2014年4月23日水曜日

まだ決まらない集団的自衛権容認

世界的にこんな議論がなされたことはないでしょうけど、いまだ集団的自衛権の行使容認が国会で議決されません。
特に与党自民党内にも行使に反対する議員が居るようです。

例えば村上誠一郎議員がその一人です。そして反対の理由が「閣議の決定で解釈を変え、それに基いて自衛隊法を改正するということは、下位の法律によって上位の憲法の解釈を変えるという、絶対にやってはけいけない『禁じ手』だから」だそうです。
それでは「集団的自衛権は持っているが使用できない」と解釈し決めたのも同じ手法だったわけではないでしょうか。
そして常識的には「持ってはいるが行使できない」と言う方がおかしい解釈のような気がします。

そして村上議員は「ワイマールの落日」という本を持ち出して、民主的であったワイマール憲法のもとで、ナチス・ドイツが全権委任法を議会で成立させ、実質的にワイマール憲法を葬り去っていった歴史の愚を、安倍内閣が繰り返そうとしているなどと述べています。
「だから私は反対なんです」としていますが、どうしてこのような比喩が出て来るのか判りません。単に反対するための「こじつけ」に過ぎないのではないでしょうか。安倍政権を潰して自分が良いポストに就くための。

憲法が上位であって、立法が下位であるという解釈は、構造主義的解釈ですか? 
憲法とは抽象的に表現されるべきもので、その具体化が立法であることを考えれば、解釈変更は立法府の責任で行っていいはずです。むしろ立法で行うべき事柄だと思います。
日本の憲法とは、日本を表現する抽象的な文脈であって、本質的にはマグナカルタ的憲法とは異なるものと考えます。

集団的自衛権は、すべての主権国家が自然に持っている権利であり、日本が主権国家である以上当然持っている権利です。日本国憲法に「国際紛争を解決する手段としての軍事力は保持しない」となっているから「持っていても使えない」などというおかしな解釈にしてしまったわけで、「国際紛争を解決する手段でなければ大いに戦闘行為を行うべし」と解釈すれば、集団的自衛権行使は憲法の許す範囲になります。

中共の行っている「中共独自の歴史解釈」による領土侵略は、国際紛争ではなく単なる侵略行為ということになりますから、これを集団的自衛権で駆除することは、日本国憲法の解釈など必要のない軍事行動であって、日本が持っている集団的自衛権が、憲法解釈によって行使できないとするのは間違った解釈なのです。

ナチスが政権を取り、全権委任を取ったのは経済理論が判らないまま公共投資を莫大に行いドイツ経済を復興したからです。同じころ同じことを英国のジョン・メイナード・ケインズ博士も論文で述べています。
第一次大戦後の恐慌で世界中がデフレに苦しんでいるとき、ナチスがその理論など知らないまま、見事に経済復興をやってしまったことが、民主主義を狂わせて「全権委任」の愚に及んだわけです。

このナチスを狂わせたのは、ドイツではなくて英国のチェンバレン首相だったのではないでしょうか?
戦争に疲れていた英国は、嫌戦気分が強くなっていてナチスに対し妥協していきます。それがヒットラーに自信を付けさせ、第二次世界大戦に突き進んでしまった原因であって、日本の平和憲法擁護と酷似しています。
ナチスの台頭が欧州の貴族資本主義を脅かすことに気が付いた英国は、チェンバレン首相をチャーチル首相に交代させて、アメリカにSOSを発信します。

アメリカも嫌戦気分が覆い、欧州の戦争にアメリカを巻き込ませないことを公約に当選したルーズベルト大統領は、チャーチル首相のSOSにいい返事が出来ないで苦しんでいました。日本を締め上げ真珠湾攻撃に踏み切らせ、やっとアメリカ軍がナチスと矛を交えたのですが、その時はもう時期が遅くなっていて、悲惨な欧州の大戦争になってしまったわけですね。

中共の「独自の歴史解釈」を許せば、世界は中共を中心にした世界国家ということになります。そしてこれは共産主義革命の大義と一致します。先ずアメリカと中共で世界を二つに分けて、それからアメリカの衰弱を待って中共一極の支配構造を作り上げるのが現在の中華思想(共産主義思想)というわけですね。
ここでアメリカと表現されるものは、金融支配を指しているのでしょう。つまりウォール街のこと。

ウォール街は無機質な金融世界です。俗な言い方をすれば、「世界中の人々をお金の奴隷にする」のが目的のようなところ。しかしそれは計画されたものではありません。
人類が進歩を止めると「お金の奴隷」になってしまいますよ・・・と言うことなのです。

集団的自衛権行使容認は、かつてのチェンバレン首相の失敗を繰り返さないようにすることです。実質的にワイマール憲法を葬り去っていった歴史の愚とは、チェンバレン首相の平和主義がもたらしたとも考えられますからね。
このチェンバレン首相の愚を繰り返そうとしているのが、この村上議員であり、その他の「集団的自衛権に反対する議員達」であり、護憲派と言われる議員達とも言えます。

常に戦いから逃げるとき、悲劇が襲ってくるものなのです・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿