2016年11月17日木曜日

安倍首相、トランプ氏との会談へ

安倍首相は、APEC首脳会議とTPP参加12カ国による首脳会合に出席するために、ペルー、アルゼンチンの2カ国訪問に向け出発しました。
その途中にアメリカ時間の17日、ニューヨークに立ち寄りトランプ次期大統領と会談します。マスコミ関係はTPPの先行きを問題としておりますが、アメリカが批准しなくてもTPPは動き出すことを伝えれば良いだけでしょう。

出発前の公明党の山口那津男代表と会談では、「(トランプ氏と)個人的な信頼関係をつくることが大事だ」と打ち合わせたとか。
また、オバマ大統領ともTPP参加国会談で話し合う予定で、そこでロシアのプーチン大統領とも会談を持つ予定になっているそうです。

アメリカ、そしてロシアの間で安倍首相は新たな連携を模索するように動いているようです。アルゼンチンへの訪問は南米の経済圏を意識したものかも知れませんね。

アメリカのトランプ次期政権がどのようなスタンスを取るかはまだ判りません。しかし少なくともアメリカ製造業を立ち直らせるのであれば、しばらくは内向きの政策を取らざるを得ないでしょう。
その場合、国際間で起きている摩擦や対立を誰がどのようにして落ち着かせていくか、誰かが、あるいはどこかの国がそれを行うしかありません。

今までは我が国は傍観者の立場でした。大東亜戦争の負けて、世界は戦勝国が取り仕切ってきましたから、傍観者でも良かったのです。
しかし、その戦勝国も70年以上を経て、力を失ってきています。石油を中心としたドル経済体制が崩れてきたからです。
IMFは通貨バスケット方式を採用せざるを得なくなり、それでも第二次世界大戦の戦勝国側は世界経済をリード出来なくなってきたわけです。

第二次世界大戦が終わって、欧米の戦勝国には貴族経済が残りました。生産をしなくても金利で食える貴族経済は、アメリカに渡ったユダヤ金融に金を預け、シティからウォール街に金融の拠点が移っても裕福な暮らしが出来たのです。

アメリカはこのような欧州の貴族体質を嫌悪していました。ですからアメリカの生産が世界を席巻したのです。そして敗戦国の日本とドイツは貴族社会が崩壊し、持っていた職人魂に火がつき、後進の産業社会をアメリカとともに作り上げたわけですね。(映画「太陽がいっぱい」の頃です)

アメリカと日本の生産性を背景に、ウォール街も成長し国際金融資本として膨張を続けます。世界の金融(保険、年金も含む)がウォール街を必要とし、相対的に生産性の低い欧州の貴族経済が衰退していったわけです。

膨張を続けるウォール街は、自分たちを受け入れないソビエト共産主義を敵視し、アメリカを使って戦争を仕掛けます。朝鮮戦争、ベトナム戦争などです。ソビエト連邦が弱体化すると、今度はイスラム圏を敵視して湾岸戦争やイラク戦争などを始め、膨張を続けようと画策するのです。
金融界の膨張はより多くの金利を必要としますからね。

ソビエト連邦は自らの官僚主義的体質が災いして崩壊を迎えます。エリツィン大統領でうまく資本の注入が出来そうになった時、プーチン大統領が登場して、ウォール街の思惑が外れてしまいます。イスラム圏を狙ったウォール街は、結局イスラム圏をめちゃくちゃにしただけで金融システムはなかなか入り込めません。

ウォール街は金融ビッグバンとかグローバル経済などというスローガンで金融の国境を取り払い、世界市場へと躍り出てきます。しかし、世界市場と言っても無限ではありません。あっという間に行き詰り、その反動が「反ウォール街」の流れとなって国際金融資本に反旗を翻します。
「人件費の安いところで作れば利益が出る」などとして株主利益の拡大を図ったウォール街のグローバル戦略が、先進国の若者や労働者を怒らせ、アメリカにおいて「ドナルドトランプ大統領」が誕生したわけです。

英国のEU離脱、ドイツでの「ドイツの選択」、そしてフランスでは「国民戦線」が躍進しそうです。このような事態には、これまで常識とされてきたお金の本質を変えてしまうような傾向さえ見られます。
つまり、お金は働く者の下に居るべきであって、上に居てはいけないという意識です。日本国民にとっては常識だったものですけどね。

トランプ氏はよく判っているはずです。また、プーチン大統領も判っているはずです。国際金融資本は、今後戦略を変えなければならないはずです。
しかし、「戦争によって破壊が行われれば、再び経済が活性化する」という20世紀の理論に立ち戻れば、今度は中共を炊きつけて日中戦争に持っていくかも知れません。
戦争は最大の消費であり、戦後復興はお金を強くしますからね。

中共は中華思想というレイシズムの国家です。それを実現するための急激な軍事拡大と軍事技術の向上は、その裏側で国際金融資本が活動しているような気さえします。

トランプ新大統領とプーチン大統領、そして安倍首相のスクラムが、この国際金融資本に対して「過去に戻らせない工夫」をさせなければならないわけです。

そしてこの11月17日、そのスタートが切られる・・・そんな首脳会談になるよう期待しましょう。

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