2015年11月21日土曜日

テロと欧州、そしてアメリカ

シリアのアサド大統領は親イラン、そして親ロシア。即ち反米であり反イスラエルでした。
そこにシリア沖に大量の天然ガスがあることが分かり、その利権もあるし、またイラン・イラクの石油をシリアから地中海に出す「イスラミックパイプライン」計画は、アメリカの同盟国サウジ、カタール(石油メジャー)には都合が悪い計画です。
そのシリアのアサド大統領はシーア派で、そこを狙ったスンニー派、即ちイスラム国の攻撃。もはやアサド政権は終わりかと思いきや、国土の3分の1ほどに押し込められてもアサド大統領は元気でした。

アメリカはシリアに入って攻撃するイスラム国を、手数が省けて良いと思っていたのかも知れませんね。しかしロシアは違います。アサド政権を擁護してイスラム国を叩く計画です。
結果的にはエネルギーをグローバル・メジャーなどに渡すものかという戦略に見えます。そして大義は「テロとの戦い」なのです。

欧州がユーロを作った同期の一つはドルに対する挑戦です。ソビエト連邦が無くなって世界の通貨がドル一極になることを嫌った欧州が一致してユーロで対抗・・したかったのでしょう。しかしこれをドルに対する挑戦と見たアメリカはユーロの総もち締め、ドイツに焦点を絞ります。

シリアで発生した難民を大挙ドイツに向かわせます。メルケル政権はこれを拒めません。第二次大戦でのドイツの選民思想の反省から、ドイツは難民を受け入れるとしてしまったからです。
ハイパーインフレのあとのデフレに苦しんだドイツ国民が選択したワイマール憲法下での全権委任法。ヒットラーとナチスがその後行った「優生学と断種法」とか「最終解決」など、ユダヤとかジプシーを殺しまくったドイツ国民は、敗戦の後その責任をすべてナチスとヒットラーに押し付け、ドイツ国民も被害者だったなどと世界に吹聴しました。その結果難民の受け入れを積極的に受け入れざるを得なくなってしまったようです。

シリア難民だけでは収まらないアメリカは、前から判っていたフォルクスワーゲンの排ガス不正を持ち出します。徹底的にドイツを叩くつもりかも知れませんね。
ドイツは中共に助けを求めます。現在アジアで売られているドイツ車(ベンツなども)はほとんどが中共製品です。ドイツと華の国は結びつきが強いようですね。

ドイツだけでなく、英国も中共に寝返っているようです。またIMFのラガルド専務理事(フランス人)は、IMFでのドルの影響力を下げるために人民元をSDRに入れるようにしました。
つまり、経済面では欧州とアメリカが対立しているわけです。

このような複雑化した世界を背景にして、パリの同時多発テロが起きたわけです。そしてフランス空軍は15日、「イスラム国」の拠点であるシリア北部ラッカを事件後初めて空爆しました。

「イスラム国」は16日にビデオ声明を出し、ワシントンを含む、シリアに軍事介入する国などの首都にテロ攻撃を行うと警告しました。
これに呼応して、ハッカーの活動家集団・アノニマスが宣戦布告します。イスラム国関係者の通信が出来なくなるようにツイッターアカウントのリストから5500件以上を停止に追い込みました。
「我々の洗練された調査能力と世界中に張り巡らされたネットワークのたまものです。造作もないことですよ」とはアノニマスのスポークスマンの弁です。

このアノニマスの攻撃がイスラム国にどのくらいの被害を与えたのかは判りません。

17日になって今度はロシアが、アメリカ主導の有志国連合がカタールに置く空爆作戦センターに事前通告してから、「イスラム国」が首都と称するシリア北部ラッカを集中的に空爆したとのことです。
アメリカ国防総省のクック報道官は、ロシアによる空爆は「歓迎すべきものだ」と述べながらも、「ロシアがシリアのアサド政権を支持する政策を変えない限り、協力を進める余地はない」とも述べたとか。
この空爆はシリアでの米露両軍の偶発的な衝突回避に向けて双方が先月合意した手続きに基づく初のケースだったと言うことです。

イスラム国はどこかに油田を持ち、一日当たり200万ドルくらい売り上げているとか。また、支配地域の住民約1,000万人から税金を徴収しているという噂もあります。

フランスの空爆、ロシアの空爆と続けばアメリカも空爆に動くのではないでしょうか。
空爆される地域に住むシリア国民はたまったものではありません。荷物をまとめてドイツなどに難民として逃げるわけです。

ドイツは難民を受け入れて、彼らに仕事をさせればドイツの若者の仕事が無くなるかも知れません。
フォルクスワーゲンなどは中共が作り始めます。ドイツ経済は持つでしょうか?
そして長期化するデフレ経済。人種対立が起こり、再び悲劇が始まりそうですね。

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