2015年11月11日水曜日

遂に離陸、MRJ・・さあこれからだ

開発が延びに延びていた三菱航空機のMRJ(三菱リージョナルジェット)が、11月11日9時半頃、無事に名古屋空港を飛び立ちました。初飛行は大成功だったようですね。先ずはおめでとうございます。
名機ゼロ戦を作ったが故に、敗戦後連合軍によって飛行機の開発を止められた日本。技術者の思いは70年の歳月を経て、再び空に舞い上がったのです。初飛行を見た人の中には目頭を押さえていた人も居たようですね。

さて、これで日本はジェット旅客機の製造と販売が可能になったわけです。このMRJの離陸可能距離がどのくらいかは知りませんが、小型機ですからかなり短いように思います。
エンジンはアメリカ製(プラット&ホイットニー社)のギヤードターボファンエンジン(GTF)を使ったようですが、おそらく開発コストと政治的要因があったのでしょう。MRJの為に開発されたGIFエンジンなのですね。

主翼と機体には炭素繊維を使った一体成形が用いられ、かなり軽量なようです。これが燃費30%減の根拠ではないでしょうか。
翼と機体、そして航空力学を駆使して燃費向上を狙った最新鋭の旅客機が、MRJです。

設計を三菱航空機という独立した株式会社が行い、試作・製造・飛行試験は三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所が行いました。あとは三菱航空機が販売とカスタマーサポートを行う予定だそうです。
また、初号機納入予定が2017年第2四半期(4月~6月)に予定されています。

このMRJと競合するのが中共の「ARJ」です。2008年11月に上海大場空港で初飛行が実施されたARJですが、マクドネル・ダグラスのMD-90のライセンス生産で使用された生産設備を使用していると言うことでダグラスのDC-9シリーズと酷似していると言われています。(安く作るには上手な方法です。日本の究極の職人技と比べれば・・・)
現在は309機の受注があり、中共国内以外にラオスやインドネシア、ミャンマーなどからの受注もあるようです。
なにしろ中共は「賄賂と恫喝」という販売方式ですから、今後軍隊のない日本のMRJと厳しい販売合戦となるのではないでしょうか?
もちろん、近代的な軍隊を持っている国はこのような営業のARJは買わないでしょうけどね。

さて、このMRJは、リニア新幹線との抱き合わせ販売という戦略はいかがでしょうか。現在は東京ー大阪間に予定されているリニア新幹線ですが、あまり中間に駅を作ってはリニアの意味が無くなります。
日本国内では、鹿児島までリニアでつないで、鹿児島から沖縄にはMRJで行くと言うような構想ですね。

もちろんターゲットは中共を除き、ロシアを入れたユーラシアの国々です。
どのように組み合わせるかは判りませんが、飛行機は短距離なら我慢できる乗り物です。長距離は新幹線の方が楽ですね。
こうして中共の賄賂・恫喝販売に勝つようにしましょう。

リニア新幹線は駅間隔が長くなります。間を埋めるのが新幹線ですが、新幹線は工期がかかります。空港を作った方が早くできますから、そこにMRJを売り込みます。
採算ベースまで考慮しながら、日本の運行システムを統合して売り込みましょう。
リニア新幹線はまだ開発に時間がかかります。ですからそれまではアメリカのジャンボ機を長距離用として使い、ローカル空港便にはMRJという組み合わせで、運航システムを開発する必要があるでしょう。

これからの貿易は、個人の取引になり、大手商社が介在しなくてもネットと物流と決済システムがあれば可能となります。その物流の部分が、この「交通システム」と重なるのではないでしょうか。
いかにコストを下げ、世界中に細かい商品を毎日短時間で届けるか、ここが勝負なのです。

国際宅配便・DHLがドイツで操業したのが1969年です。クロネコヤマトは少し遅れて1976年でした。当時は郵政省の反発もあって、小倉社長は大変苦労されました。
1991年にソビエト連邦が崩壊し、インターネットが一般公開されましたが、その元になった技術はDHLと同じ1969年でした。このARPANETという核戦略のネットワークは、米アメリカ国防総省の高等研究計画局で開発されましたが、もちろん当時は極秘扱いです。
何の関係もないこの2つが、「ネットの普及」と「宅配便のインフラとしての位置づけ」とがやがて融合していきます。そして融合させたのがネットの本屋さん「アマゾン」でした。

MRJ、リニア新幹線、自動運転の自動車などが、今後の流通の中心軸になるような気がします。それに伴って通貨の概念も、そして「生産」「販売」「利益」といった概念も変わっていくかもしれません。
そうなると経済システムそのものが根底から変化せざるを得なくなってくるでしょう。そして、そういう変化が起きなければ、欧州経済も、アメリカ経済も今後の発展は期待できません。もちろん日本もです。

このような変化を起こす起爆剤に、MRJがなればいいのですけどね。そうでなければ、単なる最新鋭のジェット旅客機が出来ただけのことで終わってしまいます。
重要なのは「採算を考慮した運行システム」なのですよ。もちろん貨物も含めてですけどね。

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