2016年2月16日火曜日

消費増税10%は2017年4月なのか

衆議院予算委員会で、安倍首相が「8%への引き上げで、予想よりもはるかに消費の落ち込みが大きく長く続いた。国民に納得していただき、消費への影響にも配慮しなればならない」と述べました。

「大きく長く続いた」というのは過去形ですが、現在も続いていることをご存じなのでしょうか?
消費増税が控えているので、企業は増産体制を取りません。そして生き残るための社内預金を増加させ、金融機関からの借り入れをしようとはしません。
そして正規社員の給料は据え置かれ、慎重な対応に終始しております。増税先延ばしはせずに、中止を宣言すれば再び景気は上向き、給料が上がれば成長経済へと進むように思います。

日銀の黒田総裁は、都市銀行から国債を買い上げ、現金を渡しました。日銀の当座にそれが振り込まれます。
しかし企業側に借り入れ意欲が全くないため、資金は日銀の当座から動きません。資金を必要としている中小企業には、BIS規制が邪魔をして貸出しが出来ません。
そこで日銀が取った手段が、当座預金に手数料を掛けると言うこと、即ちマイナス金利だったのです。

当座に現金を置いておけば僅かでも金利が付いていたのが、マイナス金利で慌てた銀行が、現金を引き出して国債を買いに走ったのです。国債もわずかな金利が付いています。それを求めたのですが市場に殺到した国債買いオペで相場が上がり、わずかな金利を帳消しにする価格になってしまったわけですね。
ですから国債もマイナス金利になりました。

あとは国民の預金者の金利をマイナスにするしかないわけですが、そうするとタンス預金に置き換わることが懸念され、実行には抵抗があるようです。

ある大学の経済学教授は、現在の我が国の貯蓄が、発行された国債より下回っているうちは良いが、それを超えるとモードが変わるのです・・と述べました。

現在は銀行から国債を買い上げて現金を供給している日銀ですが、モードが変わると言うことは日銀が政府から直接国債を買うと言うことです。
政府は公共投資などでそのお金を使うわけですが、これは即ち我々国民の懐に直接お金をねじ込むのと同じだと述べております。

最初は見えないインフレが進んでいき、景気が良くなるかも知れませんが、やがてそのインフレが顕著になってくると、もう日銀も財務省も手の施しようが無くなると言うのです。
しかしその根拠が判りませんし、その教授も説明はしてくれません。
物価が上がるから、消費増税と同じことになると言うのですが、私は全く違うと思います。国内に鬱積している借金が、インフレによって消滅していくからです。そうすれば借り入れ意欲も出てきますから、銀行の当座から貸付にお金が流れます。
また、企業業績が良くなれば給与も上がっていくはずです。消費増税ではこうはいきません。つまりお金の価値がどうなるかよりも、いかにしてお金を流れるようにするかを考えるべきなのです。

消費増税はお金の流れを止める方向に働きます。預金の価値が高まりますからマイナス金利でも実質は金利が付いているのと同じかもしれません。物価が下がるからです。
つまりお金は流通を止め、取引は必要最小限にとどまり、税収は消費増税分を相殺して減収となり、企業は倒産して失業者が溢れ、国民は打つ手なしと追い込まれるのが消費増税の結果ではないでしょうか。

消費増税が必要と言う方も居られます。膨らむ社会保障費を賄うためには増税は避けられないという主張です。
税率を上げても税収が減れば、どうして社会保障を賄うことが出来るのでしょうか?

消費増税を容認する人たちから、増税による消費の落ち込みを推定する話が出てきません。しばらくすれば戻ると言うような、あくまでも消費はそのまま推移することが前提なのです。
この考えだと確かに税収が増えるでしょう。8%に上げた結果税収がどうなったのか私は知りません。ただ10%にすればすべて解決するような甘い話しか聞こえて来ないことがおかしいように思うのです。

10%にしても税収が上がらず、再び消費税15%として、それでもだめで・・・と繰り返していったらどうなるのでしょうか。破局的デフレにつきすすむのではないでしょうか。

インフレになって、やがてインフレが顕著になってくると、もう日銀も財務省も手の施しようが無くなることが、仮に事実だとしても、逆に消費増税でデフレになって、それが深刻になり、日銀も財務省も手の施しようが無くなることもある・・これも事実なのではないでしょうか。

であるならば、前者のインフレの方が良いはずです。企業が残っていますし、設備も残っているはずです。購入と言う行動を起こさせ、生産性を高める技術が、社会の変化の中で生まれ、それをキャッチアップしていけばインフレは克服されて行くでしょう。

しかしデフレの深刻化は社会機能がマヒします。企業が無くなりお金を流すシステムそのものも消滅してしまう可能性が高いからです。
人間の社会ですから、国民は生きるために何とかするでしょうが、もしかするとそれは裏経済かも知れませんね。消費税を取られない裏経済が出来上がっていく可能性もあります。脱税しなければ生活できない、そんな社会が、限りなく続く消費増税・・の結果ではないでしょうか。

今回の消費増税問題、そこまで考えて決めてほしいですね。

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