2016年8月11日木曜日

東京五輪、安く出来るか?

小池都知事は、東京五輪・パラリンピック組織委の森喜朗会長と会談し、東京オリンピックに掛かる費用をもっと低く抑えたい旨話されたようです。
森元総理は「協力する」と答えたようですが、さて、この多額の費用は利権が生み出す額ですから、本心がどこにあるかは判りません。

この席に、丸川珠代五輪相も現れてはからずも3者会談になったようですが、どのような会談だったかは判りません。

会談後、森氏は「私が政治家であったとき、お二人とも“森商事”の社員さんだった方です。分かりやすく言うとね。何も初対面じゃないんですから、話し合えばすぐ分かるということですね」などと述べたとか。
確かに小池氏は昔は森派に属し、丸川氏も森派を継承した細田派に所属していたそうですから、知らない間柄ではないようです。
しかし、こと金銭が絡むとそれぞれの思惑はなかなか合致しないものです。五輪利権をどこまで手放すか、そこがキーポイントですね。

現在の予算では、東京2020五輪で東京都の持ち分は2500億円です。全体の費用が2兆円から3兆円との試算が出ていますが、いったいどこにこのような費用が掛かるのでしょうか。

まず、招致に当たって電通が中心となって1億6000万円もの裏金を国際陸上競技連盟のラミン・ディアク前会長の息子に支払っていたことが5月に発覚しています。

水泳会場となる「オリンピックアクアティクスセンター」が683億円、そしてカヌーやボートの会場「海の森水上競技場」が491億円。
さんざん問題となった新国立競技場は、建設費2520億円でしたが、その後設計変更されるなど、現在は幾らぐらいになったのでしょうか。

さらに大会が終わればすぐに取り壊される「仮設施設」に約3000億円が掛かると言う見込みがなされています。

一方、みずほ総合研究所などが出した試算によりますと、2013年から2020年までの7年間に創出される雇用は約15万人、全国で3兆円規模になるそうで、そして五輪の経済効果は約30兆円になるとのことです。

今後4年間でこれだけの建築が始まりますと、若干は建築資材が上がるでしょうし、人件費も上がると思います。
そして期待される建築設備投資ですが、2020年以降の我が国の方針が決まらないとなかなか投資に踏み切ることができないかも知れませんね。

2020年以降は、国土強靭化計画の流れが防災と国防の両面からどんどんなされるような、そういう計画が必要なのです。
そうしませんと、雇用が増えるといっても五輪用の一時雇ではどうにもなりません。土木建築の新しい技術を生み出すためにも、今後の我が国の指標を明確に示すのが政治と言うものです。

それにしても、2兆円から3兆円という五輪の費用はちょっと高すぎるかも知れませんね。
森会長は、その後もサッカーやラグビーの国際試合を誘致するつもりのようですが、それは別途にプロサッカーなどの売り上げを見ながら作られたらどうでしょうか。スポーツと言っても趣味の一つです。サッカーやラグビー、あるいは柔道といった国際試合があるにしても、それが好きな趣味の国民は歓迎するでしょうが、そうではない国民にとってはいい迷惑かも知れません。趣味の団体に国税を使うことだけは止めて欲しいですね。

野球は好きな国民が多いらしくて、ドーム球場などが全国に出来ています。しかし後楽園のような一部を除いては、かなり運営に苦労している球場もあると聞きます。
五輪をチャンスとして広い競技場を作っても、その後の運営が赤字となってしまうのでは何もなりません。

そして、このように五輪の費用が高くなってくると、これから五輪の誘致を申し出る国家が減少して行くかも知れませんよ。

現在はまだ五輪誘致の国家がかなりあるようですが、今回のリオの五輪などを見ても、場外では五輪反対デモなどが現在も行われております。経済の悪化で五輪どころじゃない国民も居るわけです。
そして五輪にまつわる賄賂の問題も何とかしないと、だいたい東京誘致に裏金が1億6000万円も必要になるようなスポーツ大会など、スポーツ精神に反していませんかね。

金メダルがどうのこうのと、国威発揚の場として使われる五輪ですが、そろそろ「観衆に感動を与えてくれたアスリート(負けたにしても)」にも何らかのメダルを与えるようにしたらいかがでしょうか。
プロの選手が入っても良いようになってから、薬物使用や不正判定などが目立つ五輪に成り下がっています。その五輪をもとの若者の祭典に戻すことこそが、小池百合子都知事の役割なのではないでしょうか・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿