2016年2月6日土曜日

マイナス金利とは何か・・

日銀の黒田総裁が、実質上のマイナス金利を行ったのは1月29日のことでした。
そして総裁は、2月になって「これまでの中央銀行の歴史の中で、恐らく最も強力な枠組み。果たすべき目的のために必要であれば、新しい手段や枠組みをつくっていけばよい」と述べ、さらに「金利面での緩和拡大余地は十分存在し、必要な場合はさらに金利を引き下げる」と語りました。

このマイナス金利とは、すでに2015年1月にスイスで発生し、その後ドイツでも短期金利がマイナスになっていることが確認され、ユーロ圏ではすでにマイナス金利が恒常化しつつあるそうです。

なぜマイナス金利なのか、その理由は簡単で、銀行に国債を買わせず、融資を増やさせたいための対策なのだそうです。
銀行が国債ばかり買って貸出に回さない状態だと、国内の資金循環が停滞して景気が回復しません。国債を買えば損失が出る状態にしておけば、銀行は企業への貸出にシフトせざるを得なくなります。つまり、銀行が民間企業への融資を増やさせる為の強制政策だとも言えるわけですね。

では、銀行が国債を買わずに企業へ貸し出しをするでしょうか。世間がデフレ不況に喘いでいれば、利益が出ない状態ですから、企業側も融資など受け入れる余地がありません。
不良貸し付けを行なえば、銀行経営も危うくなりますから、そう簡単にはマイナス金利で資金が市中に出回ることは無いでしょう。

とすると、銀行はこのマイナス金利をどうするでしょうか。恐らく一般預金者に付け回すのではないでしょうか。
まだ我々の預金にはマイナス金利は付いておりませんが、最近は各銀行とも「投資信託」や、低金利の定期預金を勧誘し始めています。
もしかすると、普通預金の金利をマイナスにする予定だからかも知れません。

銀行預金を長く放っておくと、マイナス金利ですから目減りして、やがて無くなってしまうかも知れない・・ということになれば、預金者は定期預金に変えるか、債券などを買うか、の選択となってきます。
そして一番良いのが、使ってしまうことです。今もらったお金は今が一番最適な価格で取引が出来ると言うことです。

デフレとは、お金の価値がどんどん高まっていく状態を指します。だからみなさんは後で使おうとするわけです。これは別の言い方をすれば「物価が安くなる」ということになりますけど・・・
マイナス金利は、インフレを意図的に起こそうとするものです。銀行にあるお金を市中に戻し、活発な取引をさせようと言う経済戦略です。

しかし預金者は、まだ使う当てのないお金を銀行から降ろしても買うものが無い・・・となるわけですね。
子供の学業資金、老後の備えなどは定期預金でもいいでしょう。しかし、いつ現金が必要となるかも知れないお金は、目減りしてもやはり普通預金に置いておくしかない・・・このような現象が出てきます。

これではいつまで経ってもデフレ脱却は出来ない構図となってしまいます。
麻生財務大臣は、5日の閣議後記者会見で、日銀のマイナス金利導入に伴う国債市場の影響について「戦後やったことがないので戸惑いがある」などと述べておりました。

さて、ここに新しい市場がクローズアップされてきたようです。産業主義ではない市場です。

まず、ホンダ・アメリカがこれから販売する最高級スポーツカーの「NSX」第一号車をオークションにかけたところ、落札価格が1億5000万円になったというニュースがありました。
アメリカの富豪が買ったようですが、この買い物は明らかに消費ではありません。とはいっても、1億5000万円は銀行からホンダ・アメリカの収益になって行くわけで、アメリカの市中にそのお金が回るわけです。
買った富豪にとっては、目減りしない投資かも知れませんし、この車の人気が上がれば、将来は落札価格よりも高値で売れるかも知れません。第一号車は1台だけですからね。

つまり金融資産とは、銀行預金とか債券だけではないということです。

ホンダは、さらに手作りバイクを売り始めました。「RC213V-S」というバイクです。もちろん豪華な乗り物ではありません。
「ロードゴーイングレーサー」、すなわちレース場ではドライバーの技量次第でいくらでもスピードが出せて、一般道路でも走行可能というバイクです。
そして価格は2600万円、一台一台が手作りの部品で出来ていると言うことです。

バイクの価格としてはそれほど高くないと言います。欧州などでは1億を超えるバイクが多くあるようですからね。
しかしこのホンダのバイクは、いつまででも乗れるでしょう。手作り部品は消耗しても誰かが図面さえあれば作れるわけですから。

ホンダでは今、10台以上の注残があると言うことです。そしてこのようなスーパーバイクを、ホンダのライバル企業、即ち「カワサキ」や「ヤマハ」でも手掛け始めました。

「趣味の世界」と言う人が居ります。しかしこの趣味の世界が、新たに「投資の世界」に踏み込んできたと言う感があるのではないでしょうか。
日本にはこのような「投資対象」がいくらでもあります。バイクよりも自転車の方が良いという人も居るでしょう。楽器や陶磁器、時計なども投資対象になるはずです。(「精工舎」も、とても高い手作り時計を復活させています)

ようするに現金が欲しい時、すぐに換金が出来る商品が今後出て来るだろうと言うことです。その導入としてのマイナス金利だと思うわけです。
それをスムーズに行うには、まずどうしても資産税法の見直しが必要です。そうしないと裏資金が膨れ上がってしまうかも知れませんから。

もう耐久消費財の時代ではなくなってきたのです。意図的に明確に「すぐに換金可能な商品群」を作り出す必要があるように思うのです。
昔と違って、今はインターネットでオークションも出来る時代です。
「換金可能な商品群」が出来れば、購買も活性化し、お金は市中に出回るようになるでしょう。そしてデフレは克服され、職人の手作りが復活し、職業の多様化、熟練の賛美(高齢化対策)にも結びつくように思います。

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