません)。そしてアメリカの赤字は中共依存が大きいことが原因(?)、などを説明すればいいのではないでしょうか。
その上で、関税自主権は今後のどんな条約でも「廃棄」すべきではないことなどで合意すれば良いように思います。

安倍首相がトランプ次期大統領と話すことは、TPP問題だけではありません。今後のアメリカが、ロシアに対してどのような態度で出るのかを聞き出さなければならないからです。
ヒラリークリントン氏が国務長官時代に行ったリビア問題とシリア問題。その失敗から混乱を続けるアラブ諸国とトルコ共和国。そしてネオコンが裏で指揮しているであろうイスラム国問題。
国際金融資本を敵に回したプーチン大統領は、イスラム国を空爆し、その力を一時的に抑えました。反ウォール街で次期大統領に選出されたトランプ氏が、今後どのようなスタンスでプーチン大統領と対峙するのか、極めて重大な秘密会談です。

さらに、今後の中共に対するアメリカのスタンスも聞かなければなりません。国防省の制服組がすでにトランプ氏に国際法違反の中共に対処すべくレクチャーしているという噂ですし、軍の増強を言い始めた次期大統領なのです。
あわてた習近平主席がトランプ氏に電話し、早期の直接会談を申し込んだとか。アメリカの自動車を爆買いする約束などを持っていくのかも知れませんね。
その上で尖閣諸島に関してはアメリカは口出しするなと言ってくるでしょう。ですから安倍首相は尖閣諸島は日米安保の範囲内にあることをトランプ氏にも確認する必要があるのです。
まあ、「自分で守れよ」とは言われるでしょうけどね。

安倍首相のリーダーシップに期待しましょう。

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