2015年11月4日水曜日

中共はフランケンシュタイン?

産経新聞社・政治部専門委員の野口裕之氏が、11月2日付けの新聞で「中共というフランケンシュタインを造ったニクソン・・・米大統領の対中大錯誤」というコラムを書いておりました。

米中国交回復を実行し、台湾の中華民国を切り捨てたニクソン大統領が、晩年にコラムニストのウイリアム・サファイア氏に、「われわれは(中共という)フランケンシュタインを造ってしまったかもしれない」と漏らしていた・・・ということです。

「一神教では創造主が宇宙や人間を造ったとするが、中国と中国人は例外の可能性も有る。中共の『創造主』は米国だ」と言う事のようです。
ニクソン大統領が描いたのは、中共経済発展→中共社会変質→民主化・・という流れでした。そしてニクソン氏に続く約8代の大統領が、中共という化け物を育ててきました。
そして最後に、理想主義者を気取る非現実主義者のバラク・オバマ大統領(54歳)が中共に「強大な魔力」まで授けたと言うわけです。
まさに英国で生まれた小説、「フランケンシュタイン」と「ヴォルデモート(ハリーポッターの最大の敵)」を作ってしまったのはアメリカなのだという話です。

しかし歴史を振り返れば、アメリカ合衆国の浅い歴史がコンプレックスとなって、中国4000年の歴史という「幻影」にすっかりひれ伏してしまったアメリカがあったのです。

太平洋戦争は、ソビエト共産主義を警戒する日本が、満州から中国大陸へと軍隊を派遣し、大陸の馬賊や匪賊と戦っていた時代に、アメリカを騙して日米戦争に誘導していった「蒋介石」や、その妻「宋美齢」の陰謀がありました。

当時のルーズベルト大統領は、うまく行きかけていたニューディール政策が、「それは共産主義だ」という叫びに潰され、失意ゆえの心の隙間に入り込んできた共産主義者の陰謀に乗って、日本に対しABCD包囲網と言う致命的経済制裁を掛けて、真珠湾から太平洋戦線が始まった訳です。
要するにこの時から、蒋介石・国民党と中国共産党の両方に騙されていたアメリカがあるわけですね。

多くの兵士を失って、やっと戦勝国となったアメリカは、すぐに共産主義の大国ソビエト連邦と対峙。ベトナム戦争終結に向けての「ソビエト封じ込み」という戦略から、ニクソン大統領が切った禁断の手形が、米中国交回復だったわけです。
その後、ハリウッドから大統領になったロナルド・レーガン氏の政権が打った、いかにもハリウッドらしい「スターウォーズ計画」が功を奏し、莫大な軍事支出に耐えかねてソビエト連邦は崩壊、そしてこの時、中華人民共和国は経済発展のチャンスを掴んだわけです。

ここで踊らされたのは日本でした。「日中友好」などというまやかしのスローガンで対中経済援助が始まり、八紘一宇の遺伝子が機能してしまい高度技術の中共への供与など、悪魔に金の卵を渡してきたわけです。
経済力を付けた中共は、「共産主義から民主化へ・・」ではなく「先祖返りの中華思想」へと傾斜していきます。
この中華思想こそ、4000年間一貫して中国を支配してきた妄想(華夷秩序)で、世界の中央に咲く華が漢民族(華人)であって、その周辺国はその華の幹であり葉であり根として、重労働によって華を支えるという思想です。
つまり、華人とは哲学や芸術を行って人類の頂点を担当し、労働は華夷秩序の下側が行うと言う、一種の「労働忌避」思想です。

これは旧約聖書(ユダヤ教)の「失楽園」思想に重なります。遊んで暮らせた楽園を、アダムとイブの犯した神に対する罪によって楽園から追放され、故に重労働を余儀なくされた人類です。ですから神に許されれば重労働から解放されるという、「労働忌避」思想ですね。
これを否定し、労働こそ神が喜ぶ行為であるとして、イエスキリストが登場します。しかし、欧州には「労働忌避」がカトリックとして残り、それに反旗を翻したプロテスタントが新大陸アメリカを目指します。

日本には「労働忌避」はありません。「額に汗して働く」ことが賛美され、共同労働を上手くやることが農業の生産性を高めることも知っておりました。(士農工商は生産性を高めるための職能制度で、階級制度ではありません)
この日本を国際社会に導いたのはアメリカでした。ですから日米は「労働こそが美しい」という思想で一致しています。開国後にキリスト教プロテスタントの学校が多く出来ていますが、日米間の一部にはこのような共通性があるように思います。
ついでに申しますと、サヨクが目指す共産主義革命は、貴族による階級社会を破壊し、共産主義という新たな階級社会を作るという「労働忌避」制度に過ぎません。

欧州は産業革命によって新たな「労働忌避システム」を作ります。投資と配当というシステムです。これがうまく行きすぎて貧富差が広がり、共産主義革命が始まります。しかし共産主義も労働忌避制度であることに変わりはありません。
資本がアメリカ大陸に渡ると、莫大な配当支払い(間接税も含む)に怒りが爆発、アメリカは独立国となりました。

今起きている中共と欧州の結びつき、そして日米同盟は、ある意味で「労働忌避」と「労働美化」の対立となるように思います。
IMFは人民元をSDRに組み込むことを11月に承諾します。恐らく中共はSDRシステムをぶち壊すのではないでしょうか。
日米はさらに労働生産性を高め、マネーの電子化に取り組むでしょう。インターネット、クレジットによる少額決済、マイナンバー制度による不正就労の排除など、新しい基本システムが始まろうとしています。

経済的に追い込まれる欧州と中共。それを打開しようと画策する資本優越主義。これに対して通貨そのものの概念を変えようといしている日米の取り組み。

中共のマジックであるAIIBと、八紘一宇が生きるADBの対決。まさに貴族主義と中華思想という邪悪と、正義の日米同盟という構図なのかも知れません。

正義が勝つことを、切に祈ります・・・

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